ガリア戦記

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ガリア戦記
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ガリア戦記
出版社
岩波書店
定価
990円(税込)
出版日
1942年02月05日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

本書は、ローマの政治家であり武将であったカエサルがガリアを平定した戦いの記録である。そこに記されている奇跡的とも言える快進撃は、カエサルの洞察と戦略、そしてリーダーシップによって支えられており、当時の人々を熱狂させただけでなく、現代においても多くの経営者たちに愛読書として読み継がれている。カエサル自身の手による文章は名文の誉れも高く、弁論術で名高いキケローが絶賛するほどである。飾りのない簡潔な文章に始めのうちは味気なさを感じることもあるだろうが、読み進めるにつれ読者はその簡にして要を得た筆致のとりこになることだろう。

カエサルのガリア遠征は8年にわたり、原著では1年につき1巻がさかれている。本書にまとめられているのは7巻ぶんであり、戦闘の様子にとどまらず、政治的駆け引き、情報戦、当時のガリアの様子など、カエサルの目によって捉えられた状況が克明に記されている。長期間の遠征は全て順風満帆だったわけではもちろんなく、さまざまな危機がそこにはあった。しかし、カエサルはその類まれな指揮官としての能力を発揮し、ことごとく乗り切った。彼が率いた軍隊も、時には敵の影におびえ、ある時は絶望的状況に立たされたが、天才的指揮官による鼓舞に応え、何度も奮い立った。

こうして歴史に深く刻まれることになった奇跡を実現した組織と指揮官の記録は、現代においても組織を率いるリーダーや新たな道を切り拓いていく人々に多くの示唆を与えるに違いない。

著者

カエサル(紀元前100ごろ-紀元前44)
ローマの武将で政治家。紀元前60年にポンペイウス、クラッススと共に三頭政治を開始し、翌年には執政官を務める。紀元前58年にガリア遠征を始め、全ガリアを制圧する。クラッススの没後に起きた内乱をローマに戻って平定し、独裁者の地位に就くが、反乱者によって暗殺された。

本書の要点

  • 要点
    1
    当時のガリア(現在のスイス・フランス・ベルギーのあたりを指す)は多くの部族が割拠しており、制圧と反乱が繰り返されていた。なかでも血気盛んな部族、ヘルウェティー族はガリアの覇権をねらって動き出し、その挙動への対処が、カエサルの指揮するローマ軍がガリアを平定するに至る道の一歩となった。
  • 要点
    2
    ローマ軍はベルガエ人連合軍との戦いを経て、一時はガリアを平定した。しかし、紀元前52年、「ガリアの自由」を求める人々が若き有力者ウェルキンゲトリクスのもとに集い、ローマ軍と全ガリア連合軍との最後の戦いが巻き起こった。

要約

ガリア遠征のはじまり

ヘルウェティー族との戦い
©iStock/kvkirillov

クラッスス、ポンペイウスと協力し、紀元前59年には共和政ローマにおける最高位である執政官を務めたカエサルは、その任期後に総督として属州へと赴いた。ここからカエサルの全ガリア平定への戦いが始まった。

ヘルウェティー族との戦いがその幕開けだった。当時のガリアは多くの部族が割拠していたが、なかでも富裕な部族であったヘルウェティー族は武勇にも優れ、日々戦いに明け暮れていた。そして、部族の有力者オルゲトリクスは、全ガリアの王となる野心を持って領地から進出しようとしていたのである。オルゲトリクスはその進出を前にして没するが、ヘルウェティー族の勢いは止まらず、移動が始まった。

この動きがガリア、ひいてはローマの脅威になると考えたカエサルは、迅速にヘルウェティー族への対抗策を実行していった。一時、味方と思われたガリー人部族の裏切りもあり難航する場面もあったが、いざ戦闘となると、熟練した戦略と徹底的な追跡で降伏させるに至った。しかし、これは長い道のりの端緒にすぎなかった。

ゲルマーニー人におびえる兵士たち

ガリアの人々にとって、最も恐ろしく、最も危険な敵の一つは、ゲルマーニー人であった。彼らの並外れた体格と勇猛さ、そして戦の強さは周囲に知れ渡っていた。もともとは彼らはガリアの東にいたのだが、傭兵として迎え入れられたガリアにおいて、その武力を背景にいくつもの部族を蹂躙していたのである。ゲルマーニー人の王、アリオウィストゥスもガリアの一地域に定住し、もともと住んでいた部族を追い出して暴虐な支配を行なっていた。

カエサルはその状況を聞き、ガリアの人々とともにゲルマーニー人の横暴なふるまいをやめさせようと考えた。もちろん、ローマに対する危険を早めに排除するという意図もそこには含まれていた。そこでまずカエサルはゲルマーニー人の王、アリオウィストゥスに使節を送り、協議を申し入れた。しかし、これ以上の横暴をやめるようにという忠告は受け入れられず、「戦争にもまれた不屈のゲルマーニー人の武勇を思い知るがよい」という返事があり、戦いの体制をやむなく整えることになった。

カエサルはまずゲルマーニー人の進路にあった自然の要塞とも言える町に素早く陣地を作り、そこに守備隊を置いた。

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