恋愛結婚の終焉

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恋愛結婚の終焉
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出版日
2023年09月30日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

若者の「恋愛離れ」が進んでいる。2014年に内閣府が行った調査によると、20〜30代未満の恋人がいない男女の約4割が「恋人が欲しくない」と回答。そのうちの半数が「恋愛が面倒」を理由に挙げていたという。だが、著者は「恋愛離れ=結婚離れ、とは言い切れない」と言う。なぜなら、別の調査では18~34歳の男女の8割が、「いずれ結婚するつもり」と答えているからだ。

私たちが知る限り、「結婚」は「恋愛結婚」とニアリーイコールである。結婚したいなら、まず恋人を見つけて、それなりの恋愛経験を積む必要がある。昨今は少子化が進み、岸田政権は「異次元の少子化対策」として子育て支援を拡充しているが、そもそも「結婚」に至るまで、つまり少子化以前の問題のほうが大きいようにも見える。

本書では、「おひとりさま」「草食系男子」「年の差婚」などの流行語を世に広めた世代・トレンド評論家の牛窪恵氏が、令和の若者の恋愛観・結婚観に深く迫る。そこから読み取れるのは、彼らの価値観が「従来の結婚の形」に合わなくなってきているということだ。本書によると、歴史的に「結婚と恋愛は別物」である時期の方が長く、「恋愛結婚」自体が新しい概念なのだという。

著者は「令和時代の結婚」として、友達のようなパートナーと細く長い関係性を創っていく「共創結婚」を提案している。個人の生き方や家族の形が多様化するなか、「結婚の定義」もアップデートする必要があるのではないだろうか。本書はそれを考える良いきっかけとなるだろう。

著者

牛窪恵(うしくぼ めぐみ)
世代・トレンド評論家。立教大学大学院(MBA)客員教授。経営管理学 修士。大手出版社に勤務したのち、2001年4月にマーケティング会社インフィニティを設立、同社代表取締役。著書を通じて世に広めた「おひとりさま」(’05年)、「草食系(男子)」(’09年)は新語・流行語大賞に最終ノミネートされる。近著に『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー携書)、『若者たちのニューノーマル』(日経プレミアムシリーズ)、『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?』(共著/光文社新書)などがある。テレビのコメンテーターとしても活躍中。

本書の要点

  • 要点
    1
    令和の若者は「恋愛は面倒だが、いつかは結婚したい」と考えている。
  • 要点
    2
    「恋愛・結婚・出産」が三位一体となった「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」は、近代ヨーロッパで誕生した概念だ。「ロマンティック・ラブ」は、働く男性を女性が支える「新しい家族像」の形成において有効に機能した。
  • 要点
    3
    「マッチングアプリ婚」は、婚姻に占める割合こそ増えているが、婚姻率アップ自体には寄与していない。
  • 要点
    4
    令和の時代に最適なのは、友達のようなパートナーと細く長い関係性を創っていく「共創結婚」だ。その実現には「経済格差」と「社会通念」という2つの壁を越える必要がある。

要約

【必読ポイント!】恋愛はしんどい、でも結婚したい

いつかは結婚したいけど

近年、若い世代を中心に「子供は贅沢品」「結婚は嗜好品」と言われるようになった。これらの言葉の裏には「日々の生活に精一杯で、結婚・出産する余裕がない」「結婚の優先順位は低い」という思いが見え隠れする。

だが、2021年に実施した国の第三機関による調査によると、18〜34歳の男女の8割以上が「いずれ結婚するつもり」と回答している。

日本の未婚率は上がり続けている。1990年時点では4.3%であった女性の生涯未婚率は、2020年には17.8%に上昇。わずか30年で4倍にもなり、女性のおよそ6人に1人が「一生に一度も結婚しない」という結果が出た。男性はさらに多く、4人に1人以上が生涯未婚者となっている。

生涯未婚率の上昇理由として、社会学的によく言われるのは「バブル崩壊と経済不況」「女性の社会進出」である。そしてもう1つ、「見合い結婚と恋愛結婚の逆転」を挙げる識者もいる。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、’60年代半ばから後半を境に、それまで主流だった見合い結婚を恋愛結婚が追い越している。その後も恋愛結婚は上昇し続け、いまでは結婚カップルの8〜9割を占めるようになった。

つまり「いずれ結婚する」ためには、異性への“モテ”に左右される「恋愛」という通過儀礼を経なければならないのだ。

団塊ジュニアの未婚率が高い理由
xavierarnau/gettyimages

「結婚しない(できない)」若者が増えてきたのは、’90年代半ば以降である。未婚率を引き上げた起点は団塊ジュニア世代('71〜’76年生まれ)、通称「貧乏クジ世代」だ。彼らは厳しい受験戦争を強いられた挙句、バブル経済が崩壊して「就職氷河期」に当たってしまう。

バブル崩壊と経済不況は、所得と雇用の「格差」を生んだ。’99年の労働者派遣法の改正により、その後は男性の非正規雇用も急増。その割合は近年まで15%前後で推移している。

正規と非正規の月収額の中央値は、2022年時点で正規が約31万円、非正規が約21万円と月10万円の開きがあり、年額にすると120万円にもなる。男性は非正規や低所得の人ほど「結婚しない(できない)」とされるが、実際、非正規の未婚率は7割、正規の未婚率は2割程度。近年はこうした格差が女性にも及んでいる。

また、女性の社会進出も未婚率上昇理由の一端だ。’90年代後半に「男女雇用機会均等法」が改正され、職場における男女平等が本格化し始めた。その結果「経済力を身につければ、焦って結婚しなくてもいい」空気が醸成され、結婚の先送りに繋がった。

Z世代の恋愛観

では、令和の若者「Z世代」はどうだろうか。2021年の調査では、18〜34歳の未婚の男女の「恋人ナシ」率は、男性で7割強、女性で6割強であった。バブル期の同調査では男女ともに4割前後であったことを考えると、恋人のいない若者の割合が上がっていることがわかる。

いまの若者が恋愛に踏み込めない理由はいくつかあるが、その1つが「超情報化社会」である。SNSやスマホの普及により、「リアルの恋愛はコスパが悪い」と考える若者が増えてきた。恋愛経験の有無にかかわらず、ネット(SNS)で得た恋愛情報や体験談を日々目にしているため、分かった気になる「既視感」を強めてもいる。

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要約公開日 2024.03.28
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