ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
大前研一ビジネスジャーナル No.8の表紙

大前研一ビジネスジャーナル No.8

アイドルエコノミー~空いているものに隠れたビジネスチャンス~


本書の要点

  • インターネットの発達により、空いているものと、それを必要とする人を結びつけ、アービトラージで利益を得る経営戦略「アイドルエコノミー」が今後ますます重要になっていく。

  • 企業は、機械や設備、店舗、オフィス機器、人材などを世界中のクラウドから調達するという発想を持ち、社内で使っていないものを活かす方法を考え出す必要がある。

  • 選択と集中、クラスター化、高付加価値化、ハイテク化を進め、クオリティ型農業国へと進化を遂げたオランダの農業から、日本が学ぶべき点がたくさんある。

1 / 2

【必読ポイント!】 空いているものに隠れているビジネスチャンス

新しい戦略「アイドルエコノミー」

大前氏は、経営に関する新たなキーワードとして「アイドルエコノミー」という考え方を提示している。

先進国ではものが溢れかえっている一方、その操業度が不足している。例えば日本では、空き家率は13.5%にも及び、この割合は増え続けている。こうした背景のもと、インターネットの発達により、空いているものと、それを必要とする人を結びつけ、アービトラージ(サヤ取り売買)で利益を得る経営戦略、名づけて「アイドルエコノミー」が今後活況を呈していくとされている。

シェアハウスなどのシェアモデルからさらに進化したアイドルエコノミーでは、自分でリソースを所有する必要がなく、固定費を抱え込まなくて済む。これまではメーカーが製造し、販売会社や代理店を通じて販売していた。しかし、今後はインターネットが代理店の役割を果たすようになる。

本章では、様々な業界の秩序を破壊していくプレイヤーを紹介していく。

ホテル業界に衝撃をもたらした「Airbnb」

dancestrokes/iStock/Thinkstock

アイドルエコノミーの代表格は、個人の空き部屋の貸し借りをネットで仲介する「Airbnb」である。Airbnbのビジネスモデルは、空き部屋を提供するホストと、宿泊で利用するゲストをつなぐことで、双方から手数料を得るというものだ。ゲストは実名やメールアドレスにより本人確認が義務づけられており、宿泊後は互いの態度を評価し合うという安心感から、ユーザーの支持を集めている。今や、個人の空き部屋がホテルの競争相手と化した。

日本にも、ビルの軒先や貸店舗などの「ちょっとしたスペース」を短期間貸し借りできる「軒先ビジネス」というマッチングサービスが存在する。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3251/3980文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2016.04.04
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

大前研一ビジネスジャーナル No.7
大前研一ビジネスジャーナル No.7
大前研一(監修)good.book編集部(編)
企業家としての国家
企業家としての国家
マリアナ・マッツカート大村昭人(訳)
中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男
中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男
陳潤永井麻生子(訳)
ヒップな生活革命
ヒップな生活革命
佐久間裕美子
会社を立て直す仕事
会社を立て直す仕事
小森哲郎
安倍官邸vs.習近平  激化する日中外交戦争
安倍官邸vs.習近平 激化する日中外交戦争
読売新聞政治部
大前研一ビジネスジャーナル No.2
大前研一ビジネスジャーナル No.2
大前研一(監修)good.book編集部(編)
大前研一ビジネスジャーナル No.10
大前研一ビジネスジャーナル No.10
大前研一(監修)good.book編集部(編)

同じカテゴリーの要約

SHIFT解剖
SHIFT解剖
飯山辰之介
本が生まれるいちばん側で
本が生まれるいちばん側で
藤原印刷
非常識な「ハイブリッド仕事論」
非常識な「ハイブリッド仕事論」
文化放送 浜カフェ(著)入山章栄(編)
ユニクロ
ユニクロ
杉本貴司
ケーキの切れない非行少年たち
ケーキの切れない非行少年たち
宮口幸治
AIエージェント革命
AIエージェント革命
シグマクシス
愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと キャラクターは会社を変えられるか?
愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと キャラクターは会社を変えられるか?
ハヤシユタカ
トヨタの会議は30分
トヨタの会議は30分
山本大平
シン・ニホン
シン・ニホン
安宅和人
2025年を制覇する破壊的企業
2025年を制覇する破壊的企業
山本康正