個を動かす
新浪剛史、ローソン作り直しの10年

未 読
個を動かす
ジャンル
著者
池田信太朗
出版社
日経BP社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2012年12月17日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
この要約を友達にオススメする
個を動かす
個を動かす
新浪剛史、ローソン作り直しの10年
著者
池田信太朗
未 読
書籍情報を見る
ジャンル
出版社
日経BP社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2012年12月17日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
本の購入はこちら
レビュー

あなたはローソン社長・新浪剛史について、どこまで知っているだろうか。

新浪氏と個人的な知り合いならばともかく、メディアでしか新浪氏を見たことがないという方は、彼の人となりや経営スタイルについて恐らく誤解をしている。本書の冒頭に新浪氏はこう述べた、「申し訳ないけどメディアを使わせていただいていたところがあるね」と。そう、ゲリラ戦は敵にその正体や戦術を知られてはいけないのだ。

本書はローソン社長である新浪剛史氏が初めて語った「ローソン再生」の物語である。親会社の都合に振り回され、セブンイレブンという強大すぎる壁にぶち当たり、新浪氏が社長に就任した際、社員の間には諦めの感情が漂っていた。しかし、新浪改革の10年間を通じて、ローソンは独自の強みを発揮し、徐々に体力をつけることに成功している。これまでメディアが報じたのはそのなかで「エリート商社マン」「ハーバード大学MBAホルダー」といった分かりやすい常套句に加え、目新しい奇抜な取組みについてのみであった。しかし、本書を手に取れば、そうした「上っ面」に埋もれた確固たる戦略と新浪氏の強靭なリーダーシップを感じることが出来るだろう。

勝者総取りと言われる世界で、セブンイレブンという日本式コンビニ業態の創造主に対して、如何にローソンはゲリラ戦を挑んできたか。「ローソン再生」の舞台裏がついに明かされた。

苅田明史

著者

『日経ビジネス』記者。ビジネス情報誌『日経ネットブレーン』、中小企業向けIT情報誌『日経IT21』、『日経アドバンテージ』、定年退職者向けライフスタイル誌『日経マスターズ』の編集・記者などを経て、2006年から『日経ビジネス』で小売業界を中心に取材、執筆。2011年12月に『日経ビジネスDigital』の立ち上げを担当し、2012年1月から編集長。2012年9月から香港支局特派員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

本書の要点

  • 要点
    1
    新浪氏が社長に就任した時、社員は親会社の都合でローソンが振り回されてきた経緯から、経営に対する不信感が大きく、期待よりも諦めや反発の気持ちが強かった。
  • 要点
    2
    就任後にまず手掛けたのは、コンビニの主力商品である「おにぎり」の商品開発。商品部を外し、先入観なしで挑んだこのプロジェクトの成功によって、組織は競合に対する「自信」と、経営に対する「信頼」を取り戻し始めた。
  • 要点
    3
    新浪改革ではセブンイレブンの「中央集権」と異なる「地方分権」を推進した。乏しいリソースを組み替えて、やり繰りして、勝てるポートフォリオに変える、つまり弱みを強みに転じるという点が新浪経営の最大の面白さの一つである。

要約

新浪剛史、ローソン社長就任

iStock/Thinkstock
経営に対する不信感

2002年6月、社長として最初に臨んだ朝礼で、新浪は緊張の面持ちで自分を見つめる社員たちに向かって言った。

「ぜひ、どのチェーンにも負けないような、うまいおにぎりを作りたい」

白けた空気が場を包む。古参社員たちの中には、筆頭株主・三菱商事から送り込まれてきた新社長の発言に失笑する者もいた。小売りについて何も知らないハーバード大学MBAホルダーのエリートが気まぐれを言っているに違いないと。

新浪もまた語りかけながら「手応え」のなさを感じていた。

「あなたはエリート商社マン。欲しいのは、ローソンを変革したという『実績』でしょう。短期的に、ローソンが良くなったように見せればそれでミッションは完了。僕たちがその先どうなろうと知ったことではないはずだ」と。

社内を覆っていたのは、社員たちの、経営に対する不信感だった。その背景にあるのは、これまでローソンが歩んできた経緯にほかならない。

iStock/Thinkstock
迷走する経営と上場の「傷跡」

社長就任から遡ること二年強、三菱商事の社員だった新浪は、ダイエー創業者の中内功から驚くべき提案を切り出された。「ローソンの株の一部を、三菱商事に持ってもらいたい」苦境にあるダイエーにとって、コンビニ事業を担うローソンはまさに「虎の子」の優良子会社。二兆円を超えるまでに膨れ上がった有利子負債を削減するために、売却交渉を進めていたのだ。

当時業界内でローソン株の売却先として有力視されていたのは、同じ総合商社でダイエーと関係の深い丸紅。三菱商事と丸紅のローソン争奪戦を三菱商事が制したのは、この争奪戦は、商社側から見た「商社の川下(小売り)展開」という文脈の「買収劇」というよりも、むしろ現実には、一刻も早く有利子負債を圧縮したいダイエー――裏を返せば、多額の債権を少しでも回収したい金融機関――主導で進められた「売却劇」の色彩が強かったからだ。三菱商事と組んだ方が、株価が高くつく。ダイエーがローソン株を三菱商事に売却すると発表したその日、ムーディーズがダイエーの長期債格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げたことからも、その狙いはまずは当たった、と言えるだろう。

しかし、その後のシナリオは市場の動静にかき回されて狂っていく。1999年当時、株式市場では「コンビニはEC(電子商取引)の商品受取拠点などとして活用できる」とコンビニECの可能性が高く評価されていたが、

要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
「本の要約サイト flier(フライヤー)」は、多忙なビジネスパーソンが本の内容を効率的につかむことで、ビジネスに役立つ知識・教養を身につけ、スキルアップに繋げることができます。具体的には、新規事業のアイデア、営業訪問時のトークネタ、ビジネストレンドや業界情報の把握、リーダーシップ・コーチングなどです。
この要約を友達にオススメする
個を動かす
個を動かす
新浪剛史、ローソン作り直しの10年
著者
池田信太朗
未 読
書籍情報を見る
ジャンル
出版社
日経BP社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2012年12月17日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
本の購入はこちら
この要約を友達にオススメする
個を動かす
未 読
個を動かす
ジャンル
リーダーシップ・マネジメント 経営戦略 産業・業界
著者
池田信太朗
出版社
日経BP社
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2012年12月17日
本の購入はこちら

related summaries
一緒に読まれている要約

コカ・コーラ
コカ・コーラ
ネビル・イズデル デイビッド・ビーズリー 関美和(訳)
未 読
リンク
それでもあきらめない
それでもあきらめない
林英恵
未 読
リンク
クロネコの恩返し
クロネコの恩返し
日経BPビジョナリー経営研究所
未 読
リンク
販促手法の基本
販促手法の基本
岩本俊幸
未 読
リンク
ソーシャル・ビジネス革命
ソーシャル・ビジネス革命
ムハマド・ユヌス 岡田昌治(監修) 千葉敏生(訳)
未 読
リンク
荘司雅彦の法的仮説力養成講座
荘司雅彦の法的仮説力養成講座
荘司雅彦
未 読
リンク
経営者とは
経営者とは
日経トップリーダー編
未 読
リンク
未来のスケッチ
未来のスケッチ
遠藤功
未 読
リンク

weekly ranking
今週の要約ランキング

1
SELFISH(セルフィッシュ)
SELFISH(セルフィッシュ)
トマス・J・レナード
未 読
リンク
2
アート思考
アート思考
秋元雄史
未 読
リンク
3
記録の力
記録の力
メンタリストDaiGo
未 読
リンク

Recommendations
イチオシの本

フライヤー編集部が選ぶ、2019年最高の一冊!
フライヤー編集部が選ぶ、2019年最高の一冊!
2020.01.22 update
リンク
『僕たちはヒーローになれなかった。』
『僕たちはヒーローになれなかった。』
2020.01.21 update
リンク
今年こそやってみたいこと、ありませんか?
今年こそやってみたいこと、ありませんか?
2020.01.20 update
リンク
資料に残されなかった歴史を知る『ハーメルンの笛吹き男』
【書店員のイチオシ】 資料に残されなかった歴史を知る『ハーメルンの笛吹き男』
2020.01.17 update
リンク

Interview
インタビュー

落合陽一氏が語る、「2030年の世界」はどこに向かうのか?
落合陽一氏が語る、「2030年の世界」はどこに向かうのか?
2020.01.10 update
リンク
35歳医師は、なぜ、カンボジアの僻地で病院建設に挑んだのか?
35歳医師は、なぜ、カンボジアの僻地で病院建設に挑んだのか?
2019.12.23 update
リンク
「分断」が続く世界を救う「偉大なリーダー」とは?
「分断」が続く世界を救う「偉大なリーダー」とは?
2019.12.17 update
リンク
会社に「空気読みすぎ」の若者が増えてしまった理由
会社に「空気読みすぎ」の若者が増えてしまった理由
2019.12.10 update
リンク
1
SELFISH(セルフィッシュ)
SELFISH(セルフィッシュ)
トマス・J・レナード
未 読
リンク
2
アート思考
アート思考
秋元雄史
未 読
リンク
3
記録の力
記録の力
メンタリストDaiGo
未 読
リンク
夏の疲れ解消に効く! 健康を取り戻すための5冊
夏の疲れ解消に効く! 健康を取り戻すための5冊
2018.08.15 update
リンク
「勝ち」はゴールではない。「勝ち続ける」企業をつくる条件とは?
「勝ち」はゴールではない。「勝ち続ける」企業をつくる条件とは?
2016.02.04 update
リンク