同じような環境で生活しているのに、いつも明るく、楽しそうに生活している人がいる。そういう人々は、「明るい気持ちでいるから、毎日が楽しくなる」のか、それとも「毎日を楽しくしようとしているから、表情が明るくなる」のだろうか。どちらも正解ではあるだろうが、明るい人は暗い人に比べて周囲の人の気持ちを明るくするため、「毎日が楽しくなるような『いい環境』ができやすい」。仕事ができる人は、男性でも女性でも愛想のいい人が多いと著者はいう。
笑顔の人と一緒にいると気持ちが明るくなるのは「エンドルフィン」の効果といわれる。これは脳内で機能する神経伝達物質の1つで、気分が高揚したり、幸福感が得られたりする作用を持つ。笑顔の人につられて笑うとその人の脳でもエンドルフィンが放出され、一体感や安心感が生まれる。
笑顔の効果は次の5つが挙げられる。第1に「気持ちに余裕が生まれる」。笑顔でリラックスして日常を過ごすと、疲れやストレスを蓄積しにくくなり、やる気が出るようになる。第2に「相手に心を開いているサインになる」。これによって相手もリラックスでき、お互いの心理的距離を縮められる。第3に「生き生きした印象を与える」。笑顔の回数が多いほど表情筋を使うため、血行が良くなって、シワやたるみも目立たなくなる。
第4に「免疫力が高まる」。リンパ球の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化し、病気の予防につながる。最後に、「精神的に安定する」。「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌され、安心感を得られることは研究によってわかっている。こうした健康面への効果は、作り笑顔でも得られることがわかっている。
著者は、人生を楽しく生きるための一番のカギは「いろいろなことを試してみる」という前向きな姿勢であるとしている。どんなことでも「やってみなければわからない」。しかし、試す前から自分勝手な答えを出して、「それが正しいと思い込んで何もやらない人」は意外と多い。
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