精神科医Tomyの人に振り回されない魔法の言葉

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精神科医Tomyの人に振り回されない魔法の言葉
出版社
エムディエヌコーポレーション

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出版日
2023年09月01日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「人生の悩みのほとんどは、対人関係によるもの」とよく言われる。対人関係が難しい理由は、「相手とどう接すればいいかわからない」「合わない人でも関わらなければならない」といった「相手との違い」に起因するものから、「自分はこう考えるから相手も同じように考えるだろう」「言わなくてもわかってくれるはずだ」といった、「相手への期待」に起因するものがある。

本書は、『精神科医Tomyの心の不安を取り除いて、寝る前に気持ちをスッキリさせる魔法の言葉』の続編で、悩み多きOL・楓と、四次元世界から来た謎の精神科医「Tomy」が繰り広げる、ストーリー仕立ての一冊だ。本作では人間関係にフォーカスし、他人に振り回されがちな楓の悩みを、Tomyが「秘密道具」を使って解決していく。

Tomyは、対人関係でモヤモヤしたり自分を苦しめたりしているものは「他人への期待」だと断言する。他人が自分の期待通りの反応を示さないと、勝手に頭にきたり落ち込んだりしてしまう。つまり、他人に振り回される原因を作っているのは自分自身なのだ。だが、ほんの少しモノの見方や考え方を工夫すれば、ストレスを減らすことができるとTomyは言う。

楓の抱える悩みは、現代を生きる多くの人に当てはまる内容だ。Tomyの軽妙な語り口調も楽しく、クスリと笑いながら読み進められる。人間関係にモヤモヤしたときに本書を開けば、きっと解決の糸口が見つかるだろう。

著者

精神科医 Tоmy(せいしんかい とみー)
1976年生まれ。某名門中高一貫校を卒業し、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。
2019年6月から本格的に投稿を開始したTwitter(@PdoctorTomy)が話題を呼び、半年もたたないうちに10万フォロワー突破。2023年1月時点で38万フォロワー突破と人気がさらに急上昇中。舌鋒鋭いオネエキャラで斬り捨てる人は斬り、悩める子羊は救うべく活動を続けている。著書に『精神科医Tоmyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』『神経科医Tоmyが教える心の荷物の手放し方』(ともにダイヤモンド社)や『精神科医Tоmyの気にしない力』(大和書房)ほか多数。NHK『あさイチ』にも出演し、いま一番注目を集める精神科医である。

本書の要点

  • 要点
    1
    職場で嫌がらせをされたら、その人にされたことを記録しよう。記録のポイントは(1)された内容とその時間、(2)業務に影響があった行為を箇条書きにする、(3)(2)の行為によって自分の業務にどんな影響があったか、の3つである。
  • 要点
    2
    他人は思い通りにならない。価値観の違いを前提に付き合い、相手に期待をしないことが重要だ。
  • 要点
    3
    相手を動かしたいときも、相手の気持ちを優先させ、本人に選択権を与えることが大切である。
  • 要点
    4
    「今日と同じ日」がずっと続くとは限らない。当たり前だと思っていることを当たり前と思わず、日々感謝して生きなければならない。

要約

上司から嫌味を言われる

相手にされたことを記録する
Prostock-Studio/gettyimages

本書の主人公は、OLの水谷楓。楓はこの春に新しい部署に異動したのだが、異動早々、そこの女性上司にまいってしまっている。

上司は楓よりも3歳年下だが、その部署での経験は楓よりも長く、楓が何か聞こうとしても「私よりこの会社長いでしょ」などと、ことあるごとに嫌味を言ってくる。

楓は、部屋に居候している精神科医Tomyに「もう会社に行きたくない」と愚痴をこぼした。するとTomyは、「どこでもノート」と言って、おもむろに一冊のノートを取り出した。ふとTomyのおなかに目をやると、この間まではなかった半円状のポケットがついていた。

Tomyは、「問題は上司本人にありそうだけど、楓の話には具体性がないのよね。それでは対策が立てられないわ」と、どこでもノートを楓に渡して、次の3点を書くように言った。

(1)問題のある人にされたことと、その時間

(2)業務に影響があった行為を箇条書きにする

(3)(2)の行為によって自分の業務にどんな影響があったか

ポイントは、「なんとなく言い方がきつい」などの主観的なことは書かずに、客観的な事実のみに絞ることである。こうすることで状況の整理ができ、もし上司のせいで業務に支障が出ることがあっても、上層部にこのノートを見せて訴えることができる。

記録は「気持ちの整理と証拠作り」

楓は、その日上司にされたことを箇条書きにしていった。「名前を呼ばずに『そこの新入り』と言われ続けた」「『君、何もできないね』とみんなの前で言われた」「退勤直前に次の業務をやるように言われ、残業した」。楓は書いていくうちに、だんだん腹が立ってきた。しかしTomyは「これはむしろ好都合」と言う。ノートに書き出すことは「気持ちの整理と証拠作り」であり、誰が見てもひどいと思える内容は、楓にとって有利になるからだ。楓はそれからも、毎日ノートを更新し続けた。

ある日、楓は上司に呼ばれ、部長室に連れて行かれた。部長は楓に向かって「君の勤務態度についてクレームがあった」と言う。横目で上司を見ると、彼女はしてやったりという顔をしているようだった。

楓は後日、部長に面談の機会を設けてもらい、「どこでもノート」を手渡した。その結果、上司は厳重注意となり、楓は以前いた部署に戻るよう取り計らってもらえた。

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要約公開日 2024.01.05
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