図解でわかる!戦略的人事制度のつくりかた

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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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定価
2,640円(税込)
出版日
2022年04月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

かつて人事の主な仕事は、優秀な学生を新卒採用で確保し、会社の次世代を担う人材として時間をかけて育てていくことであった。だが、人材の流動化、コロナ禍を通じたリモート化、フリーランスや副業といった働き方の多様化などにより企業を取り巻く環境が大きく変わったことに伴い、人事の仕事も変化を遂げつつある。

本書の「はじめに」で、著者らは、これからの人事の役割について次のように書いている。「経営に対して主導的に関わるような、経営企画、経営参謀機能としての人事というものが求められており、今後その要望がどんな企業でも強まっていくことは間違いありません」――つまり人事担当者は、企業の持続的成長を実現するために、能動的かつ戦略的に人事という仕事を捉える必要があるのだ。

「とはいえ、何から着手すればいいかわからない」と悩む人事担当者や経営者に、本書を強く勧めたい。本書を読むと、現状分析・改定の方向性に始まり、人材ビジョン・人事制度改定コンセプトの設定、等級制度・評価制度・報酬制度の設計、そして導入・運用まで、7つのステップに沿って「戦略的人事制度」をつくれるようになっている。

本書の特徴は、図を用いたわかりやすい解説と、書き込み式のワークシートを豊富に掲載している点だろう。現状分析から制度改定、運用に至るまでのプロセスが体系的に解説されており、人事初心者から経験豊富なベテランまで、幅広い読者にとって有益な一冊である。

ライター画像
小林悠樹

著者

小林傑(こばやし すぐる)
慶應義塾大学 環境情報学部 卒業
JTBを経て、リンクアンドモチベーション入社。執行役員として大手企業を中心に組織人事コンサルティングに従事した後、2011年フィールドマネージメントに参画し、ディレクターを務める。マーケティング/ブランド/組織開発/人材育成プロジェクトに従事した後、2015年、HR領域を主軸とする株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソースを設立し代表を兼任。カオナビ 社外取締役。

山田博之(やまだ ひろゆき)
関西大学 法学部 卒業
2社の事業会社での営業経験を経て、2007年タナベ経営に入社。組織人事領域を中心とした経営コンサルティングに従事し、2010年、2011年には年間契約額No.1を2年連続受賞。2013年に富士ゼロックス関連会社へ転職し、人事企画として、人事制度改定、次世代経営リーダー育成などの人事改革を推進。2017年に株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソースへ参画。執行役員。

野崎洸太郎(のざき こうたろう)
立教大学 社会学部 卒業
リクルートにおいて、法人営業、コンサルティング、新規事業などに従事。新しい取り組みとしてコンサルティングサービスの初のマネタイズに成功したほか、MVP、MVGなど数多くの表彰を受賞。首都圏、九州エリアの責任者として約60名の組織のマネジメントとしても活躍。その後、2017年に株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソースへ参画。シニア・マネージャー。

本書の要点

  • 要点
    1
    人事制度の改定でまず行うべきは、外部環境・経営戦略・組織構造の把握である。それらを踏まえて人材マネジメントの「あるべき姿」を設定し、現状とのギャップを確認する。
  • 要点
    2
    ステップ2では、人事制度の判断軸として、「会社としてあるべき姿を達成するためにはどのような人材が必要か」を規定する。ここでは「どういう人材に報いたいのか」という視点が不可欠だ。
  • 要点
    3
    ステップ3では、等級制度の改定に取り組む。専門職人材を活性化させるためには、「申請制度」と「更新制度」を設けるとよい。

要約

【必読ポイント!】 ステップ1:人材マネジメントのあるべき姿と現状のギャップをつかむ

外部環境の把握

本書では、人事制度改定の進め方を、7つのステップで解説している。要約ではそのうち、ステップ1、2、3を取り上げる。なお、本書でいう「人事制度の改定」とは、採用方法の変更や等級制度の手直しといった部分的な改善ではなく、経営戦略をより速く、より確実かつ強力に推進するため、それに資するような人事戦略を設定し、人事制度を抜本的に変えていくことを指す。

ステップ1は「人材マネジメントのあるべき姿と現状のギャップをつかむ」だ。まずは人事・労務領域に関する外部環境を把握することから始めよう。

ここでは、フィリップ・コトラーが考案したフレームワーク「PEST分析」が有効だ。PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)のマクロ的な環境を分析し、その将来を想定することで、最適な戦略の方向を探ろうとするものだ。「政治」であれば、行政が掲げる労働政策の方向性や、政策に関連する各種労働法制の改定予定などを把握する。

あわせて、同業他社の動きにも目を向けるべきだ。特に、採用、育成、処遇に関わる動向は、自社の制度改定を検討する上で有益な情報となる。

経営戦略の把握
ディスカヴァー・トゥエンティワン提供

外部環境を把握したら、経営戦略の把握へと移る。経営戦略を理解していないと人事制度を適切に改定できないからだ。

ここではまず、自社の成長ステージに応じた戦略の考え方の基本を知っておきたい。伸び盛りの若手企業、成熟した中堅企業、事業が衰退し再生を目指している企業など、企業のフェーズが違えば、採るべき経営戦略や人事戦略も変わる。

例えば創業期ならば、成長のポイントは新規顧客の開拓とビジネスモデルの確立にある。組織の課題は、夢やビジョンに共感でき、自主自立で様々な業務を担える「同士」を集めることだ。人事の基本戦略としては「夢やビジョン・志の共有」や「役割に囚われない臨機応変な対応」となるだろう。

また、KFS(Key Factor for Success:重要成功要因)、つまり経営戦略を成功させるためにやるべき施策を知り、それを実現するための人的課題を見つけるのも人事の仕事だ。例えば経営戦略が「新市場開拓」でKFSが「マーケティング」と「パートナー企業とのアライアンス」なら、人的課題としては「マーケティングスキル強化」「調整・交渉力の強化」などが想定される。課題が見つかったら、人事担当者は、それらに解決できる人材を増強しなければならない。

組織構造の把握

次に行うべきは、組織構造の把握だ。

ここでは「理想の組織図」をつくる。理想の組織図と現在の組織図を見比べれば、現状の組織図に欠けている部門や機能、不要な箇所、縦横のつながり方の変化などが「見える化」できるからだ。あわせて、理想の組織図を実現すべきタイミングも、数年スパンで検討しておく。

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要約公開日 2024.01.18
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