アドラー流 気にしないヒント

未読
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アドラー流 気にしないヒント
出版社
出版日
2023年05月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「仕事も人間関係もうまくいかない」「まわりの人に振り回されてばかり」「コミュニケーションでよく失敗してしまう」……そんな人にぜひ本書を勧めたい。

本書の著者はアドラー心理学のカウンセリング指導者で、『サクッとわかる ビジネス教養 アドラー心理学』などの著者でもある岩井俊憲氏だ。2013年に『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎/古賀史健)が大ベストセラーになるよりもさらに前、1985年からアドラー心理学を中心に据えたカウンセリングの会社を経営する、アドラー心理学を日本に広めた第一人者だ。

本書ではそんな岩井氏が、日常生活で感じる悩みや困ったシチュエーションを例に挙げ、アドラー心理学で解決したり、心を少しラクにしたりする方法を教えてくれる。具体的なアドバイスがたくさん提示された実践しやすい本である一方、巻末には「アドラー心理学をより知るためのキーワード」がまとめられており、より深く学びたい読者も満足するはずだ。

はじめてアドラー心理学に触れる人はもちろん、アドラー心理学の概要は理解しているが、実践にハードルを感じている人にもおすすめである。

ライター画像
河合美緒

著者

岩井俊憲(いわい としのり)
1947年、栃木県生まれ。アドラー心理学カウンセリング指導者。早稲田大学卒業。外資系企業の管理職などを経て、1985年、アドラー心理学を中心にカウンセリングや心理学の各種講座を行なう有限会社ヒューマン・ギルドを設立し、代表取締役に就任。40年近くにわたり、経営者から、ビジネスパーソン、学生まで、延べ20万人以上に、アドラー心理学に基づく勇気づけやリーダーシップ、コミュニケーションの研修を通じて「人生を豊かにする方法」を伝えている。そのほか、テレビや新聞・雑誌などでも幅広く活躍。
主な著書に、『アドラー流 人をHappyにする話し方』『アドラー流「自信」が生まれる本』『アドラー流 人ともっとHappyになるつき合い方』『アドラー流「へこまない心」のつくり方』『アドラー心理学こころの相談室』(以上、三笠書房《王様文庫》)、『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』シリーズ(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。

ヒューマン・ギルド ホームページ https://www.hgld.co.jp/
岩井俊憲の公式ブログ https://blog.goo.ne.jp/iwai-humanguild

本書の要点

  • 要点
    1
    アドラー心理学の基本に「勇気づけ」という考え方がある。勇気づけとは「困難を克服する活力を与えること」だ。勇気づけの方法の一つに、朝と夜を意識的に「よいもの」にする「オセロ・ゲームの生活」がある。
  • 要点
    2
    「尊敬」「信頼」「共感」「協力」の4つは、人に振り回されることなく気持ちのいい関係を築く基本となる。
  • 要点
    3
    周囲に困った人がいるときは、その人の行動について「なぜ」ではなく「何のために」という観点で考えてみると、対応策が見えてくる。
  • 要点
    4
    ミスが多い人に対しては、周囲が積極的に「ヨイ出し」(よいところをどんどん指摘していく)をするとよい。

要約

【必読ポイント!】 自分を「勇気づけ」する方法

「オセロ・ゲームの生活」を心がける
yuhorakushin/gettyimages

アドラー心理学の基本に「勇気づけ」という考え方がある。「勇気づけ」とは、「困難を克服する活力を与えること」だ。勇気づけのためには、「オセロ・ゲームの生活」を心がけるのがおすすめである。

同じ職場で働く黒田さんと白井さんの生活を見比べてみよう。

黒田さんは朝が苦手で、ギリギリまでベッドから出られず、朝食をとる間もなく駅に向かう。その道のりでは昨日の深酒や夜更かしを後悔している。1日のはじまりに黒のオセロが置かれている状態だ。

日中の黒田さんは仕事で大きな受注を得て喜ぶ(=白のオセロが置かれる)こともあれば、部下のミスで不愉快になる(=黒のオセロが置かれる)こともある。

夕方には、同僚から誘われると、昨日の後悔も忘れてまた深酒してしまい、そのことを悔いながら眠りにつく。せっかく会社で白のオセロがあったにもかかわらず、朝と夜の両端が黒のため、黒田さんの1日は黒のオセロの1列になる。

一方、白井さんの朝は気持ちのいいものだ。1日の最初に白のオセロが置かれている。

日中には怒り心頭の顧客に対応しなければならない(=黒のオセロが置かれる)こともあるものの、夕方から夜にかけては家族とともに過ごし、穏やかな気持ちで眠りにつく。こうして朝と夜に白のオセロを置くことにより、白井さんの1日は白のオセロの1列となる。

白井さんのように、あなたも朝と夜の気持ちを意識的に「よいもの」にしてみよう。白のオセロばかり置けるような人生はないが、朝と夜に気をつければ、人生の盤面に白い石を増やしていくことができる。

理想の自分から逆算して行動する

自分の気持ちを変えて「勇気づけ」したいときには、自分が理想とする姿を具体的に思い浮かべ、そこから逆算して行動していく方法もある。その手順を3つのステップで見ていこう。

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要約公開日 2024.03.13
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