新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣

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出版社
日本実業出版社

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出版日
2023年12月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

多くの人はきっと「幸せの形は人それぞれだから、幸せを手に入れる普遍的な方法などない」と思っているのではないだろうか。そんな人に、長年「幸せ」の研究を積み重ねてきた心理学者が「もっと・ずっと幸せになれる方法」を教えてくれる本書を勧めたい。

著者は、カリフォルニア大学リバーサイド校で社会心理学とポジティブ心理学を教えるソニア・リュボミアスキー氏だ。スタンフォード大学の博士課程に在籍時から、カリフォルニア大学リバーサイド校の教授として活躍する現在に至るまで、実に30年近く幸せに関する研究に携わってきたそうだ。

本書ではそんな著者の研究の成果の一つとして「幸せがずっと続く12の行動習慣」が紹介されている。12の行動習慣は、「考えすぎない、人と比較しない」「人間関係を育む」といった誰もが納得するものから、「人を許す」「目標達成に全力を尽くす」といった目新しいものまで幅広い。どの項も著者や他の研究者が実際に行った実験や研究の結果に基づいて書かれているため、大いに説得力がある。

著者は本書で、幸福を決める最も重要な3つの要因は「遺伝による設定値」「生活環境」「意図的な行動」で、意図的な行動が実に40%を占めると書いている。自分の行動次第で幸せになれると知ったら、たとえ遺伝による設定値や環境に恵まれていないとしても、幸せを手に入れるために頑張ってみようと思えるのではないだろうか。本書を手に、幸せな人生への一歩を踏み出そう。

ライター画像
鈴木えり

著者

ソニア・リュボミアスキー(Sonja Lyubomirsky)
米国カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授。社会心理学とポジティブ心理学のコースで教鞭をとっている。ロシア生まれ、アメリカ育ち。ハーバード大学を最優等位で卒業し、スタンフォード大学で社会心理学の博士号を取得。米国国立精神衛生研究所から数年にわたって助成金を受けて、感謝・やさしさ・つながりの介入プログラムを通じて持続的に幸福感を高める可能性に関する研究を進め、多くの研究奨励賞や表彰を受ける。その主なものに、バーゼル大学名誉博士号、ディーナー賞、クリストファー・J・ピーターソン金賞、テンプルトン・ポジティブ心理学賞がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「幸福」を決める最も重要な3つの要因は、「遺伝による設定値」(50%)、「生活環境」(10%)、そして「意図的な行動」(40%)である。遺伝や環境は選べなくても、意図的な行動は自分次第でコントロールできる。
  • 要点
    2
    幸せになる「意図的な行動」の一つは、感謝の気持ちを表わすことだ。常に感謝を忘れない人は、相対的により幸福で、よりエネルギッシュで、より希望に満ちており、より「ポジティブ感情」を抱きやすい。
  • 要点
    3
    身体を大切にするのも効果的だ。特に運動は、あらゆる活動のなかで最も効果的に幸福度を高めてくれる方法である。
  • 要点
    4
    幸せな人のように振る舞うと、本当に幸せになれる。

要約

「意図的な行動」の重要性

もっと幸せになるための最初のステップ

あなたがもし、もっと幸せになりたいと望むなら、ごく小さなことから始めればいい。小さなことでも、たちまち効果が出るケースはよくある。

ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授は、ベッドを離れることすら困難なほど落ち込み症状が出ていたグループに、幸福度が高まる方法を1つだけ教えた。それは、毎日の出来事のなかでよいことを3つ思いだして書き込むことだ。結果は15日も経たないうちに現われた。彼らの落ち込み度は改善し、94%の人が安堵感を覚えたのだ。

この実験からわかるように、もっと幸福になるための最初のステップは、幸福になる方法をすぐに実行することだ。

「幸福」を決める最も重要な3つの要因
Alessandro Biascioli/gettyimages

著者らは長年の研究により、「幸福」を決める最も重要な3つの要因を特定した。それは「遺伝による設定値」「環境」「意図的な行動」であり、それぞれの要素が、人それぞれの幸福度の違いのうち50%・10%・40%程度を占める。

まずは50%程度を占める「遺伝による設定値」だ。人はそれぞれ特定の幸福度の設定値をもって生まれてきて、大きな挫折を経験したり、逆に大成功を収めたりしたあとでも、また設定値に戻っていく。何もしなくても楽々と体重を維持できる人もいれば、並々ならぬ努力が必要な人もいるのと同じようなものだ。

続いて10%程度を占める「環境」だ。裕福か貧乏か、健康か病気がちか、器量がいいか人並みかなどといった「環境」的な要素は、幸福度のわずか10%程度を占めるのみなのである。意外に思うかもしれないが、生活環境は幸福になるための最大の鍵ではないのだ。

最後は40%程度を占める「意図的な行動」だ。遺伝や環境は選べなくても、意図的な行動は自分次第でコントロールできる。「遺伝による幸福の設定値」や「自分の環境による試練」に心が折れそうになったら、このことを思い出してほしい。

「意図的な行動」について、本書では12の行動習慣が紹介される。要約ではそのうち6つを取り上げる。

幸福度を高める6つの行動習慣

感謝の気持ちを表わす

1つ目の行動習慣は「感謝の気持ちを表わす」だ。

研究によると、常に感謝を忘れない人は、相対的により幸福で、よりエネルギッシュで、より希望に満ちており、より「ポジティブ感情」を抱きやすい。さらに、感謝を示す人は、落ち込んだり、不安になったり、孤独を感じたり、嫉妬したり、ノイローゼになったりしにくいこともわかっている。

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要約公開日 2024.04.17
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