「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる!

続ける思考

未読
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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2023年11月25日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、「継続」が苦手な人に向けた、続ける習慣のつくり方をまとめた本だ。あるいは、継続を習慣化できている人にも新たな視点を与えてくれる。

著者は「続けること・継続」が趣味だと語る。実際、ジョギング25年(雨の日以外は基本毎日)、手書きの日記22年(欠かさず毎日)、「はてなブログ」7年10ヶ月(毎日)と、かなりの期間、物事を継続している。もちろん、仕事をやりながらである。

著者は多いときで年間200冊ほど本のデザインの仕事をしているそうだ。しかも、1日1本以上の映画を観つつ、1日1冊本を読んでいる。加えて深夜アニメにドラマにマンガにゲームにと、複数のことを並行しながら生活しているという。1日24時間の有限な時間を、極めて上手に使っている。

これについて著者は、1日の「習慣」を徹底してデザインしてきたという。膨大な「やりたいこと」「できること」を自動的に続けられる「仕組み」を追い求めた結果だと語っている。

複数のことを同時にこなすようになったきっかけは、仕事が忙しすぎてそれ以外のことになかなか取り組めなかったことだそうだ。要約者も執筆業をしているが、クリエイティブな仕事は突き詰めると際限がない。著者の言う「気がつけば仕事だけして1日が終わってしまう」感覚は頷ける。

むしろ、著者のように、1日にやることを増やしたほうが効率的に物事を進められるのかもしれない。例えば資格試験でも、1科目だけを勉強し続けるより、複数科目を同時並行で進めたほうが身につきやすい。

「時間がない」と嘆く前にぜひ本書を手に取ってみていただきたい。そんな方法があったのかと目から鱗の斬新な考え方にきっと膝を打つことだろう。1日にやることをあえて増やし、こなし続けることがワークライフバランスの観点でも大切なのだと感じさせる1冊だ。

ライター画像
安齋慎平

著者

井上新八(いのうえ しんぱち)
ブックデザイナー・習慣家
1973年東京生まれ。
和光大学在学中に飲み屋で知り合ったサンクチュアリ出版の元社長・高橋歩氏に「本のデザインをしてみない?」と声をかけられたのをきっかけに、独学でブックデザイン業をはじめる。大学卒業後、新聞社で編集者を務めたのち、2001年に独立してフリーランスのデザイナーに。自宅でアシスタントもなくひとりで年間200冊近くの本をデザインする。趣味は継続。それから映画と酒とドラマとアニメとちょっぴりゲームとマンガ。あと掃除とダンスと納豆。年に一度、新宿ゴールデン街で写真展を開催している。最近、短歌をはじめた。
デザインした主な書籍に『夜回り先生』『覚悟の磨き方』『カメラはじめます!』『学びを結果に変えるアウトプット大全』『ぜったいにおしちゃダメ?』『虚無レシピ』(サンクチュアリ出版)、『機嫌のデザイン』(ダイヤモンド社)『SHО-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)、『リセットの習慣』(日経BP)、『こうやって、考える。』(PHP研究所)、『運動脳』(サンマーク出版)、『「ひとりが好きな人」の上手な生き方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、ベストセラー多数。
書籍の帯を広くしてたくさん文字を掲載する、棒人間(ピクトグラム)を使う、カバーに海外の子どもの写真を使う、和書も翻訳書のように見せる、どんなジャンルの本もビジネス書風に見せるなど、主にビジネス書のデザインという小さな世界で流行をつくってきた。

本書の要点

  • 要点
    1
    成果を先に求めてしまうと、その過程が「修練」や「修行」になってしまう。成果を求めず、まずはとにかく継続してみよう。
  • 要点
    2
    継続するために必要なことはただ1つ。それは「毎日やる」ことである。毎日取り組むと決めれば、「やる」「やらない」で悩むことがなくなる。
  • 要点
    3
    いきなり大きく変わることは難しい。まずは小さく変えていくことからはじめよう。

要約

正しい努力より「正しい継続」

成果を先に求めない

新しいことをはじめたとき、多くの人は「効率的」に「正しい方法で」やろうとする。なぜそのような考えに至るのかというと、うまくなりたい、成果を出したいという気持ちが先行するためだ。

しかし、取り組んでいることに対して成果を先に求めてしまうと、それが「修練」や「修行」になってしまう。このことが、「続ける」をつらさに変える原因だと考えられる。

結果を出すには「正しい努力」が必要と言われる。しかし、正しい努力でなくても良いのである。何かを続けていれば、そこには必ず何らかの「変化」が起きる。そう信じて、まずはひたすら何かを続けてみることが重要だ。

やり方を自己流で見つける大切さ
RichVintage/gettyimages

仮に簡単にうまくやれる方法を知ったとしても、いざうまくなると取り組んでいることがつまらなくなるものだ。

攻略法を見ず、自分で解き方を発見すること。それが、気持ちのよい継続を生む秘訣である。ノーヒントで、自己流で臨んでみるのだ。

本を読んだり、インターネットで検索したりするなどして、ヒントを探していく。物事を続けるための最大のコツは、本当に上達するのかをあまり考えず、このようなやり方を試行錯誤しながら自分で考えてやっていくことである。反対に、続かない理由は、うまいやり方を知ってしまい、そのことに取り組むことに飽きてしまうためだ。

コツコツと積み重ねると訪れる変化

自分で考えながらコツコツと物事を続けていくと、確実に何かが変化していく。応用力がつくこともその1つである。

誰かの攻略法の受け売りで身につけた方法では、その場限りのものになりがちだ。しかし、自分で解いたやり方は、ほかのことにも応用できる。初めて経験することに直面したとき、「あのやり方が使えそう」と考えるようになる。

そうなれば、様々な困難にも立ち向かえるようになる。すなわち、ピンチに強い思考が自然と磨かれていくのである。

【必読ポイント!】 絶対に続く究極の思考法

絶対に続くシンプルな方法とは

何かを続けるための究極の方法がある。それは「毎日やる」ということに尽きる。

これだけ聞くと大変そうだが、大事なことは毎日やると「決める」ことである。決めるだけでいい。

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要約公開日 2024.03.18
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