「当たり前じゃないか」と言われるかもしれないが、どれだけ素晴らしいビジネスアイデアを持っていても、始めなければ始まらない。とはいえ、一つとして同じビジネスはないのだから、すべての人に共通する出発点など存在しないのもまた事実だ。
出発点を知る方法の一つは、「何が出発点ではないのか」を考えることだ。それは、ビジネスプランでも、銀行口座に資金があることでも、店舗スペースを賃貸することでも、商品でも、気取った役員室でも、高価な車でも、エグゼクティブ同士の長時間にわたる外食ランチでもない。
まずは、あなたのビジネスアイデアをわかりやすいエッセンスに凝縮することから始めよう。そしてそれができたら、さらに凝縮してほしい。ビジネスはとにかく小さく始めることが大切だからだ。
ビジネスの成長は一歩一歩階段を上がるようなものである。階段を丁寧に踏みしめながら上がっていけば、失敗は起こらないだろう。早く成長したいからと一段抜かしで上がるのは、かえって逆効果である。
経営者はさまざまな局面で人柄が試される。取った行動が正しかったか間違っていたか。社員の扱いはフェアか、違うか。社会環境の役に立ったか。逆に汚染してしまったか……。
ある配管工のエピソードを紹介しよう。彼のビジネスは「メンテナンス・サービス料として年間100ドルをお支払いいただきましたお客様には何度でも無料で修理に参ります」というもので、商いは順調に拡大し、彼の給料は100万ドルを超えた。
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