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本書の要点

  • 「意識の徹底」というアプローチでは、職場のミスや事故は無くならない。ミスを無くすには人間の内面ではなく、「行動」への働きかけをするべきだ。

  • ミスを無くすためには、人間の行動メカニズムを理解する必要がある。その1つが、人間の行動サイクルを整理した「ABCモデル」である。

  • ミスを無くす仕組みは「特定」と「継続」というステップでつくられる。安全のための行動を特定し、それが継続されやすい環境をつくる。これにより「ミスや事故の無い組織」の実現につながる。

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なぜミスは無くならないのか

「意識の徹底」ではミスは無くならない

「安全意識を徹底させよう」と呼びかけても、なぜミスや事故は無くならないのか。それには、人間は「自分にとって『結果にメリットのある行動』を選択する」という行動原理が関わっている。

たとえば、工場や高所など危険な作業をする現場では「ヘルメット着用の義務」がマニュアルに書かれているはずだ。しかし、作業中に着用しなかったり、かぶってもあごひもを結ばない人は必ずいる。これは「面倒なことはやらない」という人間の行動原理から起きている。

アルバイトが業務中に不謹慎な動画をSNSに投稿する「バイトテロ」も後を絶たない。炎上してメディアなどでも叩かれるが、それでもなくならないのは、「いいね!をたくさんもらえる=承認欲求が満たされる」という「行動の結果のメリット」があるからだ。

こうしたミスや事故に「意識の徹底」で対処しようとしても、大抵はうまくいかない。それらは「心構え」の話であり、具体的な「行動」を提示していないためである。

大事なのは、「行動」にフォーカスすること。人間の行動原理に着目し、それに合った仕組みをつくることが、ミスや事故を無くすことにつながるのだ。

職場でミスが生まれる背景

Zoey106/gettyimages

職場ではなぜミスが生まれるのか。その要因はいくつかあるが、その1つが「曖昧な言葉」の常態化である。

たとえば「きちんと挨拶をして」という指示は、何をもって「きちんと」とするのかが曖昧だ。経験値や価値観は人それぞれであるため、言葉の解釈にばらつきが出てしまう。

これを具体的にするには、「数値化できる」「観察できる」「信頼できる」「明確化されている」の4つを意識して伝えることだ。この場合は、「相手の顔をまっすぐ見て」「笑顔を浮かべ」「5メートル先にいる相手にも聞こえる声で」「『おはようございます』と言う」となる。

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働き方の多様化がミスを起こす

ミスを誘発する「3つの新要因」

近年は働き方が多様化し、ミスが増えやすい状況が生まれている。ミスを誘発する「新要因」には、次の3つがある。

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要約公開日 2026.06.30
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