過去を知る
未来思考とは

「未来の大きな方向性の判断においては、正しい時間軸と視座こそが重要」である。孫正義は、その類まれなる洞察力と未来への執着心によって、進むべき道や未来のトレンドの本質をつかんできた。ソフト流通、インターネット、ブロードバンド、モバイル、スマホ、そしてAI。なにごとも草創期に予見し、事業化を推進している。
孫正義にとって、過去や現在の時間・財はこれからの未来のためにある。その強烈なまでの未来への偏重とある種の焦燥感が、今日にいたる孫社長とソフトバンクグループのすべてを突き動かしていると言っていい。
しかしながら、未来に強い関心があるのは我々も同じだ。世論の移り変わりや企業の業績、保有している銘柄の株価。世間は未来予測で溢れている。
もちろん、未来予測に意味を見出さない意見も存在する。個別事象に対する未来予測の精度、破壊的技術の登場のなかでもそれまでの常識を前提とする態度、動的に変化する未来への予測の意味を疑問視する立場がそれだ。しかし、これらは間違っている。
具体性はなくても、大枠の方向性を予見しておけば、想定外の事態にも柔軟な対応ができる。価値観の変容には数十年単位での時間が必要だし、未来に向けた地図と行程表はあったほうがいい。
そうして、未来をある程度の解像度で読み解くための技法が「未来思考」である。未来思考とは、過去から現在、未来への「大きな構造的な変化」を把握することで、今起きていることと「来たるべき未来」を理解し、「自らの行動で未来をより良い方向に導いていく思考法」のことを指す。
歴史と構造
未来思考を可能とするために、いくつかの技法がある。そのうちの1つは、歴史から学ぶことだ。












