私たちの人生において、苦手な人は必ず現れる。それでも、苦手な人たちともうまく付き合っていかなければならないものだ。
苦手な人に対する感情は、大きく2つに分けられる。1つは「イライラする」「ムカつく」。もう1つは「怖い」「委縮してしまう」だ。
イライラの背景には「ペースが合わない」「価値観・常識が違う」「成熟度が違う」などがある。つまり、自分より弱い人に対しては、イライラすることが多い。
一方で「怖い」は、恐怖や不安、プレッシャーから生じる感情だ。自分よりも地位が高く、強い相手には「怖い」「委縮してしまう」という負の感情を抱きがちである。
ここでは、ペースの違いにより「イライラ」を感じさせる事例を見てみよう。
職場改善会議に出席している吉村さんは、会議に関係のない話題ばかり持ち出し、会議参加者の集中力を削いでしまう「読めないクン」にイライラしている。この会議の趣旨が「違う部署の代表が集い、さまざまな視点からのアイデアを交換する」だからか、「読めないクン」がもはや若手とは言えない年齢だからか、誰も彼を叱れないのだ。
ペースが合わない「読めないクン」に、吉村さんは大いにストレスを感じている。
次は、プレッシャーの対象として「怖い」相手と直面している事例だ。
武地さんはまったく別の業界から、ヘッドハンティングされて転職した。ところがそこには、驚くような世界が広がっていた。
朝礼では、大声で「おはようございます!」「いつもお世話になります!」「ありがとうございます!」と叫び続けなければならない。その間、課長は部下たちを「声が小さい!」「気持ちが入っていない!」などと叱咤激励している。歓迎会では「気合を入れて飲め!」と迫られるし、営業同行では、課長が場違いなセールストークを並び立てて空気を凍らせている。
課長の超・体育会系の指導が続き、武地さんは精神的に疲れてしまった。緊張状態が続き、毎朝の出社を憂うつに感じている。
あなたが日常生活でイライラするとき、たいていは「ペースが合わない」「価値観・常識が違う」「成熟度が違う」の要素を含んでいるはずだ。たとえば、待ち合わせのたびに遅れてくる友達にイライラするのは、「友達といえども、約束は必ず守るべき」というあなたの常識とは違っているからだろう。
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