彼女はなぜ「それ」を選ぶのか?

世界で売れる秘密
未読
日本語
彼女はなぜ「それ」を選ぶのか?
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彼女はなぜ「それ」を選ぶのか?
出版社
早川書房
定価
1,980円(税込)
出版日
2011年07月08日
評点
総合
3.0
明瞭性
2.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

男性は本当の意味で、女性の根源的なニーズを捉えられているのだろうか。

近年女性の社会進出が進み、景気は女性の財布が左右すると言っても過言ではない状況にある。男女平等や女性幹部の抜擢といった、ジェンダー(社会的性別)に重きを置かれた議論がなされやすいのも現実だ。

しかしここで思い直すべきは、男性と女性のあいだには、(個人差はあれども)やはり異なる感性が明確に存在しているという事実である。なんとなく分かっている気になっていた「女性の感性」に改めて焦点を当てた本書の議論は、現代においてですら新鮮なものと言えるだろう。本書を読むと全くと言っていいほどその感性に理解が足りなかった、という事実に愕然とする人も多いはずだ。

あなたが男性で、女性をターゲットにしたサービスや商品のマーケティングを行う責任者であったとしよう。女性への理解なしにあなたの事業が成功することはないが、奥さんや彼女の気持ちすら分からないのに女性への理解など一体どうすればよいのか。そんなときこそ本書を読むべきだ。本書に記された、キッチン、トイレ、風呂、小売、スポーツジム、リフォーム、ホテル、アパレル、SNSといったシーンごとの「女性の視点」はどこから切り出して読んでも問題ない。

女性の感性に思い切って舵を切って議論した本書は、女性にとっては当たり前のことを述べているに過ぎないかもしれない。しかし、女性向けサービスであってもまだまだ男性がその事業を統括していることが多い日本では、一読の価値がある一冊なのではないだろうか。

ライター画像
大賀康史

著者

パコ・アンダーヒル
店舗や顧客行動に関するリサーチ&コンサルタント会社エンバイロセル社の創業者およびCEO。ニューヨークを拠点に世界中のあらゆる業種・形態の店舗で顧客行動を観察、そこから導き出す店づくりのノウハウは多くの一流企業で活用されており、顧客にはウォルマート、マイクロソフト、マクドナルドなどが名を連ねる。2002年よりエンバイロセルジャパンにて日本での事業を開始。著者自身は博報堂とアドバイザー契約を結び、セミナーやコンサルテーションを積極的に行っている。1999年に刊行された『なぜこの店で買ってしまうのか』は全米160万部超のベストセラーを記録して27言語に翻訳され、日本でもビジネス書の新たなスタンダードとなっている。他の著書に『なぜ人はショッピングモールが大好きなのか』(以上、早川書房刊)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    世界で今、女性の影響があらゆる分野に及んでいる。女性が文化に及ぼす影響の一例として、アメリカ人女性の70%は外で働いている。
  • 要点
    2
    男女の賃金格差とは、男性の賃金が高い、という意味を持っていたが、既に女性の方が高いという逆の意味を持つ地域が出てきている。
  • 要点
    3
    女性がサービスに求めるポイントとして顕著であるのは、①清潔であること、②調整できること、③安全であること、④思いやり、の4つである。

要約

【必読ポイント!】 女性の嗜好が与える影響力

数値でみる女性の影響力
iStock/Thinkstock

世界で今、どこでも目にすることは、女性の影響が文化にも、社会にも、経済にも及んでいるということである。女性が文化に及ぼす影響の一例として、アメリカ人女性の70%は外で働いている。

女性は高等教育でも多数を占める。アメリカとカナダでは、多くのカレッジや大学では6対4で女性が多い。今日、記録的な数の女性が工学、物理学、コンピュータサイエンス、生物学、臨床心理学を学んでいる。

女性は、ビジネスのトップ層に食い込み、医療や法律、科学、ビジネススクール、書籍の購買数にいたるまで女性のプレゼンスは拡大している。

女性は、よく売れたデトロイト産のあらゆる車種に影響を及ぼしている。ファミリータイプのミニバンから、戦車に監視機能を組み込んだようなSUVという頑丈な大型車にまで。

さらに女性は家族の社会生活の計画を立てる。学校の休みにあわせて、キャンプ・日光浴・家でのくつろぎ、などを決定するのは女性なのだ。

そして、女性への配慮がカギと明確に言えることとして、女性は口コミを広めるのがとてもうまい、という点に留意すべきだろう。

男女の賃金格差の拡大

2005年、摩訶不思議な統計が飛び出した。歴史上初めて、アメリカ最大都市のいくつかで30歳以下の若い女性の稼ぎが男性を追い越したのである。例えばニューヨークの五地区の一角に住む21歳から30歳までのフルタイムで働いている女性の給与は、同じ職種で働く男性の117%という数値を示した。言い換えると、男性の3万560ドルという平均賃金に対して、女性には3万5755ドルだというのだ。アメリカ国内で最も顕著な例としては、ダラスでは女性の賃金は男性の120%という格差がついている。

女性の経済力の上昇は、世界の雇用者数に比例している。アメリカでは厳しい雇用情勢の影響もあるものの、2009年現在、25歳で就職している可能性は女性のほうが高い。女性が多く勤務している、教育やヘルスケアといった業界は景気の変動を受けにくい、といった特性も影響しているのであろう。

フィリピンでも、下層階級の女性は世界中で家政婦や子どもの世話などの仕事を見つけることができるが、十分な教育を受けていない男性は完全に取り残されている。

女性の嗜好性
iStock/Thinkstock

女性が重要視するポイントは以下4つが代表的だ。

①清潔であること

ほぼすべての女性は、瞬間的に「清潔」か「不潔」かを記憶している。自宅の部屋、小売店、試着室、レストラン、ホテル、スポーツクラブなど至る所でそのような判断がなされている。考えてみれば、清潔さは、生理用品や子育て、食べ物を買い食事を作る際にも、当然に重要な点だからであろう。

②調整できること

女性から、ずっと運転させろ、と言い張られた経験を持つ人も多いのではないだろうか。女性は道中、温度やエアコンを調整するボタンをいじっているものだ。それで適度な温度になることは絶対にないのだが。空港ターミナルからショッピングモールや映画館、売場に至るまで、目につくのは決められた設定に不満を感じる多くの女性の姿だ。女性はそれらを変えたいと願っているというよりは、選べるということを望んでいる。

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