なぜミスは無くならないのか
「意識の徹底」ではミスは無くならない
「安全意識を徹底させよう」と呼びかけても、なぜミスや事故は無くならないのか。それには、人間は「自分にとって『結果にメリットのある行動』を選択する」という行動原理が関わっている。
たとえば、工場や高所など危険な作業をする現場では「ヘルメット着用の義務」がマニュアルに書かれているはずだ。しかし、作業中に着用しなかったり、かぶってもあごひもを結ばない人は必ずいる。これは「面倒なことはやらない」という人間の行動原理から起きている。
アルバイトが業務中に不謹慎な動画をSNSに投稿する「バイトテロ」も後を絶たない。炎上してメディアなどでも叩かれるが、それでもなくならないのは、「いいね!をたくさんもらえる=承認欲求が満たされる」という「行動の結果のメリット」があるからだ。
こうしたミスや事故に「意識の徹底」で対処しようとしても、大抵はうまくいかない。それらは「心構え」の話であり、具体的な「行動」を提示していないためである。
大事なのは、「行動」にフォーカスすること。人間の行動原理に着目し、それに合った仕組みをつくることが、ミスや事故を無くすことにつながるのだ。
職場でミスが生まれる背景

職場ではなぜミスが生まれるのか。その要因はいくつかあるが、その1つが「曖昧な言葉」の常態化である。
たとえば「きちんと挨拶をして」という指示は、何をもって「きちんと」とするのかが曖昧だ。経験値や価値観は人それぞれであるため、言葉の解釈にばらつきが出てしまう。
これを具体的にするには、「数値化できる」「観察できる」「信頼できる」「明確化されている」の4つを意識して伝えることだ。この場合は、「相手の顔をまっすぐ見て」「笑顔を浮かべ」「5メートル先にいる相手にも聞こえる声で」「『おはようございます』と言う」となる。
働き方の多様化がミスを起こす
ミスを誘発する「3つの新要因」
近年は働き方が多様化し、ミスが増えやすい状況が生まれている。ミスを誘発する「新要因」には、次の3つがある。

![無くならないミスの無くし方[決定版]の表紙](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fstatic.flierinc.com%2Fsummary%2F4604_cover_300.jpg&w=256&q=75)


















