なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学

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なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2022年06月01日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「仕事ができる人は性別にかかわらず愛想がいい」ことに、共感する読者も多いのではないだろうか。明るく笑顔で、愛想のよい人と一緒にいると、心地がよく周囲も笑顔になる。そうした人たちが、暗く、ネガティブな発言の多い人よりもうまくいく確率が高いというのは、考えてみれば当然のことだ。『80歳の壁』など多数の著作を持つ著者が本書でテーマにするのは、そうした「明るい人」の笑顔の秘訣である。しかし、いいことも悪いことも同じように起こる社会の中で、つねに笑顔でいるのは意外とハードルが高いように思われる。

本書は、不安やストレスといった、笑顔を阻害する原因を取り除くことはもちろん、心からリラックスして明るくいられるために、自分ができることを教えてくれる。年齢などの読む人の属性を問わず、精神衛生を保つためのコツについて、新しい切り口を与えるはずだ。自分の性格が暗いと思っている読者もいるかもしれないが、それは著者によれば「思考のクセ」である。ネガティブな思考もポジティブな思考も持ち合わせているのが人間だ。自分の思考のクセを捉え直し、それをちょっとずつ調整していくのが本書のアプローチだ。

マイナスなことをつい考えてしまう、心配が尽きない――「考え方」や「口ぐせ」など、自分が意識しやすいところから、誰でも変えていける。自然と肩の力が抜け、笑顔になる瞬間を1つでも意識できれば、しめたものである。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

和田秀樹(わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。著書に『感情的にならない本』『不安に負けない気持ちの整理術』『70歳が老化の分かれ道』『80歳の壁』『会社に行きたくない。さて、どうする?』など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    明るい人は周囲の人の気持ちを明るくすることで、毎日が楽しくなるようないい環境ができやすい。笑顔の人につられて笑うと周囲の人たちの脳でも「エンドルフィン」が放出され、一体感や安心感が生まれる。
  • 要点
    2
    人生を楽しく生きるための一番のカギは「いろいろなことを試してみる」という前向きな姿勢である。そうすると「打数」が増え、ヒットの出る可能性が高くなる。
  • 要点
    3
    考え方ひとつで、物ごとの受け止め方は変えられる。「考え方」「表情」「視点」「口ぐせ」「習慣」を少しずつ変えることで、前向きな気持ちが生まれる。

要約

【必読ポイント!】 明るい人は支持される

笑顔のパワー
pixelfit/gettyimages

同じような環境で生活しているのに、いつも明るく、楽しそうに生活している人がいる。そういう人々は、「明るい気持ちでいるから、毎日が楽しくなる」のか、それとも「毎日を楽しくしようとしているから、表情が明るくなる」のだろうか。どちらも正解ではあるだろうが、明るい人は暗い人に比べて周囲の人の気持ちを明るくするため、「毎日が楽しくなるような『いい環境』ができやすい」。仕事ができる人は、男性でも女性でも愛想のいい人が多いと著者はいう。

笑顔の人と一緒にいると気持ちが明るくなるのは「エンドルフィン」の効果といわれる。これは脳内で機能する神経伝達物質の1つで、気分が高揚したり、幸福感が得られたりする作用を持つ。笑顔の人につられて笑うとその人の脳でもエンドルフィンが放出され、一体感や安心感が生まれる。

笑顔の効果は次の5つが挙げられる。第1に「気持ちに余裕が生まれる」。笑顔でリラックスして日常を過ごすと、疲れやストレスを蓄積しにくくなり、やる気が出るようになる。第2に「相手に心を開いているサインになる」。これによって相手もリラックスでき、お互いの心理的距離を縮められる。第3に「生き生きした印象を与える」。笑顔の回数が多いほど表情筋を使うため、血行が良くなって、シワやたるみも目立たなくなる。

第4に「免疫力が高まる」。リンパ球の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞が活性化し、病気の予防につながる。最後に、「精神的に安定する」。「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌され、安心感を得られることは研究によってわかっている。こうした健康面への効果は、作り笑顔でも得られることがわかっている。

打数を増やすこと

著者は、人生を楽しく生きるための一番のカギは「いろいろなことを試してみる」という前向きな姿勢であるとしている。どんなことでも「やってみなければわからない」。しかし、試す前から自分勝手な答えを出して、「それが正しいと思い込んで何もやらない人」は意外と多い。

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要約公開日 2024.02.15
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