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本書の要点

  • 女性の歴史は、支配と解放の繰り返しである。しかし女性たちはどんな時代にも行動し、語り、創造し、そして闘ってきた。

  • 新石器時代に入ると定住化と農業・牧畜がはじまり、女性は毎年子どもを産むようになった。この変化により、社会に暴力と支配が生まれる。

  • 中世ヨーロッパでは女性にも職業的自由があり、さまざまな場で活躍していた。ルネサンス以降はそれが狭められ、社会的・職業的自律性を失っていった。

  • 19世紀には「領域の分離」理論が登場し、「男は外、女は家」という価値観が加速した。

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女性の視点で歴史を見直す

女性たちは黙っていなかった

昔の女性は服従していたが、時代が進むにつれて解放され、いまでは自由で平等を求めて歩んでいる――。これが、わたしたちが学校で教わってきた女性の歴史である。

しかし、実際はそれほど単純ではない。女性たちは昔から行動し、語り、統治し、そして創造してきたのだ。

過去を遡ると、女性が自由に生きられた時代はたしかにあった。しかしその反動で閉じ込められ、また解放されては閉じ込められ……が繰り返される。女性の歴史は、きれいな直線グラフにはならない。

だが、その“閉じ込められた”時代においても、声を上げて闘った女性はいた。そう、彼女たちは決して黙ってはいなかったのだ。

現代は女性史の研究が進み、学校では教えられなかった事実が明らかになりつつある。それらを知る――つまり、女性の視点から歴史を見直すと、世界の見え方が変わるはずだ。

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先史時代〜古代

平等な社会から支配の社会へ

fotostorm/gettyimages

社会に不平等があらわれるのは、今から1万年前の新石器時代である。このころ気温が上昇し、現代と同じような気候になった。それにあわせて社会は変化して、上下関係が生まれる。

その前の旧石器時代は、狩猟・採集をしながら頻繁に移動して、社会は平等なかたちをしていた。しかし新石器時代に入ると農業と牧畜がはじまり、人々は定住するようになった。この変化が女性たちに大きな影響を与えることになる。定住化によって、女性の産む子どもの数が増加したのだ。

妊娠から次の妊娠への期間が短くなり、ほぼ毎年子どもを産むようになった。その結果、人口ブームが起き、人々は住む場所を求めて家畜とともに移動した。現在のヨーロッパの人々の大半は、中東から北へ移動してきた人の子孫である。

地域によって差はあるが、この時代、暴力と不平等が大きく広がった。自然や動物を管理・支配するようになり、栽培した穀物を長期保存するようになった。それが続いた結果、富を持つものと持たざる者の差が生まれた。

そうすると遺産や相続の問題もあらわれて、世襲的社会階級が発達する。富を守るための戦士も登場した。先史歴史家のマリレーヌ=パトゥ・マティスによると、「定住化と暴力にはかなり直接的な関係があり、前者が後者を生みだしている」という。人間の暴力は、ほかの動物種に見られる攻撃と違い、社会的な人間関係から発している。

「女性は男性の失敗作」

古代ギリシア時代、女性の権利はほとんどないに等しかった。アテネの民主主義やこの文明の聡明さは至るところで称賛されるが、“すばらしい市民制度”から女性は除外されていた。なぜそうなったのだろうか?

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要約公開日 2026.06.20
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