この本で目指すのは、「物語思考」という考え方を使って、頭の枷を外し、自分のキャラを作ることで、行動しやすくして、今を充実させるということだ。
「物語思考」を一言でいうと「自分の理想どおりに人生を過ごすためには、いっそ一つの物語を作るように考えたほうがいいよ」ということだ。自分を主人公にして「物語を進めるように」人生を送ること。これが「物語思考」だ。
「物語思考」で考えると、悩みごとや心配ごとはどこか「他人事」になり、多くのことを楽しみながらクリアしていける。自分という「主人公」のなりたい姿を決め、「キャラ」を設定し、そのキャラが活きる環境で物語を「転がして」いく。自分のことだと怖くてたまらないことでも、自分の物語のキャラだと思えば、「こういう行動をさせたほうがいいな」と大胆に考えられるようになる。
ゴールまでの道のりを極めることを愛し、楽しく続けられる物語を生きよう。
私たちは今を過去の積み重ねで捉えがちだ。だが、過去がどうあっても、「未来にこうありたい」という方向性が決まれば、今が変わる。「過去からの積み重ね」よりも「未来になっていたい状態」のほうが、現在の行動への影響度が高い。だからこそ、「なりたい状態」を自分で把握して、言語化しておくのは大切なことだ。
「過去に何もしていなかったら……」という気持ちは忘れたほうがいい。何かをやるなら、若いうちから行動を始めたほうがいいというのは自明だ。だったら、人生で一番若い今、過去を悔いるよりも、行動を始めるほうがよっぽど合理的だ。
未来の自分を想像するためには、「10年後に自分がなりたい状態を、制限なしに100個くらい書く」のがおすすめだ。誰に見せるものでもない。ワクワクすることをとにかく書き出してみよう。
ポイントは「制限なし」ということだ。そう言われても多くの人は無意識にブレーキをかけてしまう。「年収1000万円」「部長になる!」と書いた人もいるかもしれないが、「年収1億円」「社長になる」にしなかったのは、「それはさすがに無理だろう」と思ったからではないだろうか。
制限を突破するヒントは、数字を「2倍」や「半分」にしてみること。年収1000万円と書いたけど、2000万円のほうが良くないか? 労働時間を週30時間と書いたが、15時間だとどうだろう、と考えてみよう。
なりたい状態を書き出せたら、次は「抽象度を上げてみる」作業をする。これは、「なんでそうなりたいんだっけ?」と、もう一段上位の理由を考えてみるイメージだ。そうすると、「1億円がほしいのはお金の不安を持ちたくないから」「部長になりたいのは自分の思った正しいことをやれるようにしたいからだ」といった自分の気持ちに気づけるかもしれない。
抽象化したところからもう一度具体的な目標を考えていくと、より自分の理想に近づくことができるだろう。たとえば、「金銭的な自由がほしい」というところから考えると、「働かないで必要なお金を手に入れたい」という思いに気づき、「不労所得で年に1億円入るようにする」というほうが自分の理想に近いということがわかるかもしれない。このプロセスを経ることで、より精度の高い「なりたい状態」を作ることができる。
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