ペンタゴン式目標達成の技術

一生へこたれない自分をつくる
未読
ペンタゴン式目標達成の技術
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一生へこたれない自分をつくる
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ペンタゴン式目標達成の技術
出版社
出版日
2015年02月05日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

アメリカ合衆国の軍事防衛を統括する、世界で最も大きな組織といわれる国防総省、通称「ペンタゴン」。アメリカ空軍少佐としても、情報戦のエキスパートとしても輝かしいキャリアを築いてきた筆者が、目標を達成するための究極の7つのメソッドを紹介する。

災害救助、紛争地帯での人命救助といった常に緊迫した状況において、ペンタゴンでは任務を完璧に遂行しなければならない。死と隣り合わせの中で、想像を絶するストレスに打ち勝ち、正しい判断を行い、そして能力を最大限に発揮するために必要なものとは何なのか?

ペンタゴンでは、人間を構成する上で欠かせない「Body」「Mind」「Spirit」の三要素をまんべんなく高めるトレーニングが行われている。本書では、一般の人にも役立つよう、そうした訓練をアレンジした方法を伝授する。ペンタゴンで実践されていると聞くと、ブートキャンプのような過酷さをイメージして怖気づいてしまうかもしれない。しかし、ここで紹介されているのは、深い呼吸や、1日10分程度の瞑想、日誌の習慣化といった今日から試せそうな内容ばかり。中には「遺書を書く」といった意外な手法も登場する。

「困難や逆境にあっても自分を奮い立たせ、前進しなくてはいけない」、「絶対に成し遂げたい目標がある」。そんなあなたにとって本書は、一度覚えたら手放すことのできないような効果的な技が盛り込まれた「自分を高めるバイブル」になってくれるはずだ。

ライター画像
松尾美里

著者

カイゾン・コーテ
サンフランシスコ生まれ。University of Washington 卒。科学者を志すも、その後アメリカ空軍将校の道へ。在軍中に、アメリカ軍事大学院で修士課程を修める。その直後に、アメリカ国防総省国防情報システム局へ入局。情報部隊のエキスパートとして、国防総省でも保有率わずか1%というサイバーテロスペシャリストのライセンスを取得。国防総省、軍で行われている様々なトレーニングの中から、人生の可能性を広げ、成功するために有益なノウハウを抽出し、一般向けにアレンジした独自メソッド「リビング・エンライトメントシステム」を2011年に完成。現在は国防総省、軍にも籍を置きつつ、プライベート機関、ディフェンス・ディベロップメント・コンセプツ社をベースに、セミナー、サイバーセキュリティーコンサルティングなども行っている。空軍での階級は少佐。

本書の要点

  • 要点
    1
    1分間に8回から10回の呼吸回数と、肺容量を十分に使った深い「鼻呼吸」、そして「タクティカル・ブリージング」という呼吸法によって、自分の力を最大に発揮できる心身の状態をつくりだせる。
  • 要点
    2
    1日10分でも「瞑想」を習慣づけることで、ストレス下においても冷静さを保つことができる。ポイントは、「今、この瞬間に意識を向ける」ことである。
  • 要点
    3
    遺書を書くことは、単なる死の準備ではなく、有限な人生をどう生きるべきかを考え、ポジティブに人生を設計するための有効なツールになる。

要約

呼吸であなたの人生は激変する

呼吸を制する者は、人生を制す
John Lund/Sam Diephuis/Blend Images/Thinkstock

ペンタゴンには「呼吸を制するもの、勝負を制す」という言葉がある。呼吸は短時間で高いパフォーマンスを発揮するのに「最適な」心身状態をつくる大きな味方になってくれるのだ。

ペンタゴンが、正しく深い呼吸を重視する理由は次の二つである。一つ目は、血圧や心拍数の正常化、疲労回復、活力増加など、身体機能を健全にする効果があるためだ。そして二つ目は、メンタル面での安定化と集中力の増加をもたらすためである。人はストレスを抱えると、つい肩や胸だけで浅い呼吸をしてしまい、脳の酸素が不足し、心身への悪循環を生むおそれがある。呼吸の乱れは精神の乱れと呼応するのだ。

ペンタゴンの推奨する理想的な呼吸は、1分間に8回から10回の呼吸回数と、肺容量を十分に使った深い「鼻呼吸」である。常に質のいい呼吸を行うことは、未来への簡単で確実な投資だといえる。

「ピーク・パフォーマンス」を可能にするスナイパーの呼吸法

「人が自らの能力を最大に引き出し、発揮させた状態」を「ピーク・パフォーマンス」という。具体的には、適度な緊張感があり、落ち着きと高い集中力を保ち、自分自身を完全にコントロールできている状態を指している。この状態を「意図的」につくるために、ペンタゴンで用いられているのが、スナイパー(狙撃手)の戦術として生まれた「タクティカル・ブリージング」という特別な呼吸法だ。

スナイパーは、周囲に被害を与えることなく、ただ一発の銃弾を、標的に確実に打ち込まなければならない。こうした想像を絶する緊張状態で、人並み外れた高い集中力を発揮するには、心拍数を115から145にコントロールすることが重要だ。タクティカル・ブリージングを使えば、心拍数がこの値の中に収まり、「ピーク・パフォーマンス」を実現できるというわけだ。

タクティカル・ブリージングは、まず鼻から4秒息を吸って、4秒息を止める。その後、4秒かけて息を吐いて、吐き終わったら4秒息を止める。これを4~5回繰り返すというものだ。

例えば、絶対に失敗できないようなビジネスシーン、スポーツの試合、そしてリラックス状態から一転して勝負に臨まねばならない場面においても、この呼吸を用いて自分を整え、最適な臨戦態勢をとることができる。

【必読ポイント!】 1日10分、心の静寂をつくる

常に冷静であれ ~瞑想が生み出す効果~
Hongqi Zhang/iStock/Thinkstock

戦場や災害地、過酷な現場の最前線に立つ軍人に求められるもの。それは、困難やストレスにしなやかに対処し、完璧にミッションを達成することだ。そのために必要な「冷静さ」を効果的に得る方法こそが「瞑想」なのである。

筆者が瞑想の威力を強く実感したのは、北極でのミッションのときだという。半年ほど白夜が続き、もう半年は完全な闇の世界という環境下では、心身に多大なストレスがかかるため、北極での任務は12か月で必ず終了する規定になっている。しかし、筆者は一日のうちに何度か一人で瞑想する時間を取っていたために、14か月北極に滞在しても、ストレスを調整し、心のバランスを保つことができた。

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要約公開日 2015.04.23
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