松岡修造の人生を強く生きる83の言葉

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松岡修造の人生を強く生きる83の言葉
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松岡修造の人生を強く生きる83の言葉
出版社
アスコム
出版日
2011年06月27日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

しょんぼり、がっかり、くたびれた……。そんな日は、本書を開いてみよう。修造パワーですっかり元気になれるはずだ。

「絶対できる!」「あきらめるな!」とスポーツ中継で絶叫する松岡氏は「熱い男」そのものだ。インターネット上では、「松岡修造が海外に行くと日本が寒くなる」という噂も、まことしやかに囁かれているほどである。

しかし、そうしたイメージとは裏腹に、松岡氏は、自分は弱くて消極的な人間なのだ、と語る。だからこそ、ウィンブルドンでベスト8進出という偉業を成し遂げた選手時代から現在に至るまで、自分を応援するために熱い言葉を発し続けているのだという。今を生きる人を力づけたいという気持ちから、本書では、そうした言葉が83、紹介されている。

それらは、ただあたたかく力強い励ましに満ちているだけではない。「緊張してきた。よっしゃあー!」(緊張は自分が本気になっている証なので、不安がらずに受け入れて自分を応援してしまおうという意)、「上海見てみろ。上海になってみろ!」(上海のように、新しいことを受け入れて変化していこうという意)のように、親しみとユーモアがあふれ、ときにたいへん愉快である。くすりと笑ったその後に、よっしゃあー! と気合いが入ること間違いなし。老若男女問わず、おすすめしたい1冊である。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

松岡修造
1967年、東京都生まれ。10歳から本格的にテニスをはじめ、慶應義塾高等学校2年生のときにテニスの名門校である福岡県の柳川高等学校に編入。その後、単身フロリダ州タンパへ渡り、86年、プロに転向。ケガに苦しみながらも、92年6月にはシングルス世界ランキング46位(自己最高)に。95年にはウィンブルドンで日本人男子として62年ぶりとなるベスト8に進出。98年春に現役を退き、以後ジュニアの育成とテニス界の発展のために力を尽くす一方、テレビではスポーツキャスターなどメディアでも幅広く活躍中。

本書の要点

  • 要点
    1
    苦手なことが成功したら、自分をほめる。ぎりぎりの崖っぷちに立ったら、機会に感謝する。ストレスのかかる状況にあってもそれを逆手にとってポジティブな言葉を自分にかけ続けることで、成長できる。
  • 要点
    2
    前向きになろうという姿勢は、心持ち次第なので、誰にでもそうあることを選べるものだ。諦めてしまわず、前向きな気持ちになって、周りを明るくしよう。
  • 要点
    3
    自分の現状の力を正直に受け入れつつも、限界を定めてしまわないようにしよう。人間には思いもよらない力がある。自分を信じよう。

要約

自分を応援してきた言葉

ナイスボレー、修造!
jaycwener/iStock/Thinkstock

プロテニスプレーヤーになったころの松岡氏は、ボレーショットが苦手だった。ボレーショットとは、ボールがバウンドする前に打ち、相手のコートに返すショットだ。

だからこそ、ボレーショットがうまく決まったときは、ここぞとばかりに「ナイスボレー! 修造!」と自分をほめた。

何度も自分をほめているうちに、自分はボレーがうまいのではと思えるようになってきた。そのうち、ネット際のプレイはどんどん良くなっていったという。自分の脳にポジティブな言葉を浴びせることが、苦手意識の克服につながったのだ。

苦手なことに取り組むときには、人にほめられる前に自分をほめてしまおう。

やったー! 俺の脳、いまブルブル震えて喜ぼうとしているよ!

脳科学者の茂木健一郎氏によると、「脳は苦しいなあと思うときほど喜んで動いている」のだそうだ。

つまり、仕事や勉強が苦しく、自分の限界を感じるときにでも、体の中で脳だけは最高に喜んでいるのだ。このことを知ってから、松岡氏はいきづまったり、難解な本を理解できずに困ったりすると、「やったー! 俺の脳、いまブルブル震えて喜ぼうとしているよ!」と思うことにしている。そうすると、ふしぎにいいアイデアが出てきたり、本がすいすい読めたりする。

壁にぶつかったら喜び、乗り越えたらさらに喜ぼう。すると脳も喜んで、どんどん自分を成長させることができるはずだ。

ベストを尽くすだけでは勝てない。僕は勝ちにいく

「ベストを尽くす」という言葉はすばらしい言葉だが、そこに言い訳がひそんでいてはいけない。「ベストを尽くす」と言いながら、「ベストを尽くすのだからどんな結果になっても仕方がない」という弱気な気持ちを抱えていることはないだろうか。これは、良くない。

松岡氏は、テニスで自分より強い相手に挑もうとするとき、そのように感じたそうだ。だから、「ベストを尽くす」だけでなく、「勝ちにいく」と付け加えて、自分を力づけることにした。

「ベストを尽くす」というふうに発言するとき、自分の心に弱いところはないだろうか。もし、言い訳がましい気持ちを見つけてしまったら、「必ず契約を取る」「完璧な企画書にする」など、具体的な成果を表す言葉をプラスして、自分を力づけよう。

崖っぷちありがとう! 最高だ!

崖っぷちに追いつめられているときは、無我の境地で最高のものを出せる。だから、崖っぷちには感謝すべき、「崖っぷちありがとう!」なのだ、と松岡氏は語る。

そのため、あえて自分を崖っぷちに追い込むという。手軽な方法に、時間を区切るということが挙げられる。30分で、15分で、目の前のことを片付けると思えば、脳が活性化して集中力も上がる。また、テレビ番組の視聴率でも、「10%取らなければ意味がない!」などと自分を追い込むという。

でも、できないときがあってもいいのだ。崖っぷちから落ちてもかまわない。落ちることを考えるよりも、崖っぷちをつくって挑むことが大事だ。

よーし、絶対に勝つ。勝ったらケーキだ!
163net/iStock/Thinkstock

松岡氏は、「この仕事が終わったら、ケーキだ」と思うだけで燃えてくるらしい。

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要約公開日 2015.03.20
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