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一生使える「文章の基本」の表紙

相手への心づかいが行き届く

一生使える「文章の基本」


本書の要点

  • 文章の基本は、「読み手の立場」に配慮し尽くすことである。「読んだ先に、相手がどんな行動をするか」まで想像することで、書くべき内容が決まってくる。

  • 優れた文章は推敲によって生まれる。主語と述語が対応しているか、誤記はないか、文章のリズムや流れはわるくないかを考え、何度も文章を読み直して細かな修正をするのが推敲である。

  • 正確に伝えたいと思うあまり、あれもこれも書こうとしてはいけない。文章を書く目的に沿って、「何を書かないか」を決めれば、伝えたいことがより際立って伝えられる。

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【必読ポイント!】 読み手を想像する

「読み手の立場」に配慮するひと手間

文章の基本とは、「読み手の立場」に配慮し尽くすことである。「文章を書く自分の立場」にとらわれてしまう人は少なくないが、文章は相手に何かを伝えるためのものであることを忘れてはならない。「読み手の立場」に配慮しようとすれば、文章の修正すべき点が見えてくる。

たとえば、「この件については、以前の会議でも話題になりましたので、そのときに検討課題として挙げられた事項にご留意ください。」という文章にはどんな問題があるだろうか。この文章の一番の目的は「ご留意ください」にあるはずだが、読み手が何に留意すべきなのかを知るためには、まず「以前の会議」が何を指すのかを特定して、会議の議事録を探し、「検討課題」が何であったかを確認しなくてはならない。これでは、相手の立場に配慮し尽くしているとはいえない。

先の文章を修正するならば、まず「以前の会議」がいつの何の会議であったかを明記して、具体的な「検討課題」を引用して書いておく。そうすれば読み手に余計な手間をかけさせずにすむ。業務を円滑に遂行してもらうという目的のもと、相手の「読んだあとの行動」まで想像することが重要だ。

敬語を正しく使っても、「上から目線」はにじみ出る

Dean Mitchell/gettyimages

どれだけ正しく敬語を使っても、文章自体に読み手への気遣いがなければ、相手を敬う気持ちは表現できない。たとえば、次のようなメールを、企画会議資料作成中の新入社員が上司に送ったとしたらどうだろう。

「こちらも事前にきっちりみていただきたいので、現在の案に目を通していただき、明日の朝までに改善すべき点、改善する場合の文案をお示しいただければ助かります」

この文章は日本語としては問題ない。だが、受け取った上司は、なぜ新人の指図で突然明日の朝までの仕事を振られなければならないのかと疑問に思うはずだ。

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要約公開日 2024.01.12
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