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ひみつの教養の表紙

ひみつの教養

誰も教えてくれない仕事の基本


本書の要点

  • 小泉内閣で、政治とカネをめぐる問題が起きなかったのは、著者が閣僚候補を徹底的に調べる「身体検査」を行い、政治資金収支報告書から怪しい領収書が見つかった場合は、ただちに修正させる「クリーニング」をしていたからだ。

  • 組閣の際は、閣僚名簿の「補職辞令」から、総理大臣が本当に力を入れたいと思っている政策を探ることができる。

  • 社会通念を逸脱した行為について批判されたときは、価値観の違いだと強弁するのが一番だ。法的根拠のある違反行為を批判された場合は、広報と担当部署が書面の謝罪で済ませるのがよい。

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【必読ポイント!】 権力を握る教養

組織の落ちこぼれの正しい扱いは、どっち?

著者は、小泉純一郎内閣、安倍晋三内閣に長くいた経験から、組織を生き抜き、権力をつかむ方法を伝授する。

組織にいる限り、上司や同僚、部下を自らの意思で替えることはできない。では、組織の落ちこぼれに対しては、あえて権限を与えるのか、飼い殺しにするのか、どちらが正しい扱いだろうか。正解は前者である。明らかに能力不足の部下に大きな権限を与えて重用すると、その部下は自分に対して敬意を払うようになる。逆に、優秀な人材を重用しても、本人は自分の実力だと思うだけで、あなたに感謝しないどころか、あなたのことを軽視するおそれがある。人材登用は、敵か味方かどうかで行うのが現実的な知恵だ。

職場内の敵味方をどこで見極めるか?

Alberto Bogo/iStock/Thinkstock

自分の組織で年齢差が5歳以内の人間は、潜在的な敵なのか、もしものときの味方なのか、どちらだろうか。正解は「潜在的な敵」である。小さなことが嫉妬の対象になりえるし、人事の局面でも邪魔者になってくる。よって、水面下では蹴飛ばし合いをする覚悟が必要になる。相手にとっては自分が抹殺対象だったというのは、よくあることだからだ。

逆に、5歳以上離れた先輩や後輩は、自分の味方にしなくてはいけない。先輩なら、自分を真っ先に引き上げてくれるかもしれない。後輩なら、退職後の再就職の世話をしてくれる可能性があるので、大事に扱いたいところだ。

また、成果を上げる人事登用の秘訣は、上司と部下には正反対の性格の人間を据えることである。上司がよく喋り、よく行動する「動」のタイプなら、その直属の部下・参謀には冷静に物事を判断できる「静」のタイプを置くと、組織がうまく機能する。歴代最長の連続在任期間を誇る佐藤栄作元総理大臣は、人事の能力を組閣で発揮した。動の田中角栄、静の福田赳夫という二人をうまく配置し競わせることで、自民党の長期政権を盤石なものにしたのである。

上司が「カラスは白い」と言ったら正しい返事は?

企業の多くが、いい人材の獲得に頭を悩ませている。もし著者が入社試験をするとしたら、「上司が『カラスは白いと思う』と言ったら、どう反応するか。」という問いを就職活動生に答えさせるという。

著者の採点基準はこうだ。ニコニコ笑って受け流すは5点。「白いかもしれません」と弱い肯定をするのは5点。「カラスは真っ白」と断言できれば10点だ。著者なら「白いカラスを連れてきて、やっぱり上司の言うことは正しいと宣言する」という。ここで「カラスは黒い」と言う人は組織に向いていない。組織に理不尽はつきものだ。上司が少しおかしなことを言っても、笑って受け流さなければいけない。

どんな学生を採用するか迷ったときは、面接の場で、デタラメな人間だとわかる態度を取ってしまう学生を採るとよい。そうした学生は怒られ慣れているため、入社後に失敗してもめげないからだ。

小泉政権時代に大臣スキャンダルがなかった理由は?

Digital Vision./iStock/Thinkstock

週刊誌がスキャンダルを報道するのは、スキャンダル情報が手に入ったときではなく、相手が大臣になるなど有名になったときなのである。

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要約公開日 2015.07.30
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