達成の科学

確実にゴールへ導くステップ・バイ・ステップの招待状
未読
達成の科学
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達成の科学
出版社
フォレスト出版

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出版日
2015年01月25日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

タイトルの「科学」という言葉には、誰もが本書の内容を再現でき、同じ結果を得られる、という意味がこめられている。著者は幼少時に父親が母親を殺害するという衝撃的なできごとのトラウマを乗り越え、現在は目標達成コーチとして大きな成功をおさめているマイケル・ボルダック氏。自ら学び、実践してきた方法論を、普遍的なセルフコーチングのマニュアルとして多くの人が使えるようにと、本書にまとめている。

本書に登場する、自分のネガティブな思い込みを壊す、瞬間の快楽に流されない、というようなアドバイスは、他の本で見かけたことがある方や、断片的な知識として知っている方もいらっしゃるかもしれない。しかし、本書において著者は、それらになぜ効果があるかということをも、具体的、科学的に解説をしているため、納得した上で知識として飲み込めるだろう。さらに、それらを目標達成のステップのなかに位置づけ、段階としてこなして最終的な目標達成へ近づけるように懇切丁寧に説明している。

したがって、読者は、大きな目標を持ち、モチベーションを生み出し、障害を取り除くというところから、最終的には毎週、毎日とるべき行動は何かというところまで、ひとりでも計画できるようなつくりになっている。

成功哲学やセルフコーチングについて、教科書となるようなものを探している方には、ぜひ本書をお薦めしたい。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

マイケル・ボルダック
1973年、カナダ生まれ。7歳のときに、父親が母親を殺害するという衝撃的な事件を体験。そのショックから重度の吃音症と極度の対人恐怖症となる。16歳のときには養父母の家からも追い出されて高校を中退、カネやコネはおろか、家族のサポートすら受けられないなど、絶望的な少年期を過ごす。しかし、たまたま友人に誘われて参加したセミナーをきっかけに自己変革に目覚め、吃音症を克服。その後、目標達成コーチとしてキャリアを積み、世界的ビジネスコンサルティングの権威ブライアン・トレーシーから「世界No.1」と称されるまでになる。現在は南国のビーチで愛する家族とともに過ごしながら、個人コーチングやセミナー、執筆活動を通して世界中のクライアントに成功と幸せを届けている。著書に『目標達成する技術』『人を動かす技術』(いずれもフォレスト出版)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    目標達成のためには、必要な行動を苦痛でない範囲からはじめ、習慣化しつつ徐々に範囲を広げていくとよい。
  • 要点
    2
    目標を達成せねばならない、やむにやまれぬ理由を見つけ出し、「そのためには何でもやる」と自己暗示をかけることで強いモチベーションがつくれる。理由になるものを視覚化して目につくようにしておくのも効果的だ。
  • 要点
    3
    自分の可能性を自ら閉ざす思い込みを探り出して壊し、自分に力を与える信念と置き換えることで、内なる障害を取り除ける。

要約

「できない」のはなぜか

長期的快楽のために、痛みと快楽をコントロールする
prach_trapmanee/iStock/Thinkstock

人はみな、できるかぎり大きな快楽を手に入れて、できるかぎり痛みを避けたいという性質を持っている。だがそのために、瞬間の快楽に身をまかせ、長期的には痛みを引き起こす、あるいは大きな快楽である目標を達成できなくなってしまう。ジャンクフードや喫煙をやめられなくて、結果として健康を害するケースなどがその例だ。

しかし、成功者たちは、長期的思考をもって快楽を遅らせることに長けている。そのためにはまず、自分が大いにモチベーションを感じる長期的ゴールを設定し、さらに自己規律をするということが非常に大事になる。

日々の苦痛の習慣をこなすことに十分大きな意味がありさえすれば、痛みは快楽へと変わる。よって、本当にワクワクするゴールを設定するということが重要である。

また、成功者たちは、長期的なゴールのために必要な日々の行動を設定し、自己規律をもって習慣化している。ただ、痛みを我慢するやり方だと続かないので、習慣が形成されるまでは快適な方法で規律を守るようにするとよい。たとえば目標がダイエットであり、1日45分の運動が必要であっても、1日5分からはじめ、運動を苦痛と思わなくなったころに、徐々に時間を長くする。

最高のモチベーションの生み出し方

インカンテーション
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

モチベーションとは、人それぞれに異なる欲求に突き動かされて生まれるものである。

著者の場合、「毎月1万ドルを稼ぎたい」という望みの裏にあったのは、「息子と一緒に暮らしたい」という欲求だった。そのことを明らかにした、あるアメリカのサクセスコーチは、著者に毎日20分「タイにいる息子と一緒に暮らすために、私は何でもする」と声に出してインカンテーションをするという提案をした。インカンテーションとは、プラシーボ効果を発見したことで知られるフランスの自己暗示療法の創始者、エミール・クーエがはじめた、感情を伴ったアファメーションや自己暗示のことだ。

人は、決まった思考を繰り返す傾向があり、その思考によって行動が支配されていることもよくある。したがって、ほかの思考を塗りつぶす勢いで、成功をもたらす1つの思考を繰りかえすことが効果的なのだ。

インカンテーションを行なうには、目標を達成せねばならない、やむにやまれぬ理由、自分にとって説得力のある理由を選ぶことが大切だ。

ビジョンボード

しかしときにはそこまで切実な一つの理由が見つからないこともある。著者は、息子と暮らすということを実現してしまったのち、モチベーションの欠如に苦しんだ。そうした場合は、たくさんのやむにやまれぬ理由を見つけて、数を増やす必要があるのだ。著者は、新車を買う、行きたかったセミナーに参加する、など、いくつもの「月に1万ドル稼ぎたい」理由になるものを書き出し、写真やグラフィックスで1枚のビジョンボードに表した。

成功のために重要な習慣のひとつは、日々モチベーションを起こさせることだ。毎日20分間のインカンテーションとビジョンボードは最高のモチベーションを保つための大きな力になる。

無意識の障害

「リミティング・ビリーフ」
PIKSEL/iStock/Thinkstock

高いモチベーションを持っていても、ゴール達成を妨げるいくつもの障害は現れる。たいていの障害は自信の欠如や時間不足など、リソースの欠如によるが、自分の無意識の思い込みが自分の行動の邪魔をしてしまうこともある。

ロイ・バウマイスターの調査(1998年)によると、日々の行動の95%は無意識のうちに起こっているのだという。つまり、理想の人生をかなえるためには、

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要約公開日 2015.07.03
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