きみのお金は誰のための表紙

きみのお金は誰のため

ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」


本書の要点

  • ボスは優斗に3つの謎をつきつける。その1つがお金に価値がないというものだ。しかし優斗はなかなか信じられない。そんな優斗にボスはトランプを使って、ただの紙切れが価値を持つ瞬間を見せるのだった。

  • お金の価値を知ると同時に、優斗はお金が人と人をつなげていることを知る。お金の先には必ず誰かの働きがある。お金のおかげで人々は支え合っているのである。

  • 一見お金があれば何もかも解決できてしまうような気がする。しかし、ボスはお金に物事を解決する力はないと説明する。お金そのものは無力だ。優斗はそのことを納得することになる。

1 / 3

お金に価値はない

3つの謎

tommy/gettyimages

中学2年生の佐久間優斗の運命を変えたのは、彼自身のお金への執着だった。その日の個別進路指導面談は、5分ほどで終わると思っていた。ところが、将来の職業の話になって「年収の高い仕事がいい」と答えてしまったがために、担任から20分も説教をされるはめになった。お金より大事なものがあると言われても優斗は納得がいかない。結局のところ、先生だってお金のために働いているのではないか。本音を隠してキレイごとを言う大人が、優斗は苦手だった。そうして帰りが遅くなったために、優斗は近所で有名な屋敷の前で七海という女性に呼び止められることになった。屋敷の入り口の場所を尋ねられた優斗は、七海とともに屋敷の中へ招き入れられ、「ボス」と呼ばれる謎の男と出会う。投資銀行で働く七海は、投資で莫大な資産を築いたボスに話を聞きにきたという。せっかく来たのだからと優斗も一緒に話を聞くことになった。ところがボスは、お金もうけの方法を教えるつもりはないと断言した。話すのはお金自体のこと。ボスが小さな指を立てながら伝えたのはお金にまつわる3つの真実だ。一、お金自体に価値はない。二、お金で解決できる問題はない。三、みんなでお金を貯めても意味はない。優斗も七海もそんなわけはないと口々に反論した。だが、ボスはこれらの3つの謎を解き明かせば、お金の正体が見えてくるという。お金の本当の価値を知るために、優斗と七海はボスの屋敷に通うことになる。

お金に価値が生まれる瞬間

お金自体には価値がない。その「真実」に強い疑問を持つ優斗。そんな彼を前にボスは「毎年大量のお金が燃やされている。だからお金には価値がない」と言い放った。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2767/3469文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2024.02.08
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか
デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか
針貝有佳
【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方
山口貴大(ライオン兄さん)
無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた
無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた
元山文菜
新版 科学がつきとめた「運のいい人」
新版 科学がつきとめた「運のいい人」
中野信子
となりの億万長者が17時になったらやっていること
となりの億万長者が17時になったらやっていること
嶋村吉洋
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅香帆
最強に面白い 睡眠
最強に面白い 睡眠
柳沢正史(監修)
2050年の世界
2050年の世界
遠藤真美(訳)ヘイミシュ・マクレイ

同じカテゴリーの要約

移動と階級
移動と階級
伊藤将人
新しい階級社会
新しい階級社会
橋本健二
きみのお金は誰のため
きみのお金は誰のため
田内学
「伝え方」の本質
「伝え方」の本質
豊島晋作
西洋近代の罪
西洋近代の罪
大澤真幸
となりの陰謀論
となりの陰謀論
烏谷昌幸
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディみかこ
これからの「正義」の話をしよう
これからの「正義」の話をしよう
マイケル・サンデル鬼澤忍(訳)
無料
FACTFULNESS
FACTFULNESS
ハンス・ロスリングオーラ・ロスリングアンナ・ロスリング・ロンランド上杉周作(訳)関美和(訳)
無料
13歳からの地政学
13歳からの地政学
田中孝幸