人事の超プロが明かす評価基準
「できる人」と「認められる人」はどこが違うのか

未 読
人事の超プロが明かす評価基準
ジャンル
著者
西尾太
出版社
三笠書房
定価
1,404円
出版日
2015年11月18日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
本の購入はこちら
この要約を友達にオススメする
レビュー

「人事評価」という言葉に、ネガティブなイメージを抱く人は少なくないだろう。日頃の仕事への姿勢が上司にどのように映っているのか、上司が自分自身に求めるスキルや行動が何なのか、その期待に応えられているのか。これらの不明瞭さが評価への不信感につながることも少なくない。

さまざまな企業の人事制度構築に関わってきた著者は、企業規模の大小を問わず、会社が社員に求めていること(評価基準)がほぼ同じであると気づいた。人事制度として「見える化」されていない場合でも、その評価基準は普遍的なものだという。本書では、企業が社員に求めていることを網羅した普遍的な評価基準を「45のコンピテンシー」として紹介している。新人・一人前・チーフ・課長・部長・役員の6段階に分け、それぞれに求められる評価基準が記載されており、それらはハイパフォーマーに特徴的な考え方や行動でもある。これまで人事評価に疑問を感じた経験がある人も、この評価基準を知ることにより、何が足りなかったのかについて「気付き」を得られるだろう。また、目標とするポジションがある人は、そのポジションへ至るまでの道筋が見えてくるに違いない。その気づきを日々の行動にどう落とし込むのか、数々のヒントが記されているのも、本書の魅力だ。

評価に納得できていない「評価される側」の人も、自信を持って評価を下せていない「評価する側」の人も、組織と自分の関係を見直すために本書をぜひ読んでいただきたい。

伊藤 友梨

著者

西尾 太(にしお ふとし)
人事コンサルタント。「人事の学校」「人事プロデューサークラブ」主宰。フォー・ノーツ株式会社代表取締役社長。
いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリエイターエージェンシー業務を行なうクリーク・アンド・リバー社にて人事・総務部長を歴任。これまで9000人超の採用、昇進面接、管理職研修、階層別研修を行う。パーソナリティとキャリア形成を可視化する適性検査「B-CAVtest」を開発し、2015年(社)日本パーソナリティ診断士協会を設立。統計学に基づいた科学的なフィードバック体制を確立する。なかでも「年収の多寡は影響力に比例する」という持論は好評を博し、転職希望者からの相談が殺到。著書に『人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。』(労務行政研究所)などがある。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。

本書の要点

  • 要点
    1
    人事評価は、真に優秀な人材を育成するためのツールである。評価基準を明確にして、社員が進むべき道を示すことにより、社員に目標達成に対する意欲が生まれ、それが業績向上につながる。
  • 要点
    2
    人事評価は、今求められている行動が取れているかどうかについて、「気づき」を得るための良い機会である。コンピテンシーが明確ならば、それは社員を褒める具体的な材料となる。
  • 要点
    3
    評価される人と評価されない人の決定的な違いとは、「影響力」の有無である。社内外の人的ネットワークを構築し、協力者を増やすことによって、自分自身の影響力を高められる。

要約

なぜあの人は「評価されるのか」「されないのか」

不明確な評価基準に「不満」が7割

2015年3月に発表された日本経済新聞社とNTTコムリサーチが共同で実施した『人事評価に関する調査』のアンケート結果によると、20代~50代の男女ビジネスパーソンで人事評価に「満足」「どちらかというと満足」と答えたのは23.0%。一方、「不満」は33.7%と、「満足」を上回った。不満の理由は大きく次の3つに分類できる。

①上司などによる主観的な評価で客観性がない。

②そもそも評価基準が不明確。評価する人によって判断が変わってしまう。

③何をしたら評価されるのかわからない。

中でも、「評価基準が不明確」という理由が7割を超えており、突出していた。

日本には421万の企業があるが、具体的な評価基準を示している会社は、わずか1割程度にすぎない。多くの会社では、人事評価の基準が曖昧であるうえに、上司の個人的な「好き嫌い」が含まれている。「評価する側」の人たちは、この現状を真摯に受け止め、危機感を抱かなくてはならない。

あらゆる企業に共通する「評価基準」がある
dinceras/iStock/Thinkstock

著者はこれまでの約25年間、300社以上の人事制度の設計・運用や採用、教育研修に携わってきた。その中で、「成長している元気のいい企業」の人事制度の根幹は、ほぼ同じであると気づいた。つまり、あらゆる企業に通用する普遍的な「評価基準」があり、これを理解することで、さまざまな業界で通用する人材になれる。

人事の専門用語に「コンピテンシー」という言葉がある。これは「成果につながる行動」や「活躍する人に特徴的な行動や考え方」を意味し、これこそが会社が社員に求めている「評価基準」そのものである。会社が求めるコンピテンシーに沿った行動を実行することが肝となる。

課長と部長に求められる条件の違い
ismagilov/iStock/Thinkstock

課長クラスや部長クラスの人は、ともにマネジメント力が求められるが、その具体的な内容はかなり異なっている。

課長クラスは、部長から与えられた組織やプロジェクトの目標達成にコミットし、メンバーのモチベーションを保ち、相互に助け合う風土をつくるといった行動が求められる。いつも高い業績をあげ、部下からの人望も厚い「エースで4番でキャプテン」という人は、課長としてなら十分合格だ。

一方で部長クラスは、課長クラスよりも難易度の高い「戦略策定」や「目標設定」が求められる。中長期的な視野に立って数年後の会社のビジョンを具体的に描き、リスクも想定したうえで、めざすべき戦略を明示できる人こそ、部長として高い評価を得られるのだ。

そのため、いくら課長としての能力が高くても、戦略策定や目標設定のコンピテンシーを達成する能力がなければ、次のステップに進めず、次第に会社が持て余す「困った人」になってしまう。このように、次のキャリアステップに向けた行動を起こさない限り、評価は下がっていき、問題社員と化すのだ。

重要なのは、年次ごとに定められた普遍的な評価基準であるコンピテンシーを理解し、それに応じた行動を取ることである。

会社はなぜ「社員に求めること」を明確にしないのか?

多くの会社は、困った社員に対し、その人の課題や求めるものを具体的に明示せず、伝える努力や指導もしていない。にもかかわらず、突然その社員にリストラを告げることがある。彼らが「社員に求めること」を明確にしない理由は、経営陣や人事担当者、または直属の上司に「いい人でありたい」という心理が働くからである。

要約全文を読むには会員登録が必要です
「本の要約サイト flier(フライヤー)」は、多忙なビジネスパーソンが本の内容を効率的につかむことで、ビジネスに役立つ知識・教養を身につけ、スキルアップに繋げることができます。具体的には、新規事業のアイデア、営業訪問時のトークネタ、ビジネストレンドや業界情報の把握、リーダーシップ・コーチングなどです。
この要約を友達にオススメする
人事の超プロが明かす評価基準
未 読
人事の超プロが明かす評価基準
ジャンル
スキルアップ・キャリア 人事
著者
西尾太
出版社
三笠書房
定価
1,404円
出版日
2015年11月18日
本の購入はこちら

related summaries
一緒に読まれている要約

なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学
なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学
加藤洋平
未 読
リンク
戦力「内」通告
戦力「内」通告
ダン・ラスト 武藤陽生(訳)
未 読
リンク
プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える
プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える
アネット・シモンズ 池村千秋(訳)
未 読
リンク
すべての仕事は「問い」からはじまる
すべての仕事は「問い」からはじまる
大嶋祥誉
未 読
リンク
 「行動デザイン」の教科書
「行動デザイン」の教科書
博報堂行動デザイン研究所 國田圭作
未 読
リンク
新しい働き方
新しい働き方
越川慎司
未 読
リンク
毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
井ノ上陽一
未 読
リンク
トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術
トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術
原マサヒコ
未 読
リンク
1
お金2.0
お金2.0
佐藤航陽
未 読
リンク
2
モチベーション革命
モチベーション革命
尾原和啓
未 読
リンク
3
99%の日本人がわかっていない国債の真実
99%の日本人がわかっていない国債の真実
高橋洋一
未 読
リンク
AI後の未来、技術的失業の波があなたを襲う
AI後の未来、技術的失業の波があなたを襲う
2016.03.24 update
リンク
本当の意味で「クリエイティブ」になるための5冊
本当の意味で「クリエイティブ」になるための5冊
2016.07.28 update
リンク