大前研一ビジネスジャーナル No.7
バルト三国・ベラルーシの研究~今、日本が学ぶべき“小国家戦略”~

未 読
大前研一ビジネスジャーナル No.7
ジャンル
著者
大前研一(監修) good.book編集部(編)
出版社
定価
1,620円
出版日
2015年10月23日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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大前研一ビジネスジャーナル No.7
バルト三国・ベラルーシの研究~今、日本が学ぶべき“小国家戦略”~
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大前研一(監修) good.book編集部(編)
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定価
1,620円
出版日
2015年10月23日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
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レビュー

エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国とベラルーシ。旅行先としてもそれほど馴染みがなく、身近な国とはまだあまり言えないかもしれない。しかし各国のことを知るにつれ、国家運営において卓越した点があり、これからの日本が学ぶべきことが多く存在する国だとわかるだろう。

ソ連から独立後、長らく厳しい時代を過ごしてきたバルト三国は、不遇の時代を乗り越え、自由主義経済への移行やEUへの加盟、産業の発展など、国家としてめざましい成長を遂げている。人口も面積も日本より小さいながらも大きく成長している背景には、自国の強みをしっかりと認識し、その強みに注力する賢い国家戦略があった。人口が少ないことがデメリットになりにくいIT産業やバイオテクノロジー産業を主軸に据え、各国の中継地点となる不凍港や鉄道網といった地の利など、その自国の特徴を活かした戦略が成功をおさめている。

また、ロシアとの政治的問題がビジネス上のリスクとなる可能性があるが、バルト三国・ベラルーシともにうまく立ち回っている。

バルト三国やベラルーシの経済動向や産業政策、外交戦略を知ることは、これからの日本が直面するさまざまな課題を考える際に大いに役立つだろう。また、本書で取り上げられている「四カ国視察レポート」には、大前氏ならではの鋭い洞察が随所に盛り込まれている。「賢い小国家」として日本が生き残る道を探るための格好の教科書として、本書を最大限活用してほしい。

著者

大前 研一(おおまえ・けんいち)
1943年、福岡県若松市(現北九州市若松区)生まれ。早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。経営コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニー日本社長、本社ディレクター、常務会メンバー、アジア太平洋地区会長等を歴任。94年退社。96~97年スタンフォード大学客員教授。97年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院公共政策学部教授に就任。 現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長。オーストラリアのボンド大学の評議員(Trustee)兼教授。 また、起業家育成の第一人者として、05年4月にビジネス・ブレークスルー大学大学院を設立、学長に就任。2010年4月にはビジネス・ブレークスルー大学が開学、学長に就任。02年9月に中国遼寧省および天津市の経済顧問に、また10年には重慶の経済顧問に就任。04年3月、韓国・梨花大学国際大学院名誉教授に就任。『新・国富論』、『新・大前研一レポート』等の著作で一貫して日本の改革を訴え続ける。『原発再稼働「最後の条件」』(小学館)、『洞察力の原点』(日経BP社)、『日本復興計画』(文藝春秋)、『「一生食べていける力」がつく大前家の子育て』(PHP研究所)、『稼ぐ力』(小学館)、『日本の論点』(プレジデント社)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国やベラルーシは、小国ながらも特定の産業に力を入れて発展を遂げ、周辺の大国とうまく渡り合っている。この四カ国のあり方から、日本が参考にすべきポイントが多くある。
  • 要点
    2
    特にIT関連産業の発展にはめざましいものがあり、エストニアの電子政府や国民IDカードの進展のしかたやサイバー防衛を、日本も学ぶべきだ。
  • 要点
    3
    四カ国は、ロシアや欧州への貿易中継地点、物流の拠点としても大きな可能性を秘めており、日本にもビジネス参入の機会があるといえる。

要約

なぜ今、バルト三国を学ぶのか?

バルト三国の現状

ソ連の崩壊により独立した国々の中でも、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国は、それぞれ小国家ながらも強みを活かし、質の高い国家運営をしている。エストニアはとりわけICT分野に強く、世界に先駆けて電子政府のモデルを作り上げている。また、ラトビアはロシアとの関係をうまく築きながら物流の拠点として栄えており、リトアニアは経済回復を遂げて債務の少ない運営を行っている。

どの国も独立当初から順風満帆だったわけではない。一時は貧困に苦しんでいたが、苦難の時代を乗り越えて現在に至る。現在でも、ロシアが侵攻してくる可能性はゼロではない。そんな状況下で、エストニアは、たとえ再び国が占領されても国民としての団結を保つために、ICT化を急速に進め、バーチャル国家の運営を継続しようとしている。

本書では、「強い小国家」の運営に成功しているバルト三国から、日本が参考にすべき点を紹介していく。

日本のエンジニアの未来

世界のエンジニアの市場を見ると、日本のエンジニアの人件費も低額化を免れないだろう。世界中をつなぐサイバープラットフォームが構築されたことにより、安くて優秀なエンジニアを海外から集められるようになったからだ。

そこで、企業とエンジニアの間に入ってIT分野の代理店のような役割を果たす「サイバーコンシェルジュ」としての活路を見出すなど、生き残る新たな方法を見出す必要がある。今、世界で何が起きているのかを知り、どこに需要があるのか見極めることが大切なのだ。

【必読ポイント!】 バルト三国・ベラルーシの小国家戦略

歴史的背景を紐解く
mihtiander/iStock/Thinkstock

バルト三国とベラルーシは、欧州連合(EU)とロシアに挟まれる位置にあり、周辺諸国からの侵略や支配を何度も受けてきたという歴史的経緯がある。1940~90年代にかけてソ連に併合・編入されていた際はITや流通を担当していたため、1991年に独立した後もそれらを強みとして発展している。

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グローバル 政治・経済
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2015年10月23日
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