「論理的思考問題」は、「論理クイズ」や「論理パズル」などとも呼ばれ、古くから世界中で娯楽としても親しまれている。共通するのは、特別な知識を必要とせず、論理的に考えれば答えが導けるということだ。つまり、「考える力」さえあれば誰でも解ける問題である。
論理的思考問題は、現代に必要な最強のスキルである「ちゃんと考える力」を鍛えてくれる。それは、直面したことのない複雑な問題に対して、直感で判断せず、状況を冷静に分析して論理的に正しい判断を導く力だ。
本書は、鍛えたい思考力別に、著者が古今東西から集めた問題を紹介する。それぞれ簡単な問題から始まり、徐々に難しくなっていく。難易度の高い問題は多くの人がすぐには解けないので、わからなくても気にすることはない。大切なのは、解説を読んでもいいので「そう考えればよかったのか!」と納得することだ。何度も挑戦して考え方の道筋を身につけていってほしい。
現実世界に起こる問題に対処するのも、パズルを解くのも、本質的には同じだ。論理を隠している障害を排除し、問題をシンプルに考える力は、いかなる時代においても自分を支えてくれる財産となるだろう。
「あなたの前に3人の村人がいる。1人は天使、1人は悪魔、1人は人間だ。天使は必ず真実を言い、悪魔は必ず嘘をつき、人間はランダムに真実や嘘を言う。
3人の村人(A、B、C)は次のように言った。
A:私は天使ではない。
B:私は悪魔ではない。
C:私は人間ではない。
さて、村人それぞれの正体は?」
これはオーソドックスなスタイルの問題だ。論理的思考の基本は「もし○○だったら……」と、仮定と検証をくりかえすことだ。この問題では「もしAが天使だとしたら」「悪魔だとしたら」と仮定していき、矛盾が起きるパターンを排除していく。
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