「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?
海外で成功するローカライズ・マーケティングの秘訣

未 読
「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?
ジャンル
著者
三田村蕗子
出版社
日本実業出版社 出版社ページへ
定価
1,620円
出版日
2015年04月01日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.0
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海外で成功するローカライズ・マーケティングの秘訣
著者
三田村蕗子
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出版社
日本実業出版社 出版社ページへ
定価
1,620円
出版日
2015年04月01日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
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レビュー

お菓子――それは日常にあるあたりまえの物。おいしいお菓子が目の前にあると誰もが微笑まずにはいられない。日本だけでなく、世界でもお菓子は愛される存在だ。著者は様々な国に行きお菓子を手に取るが、いつも「日本のお菓子の方がだんぜんおいしくないか?」と感じている。

日本のスナック菓子も海外の人に食べられてはいるが、インスタントラーメンの世界進出規模には全く及ばない程度にとどまっている。日本のお菓子はこんなにおいしいのだから、相当のポテンシャルを持っているに違いないと著者は言う。少子化の日本とは違い、海外には人口ボーナス期に突入する国がたくさんあり、まだまだ未開拓の市場が広がっている。客観的に見て日本のお菓子の立ち位置は世界でどうなっているのか? どうすれば世界に出ていけるのか? 本書は、非常に緻密な取材をふまえて、日本のお菓子の限りない可能性を描いている。

「ハイチュウ」「ポッキー」「柿の種」などのなじみ深いお菓子が次々に登場し、それぞれの海外戦略が紹介される。そうしたストーリーから感じ取れるのは、変わろうとしているお菓子メーカーの姿だ。日本のお菓子メーカーが一緒になって決死の努力をし、世界にお菓子を広めようとしている姿が目に浮かんだ。

この本で、小さなお菓子の袋に秘められたとんでもない実力と将来性に、一緒に思いを馳せようではないか。日本のお菓子が世界で愛される未来がすぐ近くにある。

山下 あすみ

著者

三田村 蕗子
福岡県生まれ。津田塾大学卒業後、マーケティング会社などを経て、現在フリーのジャーナリスト。流通業を中心に、ビジネス全般に関するテーマを追いかける。商売の仕組みや仕掛け、そこから生み出される世相や日本独自の消費傾向に関心を置く。主な著書に『ブランドビジネス』(平凡社新書)、『論より商い』(プレジデント社)、『世界一うるさい消費者にモノを売る50の方法』(同文舘出版)などがある。2014年11月からバンコクに拠点を移し、東南アジアに進出する日系企業や日本人企業家の取材にも力を入れている。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本のお菓子が海外進出に成功するには、技術力に裏打ちされたオリジナリティの高い商品、ターゲットに届きやすい流通チャネルの開拓、現地に最適化した味や価格などが鍵となる。
  • 要点
    2
    海外進出にあたって、海外市場への最適化を図ることのできる人材を育成していくことも重要である。
  • 要点
    3
    日本のお菓子の完成度はどこの国にも引けを取らないが、まだ世界中の人たちには浸透していない。世界にお菓子を広めていくためには、お菓子メーカーがそろって「オールジャパン」で挑む必要がある。

要約

お菓子業界の変貌

日本の素晴らしいお菓子をぜひ世界へ!!
hxdyl/iStock/Thinkstock

世界中でお菓子は愛されている。著者は言葉も習慣も違う彼ら彼女らが食べているのはどんなお菓子なのかと、現地のお菓子を買い求めては、いつもこう思うのである。「日本のお菓子の方がおいしくないか?」と。

世界中で日本のお菓子は販売されており、たとえば香港の庶民派スーパー、ウエルカムでは、「じゃがビー」「ポッキー」「コアラのマーチ」「カラムーチョ」「カール」「ベビースターラーメン」「ハイチュウ」「たべっ子どうぶつ」などが陳列されている。が、しかし、その売場の大きさは日本のインスタントラーメンの規模には到底かなわない。即席麺の棚は日本の「出前一丁」にほとんどの場所を占められているのだ。

日本のお菓子にもそれくらい売れるポテンシャルはあるだろう。おいしく、安全性も高く、パッケージの細部の工夫まで施されている日本のお菓子が国内市場だけにとどまっているのはあまりにももったいない。まだまだ有望な市場が広がっている世界に出ていかない手はない。

庶民派企業から脱皮し、グローバルカンパニーへ

笑顔をもたらすお菓子は、「平和な日本」を象徴している。そしてまた、お菓子業界で働く人々が醸し出す空気の「ほのぼの感」も高い。人を幸福な気分にするお菓子を扱っている業界の人は、知らずと周囲を和ませるハッピーな空気を漂わせているのだろう。

しかし、そんなお菓子業界が変わろうとしている。大手お菓子会社のカルビー本社は、庶民的な場所から都内のど真ん中へと移り、オーナー経営の会社から外資系の経営手法を取り入れた企業へと変貌した。創業家の松尾一族は、異業種からのスカウト組や転職者を招き入れ、実権を握らせた。さまざまな企業で社長、最高顧問を歴任してきたという松本会長は「ビジネスで大事なことは、世のため人のためと、儲けること」と明言しており、「儲けること」を全面的に肯定し、コスト管理のテコ入れを行い、無駄を徹底的に排除した。そしてカルビーの営業利益は見違えるほど改善した。

戦略ありきの技術力

日本で売れている商品や味では世界で勝負できない
anna1311/iStock/Thinkstock

「サプライチェーン」を制している企業に戦いを挑むことは難しい。カルビーの主力商品と言えばポテトチップスだが、世界のジャガイモの流通はアメリカの巨大食品会社フリトレーのポテトチップス「レイズ」が握っている。フリトレーのジャガイモの調達量は尋常ではなく、そこにカルビーが食い込むことはほぼ不可能だ。となると、安定供給のためのサプライチェーンが確立できないため、勝ち目はない。

海外でビジネスとして勝つためには、先行企業がつくれないもので活路を見いだすのが王道である。アメリカ進出の際、カルビーが見いだした活路は「豆」であった。えんどう豆のスナック「ハーベストスナップス」を発売したところ、豆=健康のイメージで健康志向の強い白人富裕層の心をつかみ、大好評となった。

海外ではおいしくて安いだけでは売れない。必要なのは「戦略」である。カルビーは商品を変えただけでなく、「ハーベストスナップス」の陳列場所をスナック菓子売り場ではなく生鮮食品の横の棚という異例の場所にした。また、販売チャネルも発売当初はオーガニック食品などを販売する高級スーパーに絞った。こうした戦略が成功につながった。

模倣されない技術を持つ

そして、もう一つ大切なことは他の企業が模倣できない技術力を持つことである。それを実現できた商品は、メジャーリーガーに愛され球団から依頼を受けスポンサー契約までできた唯一無二の食感の「ハイチュウ」だ。

キャラメルでもなく、ガムでもない。キャンディーは競合も多い分野だが、「ハイチュウ」の食感はどこにも出せない。

誰かに真似され市場に埋もれることのない技術が海外進出には不可欠なのである。

日本はチョコレート先進国

こんなに安くてクオリティの高いチョコレートを食べられる国は他にない
Alena Brozova/Hemera/Thinkstock

チョコレートの本場といえるのは、フランスやベルギーだろう。しかし、

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経営戦略 マーケティング 産業・業界 グローバル
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三田村蕗子
出版社
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1,620円
出版日
2015年04月01日
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