つい、「気にしすぎ」てしまう人へ

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つい、「気にしすぎ」てしまう人へ
出版社
出版日
2018年07月27日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「いつも不安なく、気分よく過ごしたい」「他人の目を気にせず自分らしくいたい」。このように思うことはよくあることだ。しかし、生きていれば好ましくないことにも遭遇するし、思いもよらない言葉をかけられることもある。

そういったことで悶々とすることは誰もが経験するだろうが、人によっては「気にしすぎ」て心に過度な負担がかかってしまうことがある。だが、その「心の重荷」は、ちょっとしたコツで軽くすることができるというのが本書の主張である。誰かの手を借りずとも、視点をほんの少しずらすだけで、ネガティブな感情とうまく付き合っていくことは可能なのである。

精神科医の著者は、これまで多くの心の病を持つ患者を治療し、回復に立ち会ってきた。その経験から痛感したのは「人間は本来、強くてしなやかな存在である」ことだ。できれば避けたい「ネガティブな感情」もいったん認めて「ありのままの自分」を受け入れるようにすると、本来持ちあわせている「心のしなやかさ」が解放され、気持ちが楽になるそうだ。

どんな感情にも役割があり、それは負の感情とて同じである。本書ではかわいいタヌキのイラストとともに、著者が「心のしくみ」と「しなやかに生きるコツ」をやさしく教えてくれる。不安やクヨクヨ・イライラを感じがちな人は、本書を読んで軽やかに進んでいってほしい。

著者

水島広子(みずしま ひろこ)
1968年東京生まれ。精神科医。
「対人関係療法」の日本における第一人者。
慶應義塾大学医学部卒業、同大学大学院修了(医学博士)。
慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、衆議院議員二期。
現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表。
心の健康のための講演や執筆も多くこなしている。
主な著書に、ベストセラーとなった『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『「他人の目」が気になる人へ』(光文社)、『「怒り」がスーッと消える本』(大和出版)、『ふしぎなくらい心の居心地がよくなる本』(三笠書房《王様文庫》)など多数がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    悲しいときや不安なときは「心に衝撃を受けただけ」と考えると気持ちが軽くなる。
  • 要点
    2
    「今この瞬間」を気分よく過ごすことが大切だ。「今」の質を高めていけば、その先にある「未来」も質の高いものになるはずだ。
  • 要点
    3
    人間のすべての感情には意味があり、私たちを守るために備わっている。ネガティブな感情を抱いたら「何が起こっているのか」をよく見て、その感情を引き起こしている「もと」にアプローチすればいい。
  • 要点
    4
    「寂しい」という感情は「つながりの欠如」から生まれる。「ありのままの自分」を受け入れると自分自身や他人とのつながりを感じ、寂しさから解放されるだろう。

要約

しなやかに生きるために

「ショックを受けていること」を認める

将来への不安にとらわれたり、悲しくなったりしたとき。そんなときは、「自分が落ち込んでいるのは、『何かのショック』を受けたからではないか」と考えてみることが重要だ。

たとえば誰かの「会社で売り上げをあげた」「留学経験がある」といった羨むような情報は、「衝撃」となって心を揺さぶる。すると心身は「もう二度と衝撃を受けたくない」モードに入り、警戒するようになる。その「警戒」は自分自身にも向くため、「自分はこのままでいいのか」と気になり始め、過去の自分の選択全てが間違っていたような気にもなってしまう。

そんなときは、感情ではなく「ショックを受けたこと」に注目するといい。不安や落ち込みなどの感情も含め、「自分はショックを受けているのだ」と認め、衝撃が去るのを待ってみよう。すると気持ちが落ち着き、気になっていたことも消えていくだろう。

「今この瞬間」にフォーカスする
visualspace/gettyimages

「心の余裕」がなくなって、いろいろなことが気になりだすときは、視点が「過去」や「未来」に行っていることが多い。

たとえば、恋人と一緒にいても「もしフラれたら」「もし飽きられたら」と不安になるとき、視点は「未来」に向いている。人は、自分の安全が保証されない「未知のこと」に不安を抱くものである。

未来に焦点を当ててしまうことの問題点は、「今の時間を大切にできない」ことである。せっかく楽しく過ごしていても、先のことを気にして今の時間まで不意にしてしまうからだ。

私たちはいつでも「今」を生きていて、幸せや愛を感じるのも「今」にある。そして、「未来」は独立したものではなく、「今」の先にあるのである。

「今」の質を高めていけば、それを積み重ねた先にある「未来」も質の高いものになるだろう。つまり、「今」愛を感じられるようにしていけば、未来でも愛を感じる可能性は高くなるということだ。

「ありのままの自分」で付き合う

人間関係で大切なのは、「ありのままの自分」でいることだ。「ありのまま」を受けいれてくれる人といると、本来持っている心の「しなやかさ」が解放され、「もっと頑張ろう」という気持ちが芽生えてくる。そのため、恋人や友達など自分の周囲にいる人たちは、取り繕ったり背伸びをしたりする必要のない、自分と合う人を選ぶといい。

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要約公開日 2024.04.23
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