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アドラー流 気にしないヒント


本書の要点

  • アドラー心理学の基本に「勇気づけ」という考え方がある。勇気づけとは「困難を克服する活力を与えること」だ。勇気づけの方法の一つに、朝と夜を意識的に「よいもの」にする「オセロ・ゲームの生活」がある。

  • 「尊敬」「信頼」「共感」「協力」の4つは、人に振り回されることなく気持ちのいい関係を築く基本となる。

  • 周囲に困った人がいるときは、その人の行動について「なぜ」ではなく「何のために」という観点で考えてみると、対応策が見えてくる。

  • ミスが多い人に対しては、周囲が積極的に「ヨイ出し」(よいところをどんどん指摘していく)をするとよい。

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【必読ポイント!】 自分を「勇気づけ」する方法

「オセロ・ゲームの生活」を心がける

yuhorakushin/gettyimages

アドラー心理学の基本に「勇気づけ」という考え方がある。「勇気づけ」とは、「困難を克服する活力を与えること」だ。勇気づけのためには、「オセロ・ゲームの生活」を心がけるのがおすすめである。同じ職場で働く黒田さんと白井さんの生活を見比べてみよう。黒田さんは朝が苦手で、ギリギリまでベッドから出られず、朝食をとる間もなく駅に向かう。その道のりでは昨日の深酒や夜更かしを後悔している。1日のはじまりに黒のオセロが置かれている状態だ。日中の黒田さんは仕事で大きな受注を得て喜ぶ(=白のオセロが置かれる)こともあれば、部下のミスで不愉快になる(=黒のオセロが置かれる)こともある。夕方には、同僚から誘われると、昨日の後悔も忘れてまた深酒してしまい、そのことを悔いながら眠りにつく。せっかく会社で白のオセロがあったにもかかわらず、朝と夜の両端が黒のため、黒田さんの1日は黒のオセロの1列になる。一方、白井さんの朝は気持ちのいいものだ。1日の最初に白のオセロが置かれている。日中には怒り心頭の顧客に対応しなければならない(=黒のオセロが置かれる)こともあるものの、夕方から夜にかけては家族とともに過ごし、穏やかな気持ちで眠りにつく。こうして朝と夜に白のオセロを置くことにより、白井さんの1日は白のオセロの1列となる。白井さんのように、あなたも朝と夜の気持ちを意識的に「よいもの」にしてみよう。白のオセロばかり置けるような人生はないが、朝と夜に気をつければ、人生の盤面に白い石を増やしていくことができる。

理想の自分から逆算して行動する

自分の気持ちを変えて「勇気づけ」したいときには、自分が理想とする姿を具体的に思い浮かべ、そこから逆算して行動していく方法もある。その手順を3つのステップで見ていこう。

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要約公開日 2024.03.13
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