「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール

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「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール
出版社
日本実業出版社

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出版日
2015年05月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

業界や分野を問わず、「一流」と称される人々が自然と発している、圧倒的な存在感と輝き。一般には、「オーラ」などと曖昧に表現されている。本書では、一流の人の品格の作られ方を具体的に分析し、どのような振る舞いをすれば、一流の人の「エグゼクティブ・プレゼンス(職位の高い人などに求められる品格を感じさせる雰囲気)」を身に着けられるかを、読者に指南する。

その内容は、明日からでも実践できそうなものから訓練を要するものまで、さまざまだ。「改めて言われてみればその通りだな」と感じるような、当然とされていても実行できていないことに気づかされる指摘も多く、自分の職場での日常を顧みる良いきっかけとなる。

本書によれば、「会議中は顎の角度に気を配り、姿勢良く、手はテーブルの上に出し、腕や足は組まないようにする」と、それだけで同席者に「知的で、仕事の能力が高く、オープンな印象」を与えることができるという。私は早速、勤務先の会議でこのスタイルを実践してみた。すると、不思議なことに、集中力がアップし、自分が「できるビジネスマン」であるような気さえしてきたのである。姿勢を正すだけで、ここまでモチベーションが上がるとは驚いた。同席者たちの私に対する印象も改善されたかもしれないが、その点の成否が些末なことに感じるほど、自分自身の内面的な変化が大きかったのである。

また、本書の文章は平易で無駄がなく、丁寧な「です・ます」調で書かれており、読者は、著者から直接語りかけられているようなリラックスした気分で通読できること請け合いである。

著者

丸山ゆ利絵
日本初のプレゼンスコンサルタント。アテインメンツ代表。大学卒業後、一流財界人に愛されたホテル西洋銀座、ホテルオークラ神戸および国内のエグゼクティブ向けビジネスクラブ経営会社で、会長秘書をはじめとする要職を歴任し、一流の財界人と交流をもつ。日本有数のビジネスクラブ、アークヒルズクラブ設立時に中心メンバーとして参画した後、独立。数千人の財界人との交流を通じて培った「超一流とそうでない人の違い」を分析し、一流を目指す人に求められる立ち居・振る舞いを体系化、経営幹部向けに研修・講演やコンサルティングを行なう。大手電気通信事業会社、外資系コンサルティングファーム、生命保険会社などのクライアントから絶大な信頼を集める。

本書の要点

  • 要点
    1
    一流の人は、他者に与える自分のイメージを演出する。イメージ演出の中でも、とりわけ重要なのが、姿勢と笑顔である。正しい姿勢とオープンな笑顔は、その人に堂々とした信頼できるイメージを与えてくれるのだ。
  • 要点
    2
    一流の人は、人への関心が高く、常に人を大切にする姿勢を見せる。堂々とし、リラックスしていて、丁寧かつ謙虚でありながら、へりくだったところがないのが、一流の人の特徴である。
  • 要点
    3
    「エグゼクティブ・プレゼンス」は、天才やカリスマ経営者が持つ特殊能力ではなく、後天的に身に着けられるものである。

要約

【必読ポイント!】一流の人は「イメージ」を演出する

身だしなみ、姿勢、笑顔と基本動作が「オーラ」を作る!
simonkr/iStock/Thinkstock

一流の人は、鏡の使い方からして、一般人とは異なる。多くの人は、鏡を見るときに、「見てほしい理想的な角度」でしか自分を見ない。これに対し、一流の人は、鏡を使って全方位から全身を確認する。自分からは見えにくい脇や腰、振り返った姿、シャツの襟や袖口ののぞき具合など、確認するべき箇所は無数にある。「他人から見た自分」を常に意識し、必要があれば修正を加えていくのである。「他人の目」で毎朝行う厳しい身だしなみの確認が、一流の人の洗練されたイメージを形作っている。

イメージ演出の中でも、とりわけ重要なのが、正しい姿勢である。腹筋を締め、そこからすっと自然に背筋を伸ばし、肩甲骨を意識して後ろに引っ張ると、自然に堂々とした感じになる。仕上げにアゴを少し引いて、口元を引き締める。アゴの角度も、人の印象を左右する重要なポイントである。

アゴの角度が、いかに相手に大きな印象を与えるかという具体例は、枚挙にいとまがない。たとえば、著者はある企業の人事担当者から、コンサルティングを依頼された。その企業は、採用活動で「最終選考の面接担当者が偉そうだった」という評判が書き込まれてしまって困っていたのである。役員の一人のコンサルティングを行い、著者はすぐに、学生が偉そうだと言った理由が分かったという。「アゴの角度を上げてしまう」という、初対面でやってはいけないことを、その役員はやってしまっていた。アゴを上に向けてしまうと、どうしても横柄で偉そうな印象を与えてしまうのだ。

また、姿勢と並んでイメージ演出の大きな役割を果たしているにも関わらず、効果的に使われていないのが、「笑顔」である。普段は真顔で、近寄りがたい印象の、とあるエグゼクティブは、リクエストに答えると『ありがとう』の言葉とともに、何とも言えないふわっと優しい笑顔になるというので、みんなが「この人のためにがんばろう」という雰囲気が自然と生まれたという。笑顔は普段の表情にメリハリをつけるアクセントとなるゆえ、極上の笑顔を手に入れて効果的に駆使すれば、それは大きな武器になるのである。

器の大きさは「振る舞い」で決まる

人を大切にする姿勢と、人への高い関心
Alex Bors/Hemera/Thinkstock

著者が秘書をしていた頃、お客様にお茶を差し出す際、頭を下げてくれたのは、決まって「かなり偉い方々」だったという。相手に思いやりや礼儀正しさを示すことは、示された側のやりがいや喜びを高める。そのような振る舞いが自然にできる人だからこそ、彼らは「上」に行けたのだ。

一流の人は、「相手が聴く頼み方」を心得ている。何かを頼む時は、相手の名前をきちんと呼びかけ、相手がリクエストに応じたら、「ありがとう」「助かったよ」などとお礼の言葉を述べることも忘れない。頼み方ひとつに、風格が出るのだ。部下や裏方の仕事に対して、気を配り、感謝の心を持っている。

その一方で、経営者や管理職の立場にいる人が、感謝の心を軽視すると、組織の崩壊にもつながりかねない。しかし、「部下に感謝を伝えることイコール部下に甘い顔をすること」と誤解している管理職は意外に多い。人間は、自分のことを認めてくれない態度の人には、反発するか自分からも無関心を返すかである。一流の人と同じく、きちんとした感謝の表現を振る舞いに取り入れていくことが大事なのだ。

一流の振る舞いは、名刺交換の場でも問われる。重要なのは、「正しい名刺交換のマナー」というようなレベルの話ではなく、「自分の役職や格にふさわしい態度で名刺交換ができているか」という点である。

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要約公開日 2015.08.06
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