絶対に達成する技術

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絶対に達成する技術
出版社
出版日
2013年07月25日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

「やばい、ダイエットにまた失敗した」。「英語の勉強が続かない」。意気込んで立てた目標が達成できなかった経験を持っている方は、本書を手に取ろう。

著者によると、目標達成とは、「根性論や気合いとは無縁の単なる技術」だという。著者は、発明家でもあり目標達成や人材育成のプロフェッショナルでもある。単に「目標達成」の研修を行うだけではない。「この目標を立てた人は、半年後に達成できたのか」「できていないなら、どこでつまずいたのか」といったことを、ITのシステムで科学的に分析し、7年間で、のべ1万人以上の追跡調査をもとに、目標達成の技術を磨いてきたという。この技術は、「7つの習慣」で知られるフランクリン・コヴィー・ジャパン社の行動定着システムとしても使われている。

本書では、そうして得られたノウハウと、心理学や行動科学の豊富な知見を組み合わせ、「絶対に達成する人」の5つの技術を、 わかりやすく解説する。目標をつくるにも、本気になるにも、テクニックが必要だ。鋼のような心で、歯を食いしばる必要はない。

著者によると、「勉強する」というのは、計画倒れに終わる行動の中でも最高レベルに位置する難しい行動である。そこで、何か習慣化している行動の「ついで」を利用するという。「ついでってどういうこと?」と気になったあなたは、まずはこの本を読んでみることをお薦めする。読み終わるころには、「望む成果を得られる人生」の第一歩を踏み出しているにちがいない。

ライター画像
松尾美里

著者

永谷 研一
発明家、株式会社ネットマン 代表取締役社長、NPO法人 学習分析学会 副理事長、各小中学校ICT利活用教育推進アドバイザー
1966年、静岡県沼津市生まれ。東芝テック、日本ユニシスを経て、1999年4月株式会社ネットマンを設立。学校や企業にITを活用した教育サービスを提供する。2001年から「携帯電話などモバイル端末を活用したアクティブラーニング」を手がけるパイオニア。最近では「反転授業」で活用される。また人材育成に必要なITを考案・開発し、日米で特許を取得。特にアメリカにおいて日本人初の行動変容系システムの特許保持者となり、その功績が高く評価を受け、O-1ビザ(卓越能力保持者ビザ)が認められる。行動科学や認知心理学をベースに、これまで一万人以上の行動実践データを検証・分析し、目標達成のための行動習慣化メソッド「PDCFAサイクル」を開発。三菱東京UFJ銀行や楽天、日立グループなどでの人材育成プログラムや私立、公立大学などでのキャリア教育や留学プログラムに適用される。著書「絶対に達成する技術」(KADOKAWA)は発売わずか数ヶ月で一万部を突破。TVや新聞、雑誌などで多数特集が組まれ反響を呼んだ。次著「人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術」(Profuture)において、研修企画担当者が研修をやりっぱなしにせず行動定着型に転換する方法を発表した。「ソトガク」という協調学習の哲学で社会貢献活動を行う。全国で未来を創る教育イノベーターを生み出すことに注力している。

本書の要点

  • 要点
    1
    PDCAサイクルに「フィードバック」を加えたPDCFAサイクルを回すことで、他者のさまざまな価値観や視点から、新しいアイデアを得ることができ、目標達成がしやすくなる。
  • 要点
    2
    行動を継続しやすくするには、すでに習慣化している行動の「ついでに」やることと、行動を「アウトプットで見える化」することが効果的だ。
  • 要点
    3
    フィードバックは、相手の緊張を和らげる「共感」と、相手に行動を引き出す気づきを与える「質問」から成る。フィードバックを与えることで、自分自身も気づきを得ることができる。

要約

「達成できないスパイラル」から抜け出すのは今!

PDCFAサイクルを回せ

目標を達成するには、「PDCAサイクル」(Plan-Do-Check-Action)を回せと、よく言われる。行動したら、その成果を常にチェックし、問題があったら計画を見直すというサイクルだ。しかし実際には、サイクルが途中で止まってしまうケースが多い。具体的な成果が見えない、マンネリ化して飽きてしまうといった状態になるからである。

行動分析の結果、PDCAサイクルを回し続けるためには、周りの人との関係性を利用する「協調学習」が有効であることが判明した。CとAの間に「フィードバックを取り入れる(F)」を加えたPDCFAサイクルにすることで、他者のさまざまな価値観や視点から、新しいアイデアを得られるため、断然、目標達成に近づくのである。

目標達成する力は、能力でも根性でもなく、技術である。著者は、この技術を「目標を立てる技術」、「行動を続ける技術」、「行動を振り返る技術」、「人から吸収する技術」、「行動を変える技術」の5つに分類し、本書で紹介している。

目標を立てる技術

正しい目標を立てるための4ステップ
Rasica/iStock/Thinkstock

目標を達成するには、「正しい目標」を立てなくてはいけない。「正しい目標」には、いつまでに達成するのかという期限が必要だ。目標を立てたときに、前向きな感情が湧いてくることも大事なポイントである。そのうえで、「問題」「課題」「成果」の三つを組み合わせた、正しい構造の目標をつくるための4ステップを紹介しよう。

(1)問題を洗い出す:「問題」とは、あるべき姿(目指すべき結果や状態)と現状との差を示す。この「問題」を考えられるだけすべて洗い出すのである。ここで解決の難易度を考えてはいけない。

(2)問題を選ぶ:数多く洗い出された問題の中から、優先順位にしたがって、解決すべき問題を絞り込む。無条件に優先すべき問題は、重大なリスクを及ぼすかどうか、業績に著しくインパクトがあるかどうか、そして、それを解決しないと次に進めないかどうかという性質があるものである。

(3)課題を設定する:絞り込んだ問題が発生している真の原因を考える。判明した原因を裏返して、取り組むべきことに置き換えると、それが「課題」となる。例えば、野球チームの優先すべき問題が「守備が弱いこと」となったら、「なぜ弱いのか?」という問いを繰り返し、「足腰の弱さ」という原因を突きとめ、「足腰を徹底的に鍛える」という課題を設定するのだ。

(4)成果を明確にする:最後のステップは、設定された課題に取り組んで得られる結果、つまり「成果」を明らかにすることである。達成期限と数値目標を入れることがカギとなる。

こうしたステップを経てできた、行動につながる「正しい目標」を立てることが、目標達成に不可欠なのである。

【必読ポイント!】 行動を続ける技術

「3大根づかない行動習慣」
mocker_bat/iStock/Thinkstock

目標を立てたら、具体的な行動を計画する段階に入る。目標を達成するには、行動し続けること、つまり行動習慣が重要になる。単純でシンプルな行動であればあるほど、続けやすく、高い成果をあげやすい。

行動を続けられないのには、原因がある。著者は、のべ1万人以上の行動実践のデータを分析して、次のような「3大根づかない行動習慣」を発見した。

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要約公開日 2015.08.28
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