「稼ぎ方」の教科書
なぜ彼らは、「新たな価値」を生み出すことができたのか?

未 読
「稼ぎ方」の教科書
ジャンル
著者
田原総一朗
出版社
実務教育出版 出版社ページへ
定価
1,620円
出版日
2016年09月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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「稼ぎ方」の教科書
なぜ彼らは、「新たな価値」を生み出すことができたのか?
著者
田原総一朗
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出版社
実務教育出版 出版社ページへ
定価
1,620円
出版日
2016年09月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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レビュー

各分野で第一線をひた走る若き起業家に、ジャーナリストの巨匠、田原総一朗が独自の視点で切り込む対談集が登場した。読者の「そこをもっと詳しく聞きたい」というポイントを逃さず、細部にわたって掘り下げていく模様は読者の期待を裏切らない。

本書は必ずしも「いかに稼ぐか」というテーマのみにフォーカスしているわけではなく、「新しい価値」を生み出してきた先駆者たちの生き方や、挑戦へと駆り立てる原動力を解き明かしていく内容となっている。登場する若き起業家8人は、出自や活動のフィールドがてんでバラバラであるものの、全員に共通する点が3つあるように思われた。

1つ目は「失敗を恐れず、とにかくやってみる」こと。2つ目は「自分の中にある『やりたい』という気持ちに正直に行動する」こと。そして3つ目が「ものごとを見る目が卓越している」ことである。1つ目と2つ目に関して言えば、この8人はさまざまな失敗を積み重ねた上で確固たる実績を築いている。何度失敗しようとも、自分の気持ちに素直に従って果敢に挑戦を続ける。その姿勢が、常人と彼らを分かつ一番の違いだといえる。

こうした姿勢を持つ人にさらに備わると無敵さを増すのが3つ目の力だ。ここで言う「ものごと」とは、時代の潮目や相手の出方、市場の動向などを指す。本書に登場する8人は、機を敏感に察知し、一緒に事業を進めていく仲間とうまくつながっている。時代を切り拓く勇気を得たい方にぜひともお読みいただきたい一冊だ。

和田 有紀子

著者

田原 総一朗(たはら そういちろう)
1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年にフリー。以後、テレビ、ラジオ、雑誌、ネットなど様々なメディアで活躍。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。現在、早稲田大学特命教授として大学院で講義をするほか、「大隈塾」塾頭も務め、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会などテレビ・ラジオに多数出演している。
『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)、『起業のリアル』(プレジデント社)など、多数の著書がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    面白法人カヤックのCEO柳澤 大輔氏は、社員が毎日おもしろく働ける工夫をし、「おもしろい会社」というメッセージを社内外に発信している。
  • 要点
    2
    グリーンファンで一躍有名になったバルミューダ株式会社の社長を務める寺尾 玄氏は、可能性をせばめず、真に必要とされるものを作ることにこだわりを持っている。
  • 要点
    3
    牧浦 土雅氏は、20代前半にしてルワンダでのe-Educationの立ち上げなど、世界各国で社会起業家としての実績を積んでおり、人を巻き込む力に長けている。

要約

面白法人カヤック代表取締役CEO 柳澤 大輔氏

言葉が会社の風土や社員の意識をつくる

柳澤 大輔(やなさわ だいすけ)氏は大学時代の友人2人とともにカヤックを立ち上げた。大学在学時から起業の約束をしていたというが、実際に起業したのは、大学卒業後数年が経ってからだ。三者三様の道に進んで、そこで得た経験を持ち寄る方が面白いものをつくれると思ったからだという。

カヤックの「面白法人」という言葉の狙いは何か。柳澤氏によると、言葉は会社の風土や社員の意識をつくるため、社員一人ひとりが面白法人という名称に応えていこうとするのではないかという期待が込められているという。また、カヤックでは、会社が大事にしたい風土を醸成していくために、代表取締役の1人がCBO(Chief Branding Officer)という役職を担っている。社内コミュニケーションを盛り上げて、チームワークを良くするという仕事である。こうした点からも、カヤックがいかに面白い組織をつくることに力を入れているかがわかるだろう。

「つくる脳」は訓練で手に入る
Rawpixel/iStock/Thinkstock

「つくる人を増やす」というのがカヤックの経営理念だ。創業者の3人は会社をやりたいと思って経営しているため、もちろん面白さを感じているが、社員は必ずしもそうとはかぎらない。だからこそ、社員が面白さを感じるには、一人ひとりがどれだけ会社に主体的に参画できるかが重要になってくる。社員の主体性を促すために、あらゆる情報をオープンにし、提案もいつでも歓迎している。

これにくわえて、カヤックの社員全員が夢を持って行動できている秘訣は、「つくる脳」をトレーニングで身につけていることだという。つくる脳とは、「自分がつくっているのだから」と、自分を動かしていける脳を指す。カヤックではブレインストーミングを徹底的に行うことで、批判ではなく対案を生み出せるような「つくる脳」を鍛えていく。会社で起こった問題に対して、どうやったらよくなるか、自分ならどのように解決するか。こうした点を、当事者意識を持って常に考える中で、自分のやりたいことが見つかっていくのだ。

面白い評価方法が面白い会社を支える

カヤックの社員が「楽しく働く」を体現できている背景には、「サイコロ給」や「スマイル給」といったユニークな評価方法がある。サイコロ給は、電子のサイコロを振り、出た目に応じて報酬の一部を決める評価方法である。このスタイルを始めたきっかけは、起業をした際にお金のことでもめないようにするための工夫として、人の力が及ばないサイコロを取り入れたことだという。

サイコロ給を取り入れて数年後、柳澤氏はサイコロ給が別の意味合いを持つことに気がついた。完全に運任せのサイコロを使うことは、「人の評価を気にしすぎているとおもしろく働けない」、「おもしろく働くことを重視している会社」という社内外へのメッセージにもなる。それが結果的に会社の文化をつくることになる。また、これまで失敗した事業をホームページに掲載し、失敗しても挑戦したことを評価するのも、カヤックのユニークな特徴である。

このようなさまざまな工夫が、社員が毎日行きたくなるようなおもしろく楽しい会社を支えていると言えるだろう。

バルミューダ株式会社代表取締役社長 寺尾 玄氏

素人だからできる、本当に必要とされるものづくり
ipopba/iStock/Thinkstock

「グリーンファン」という名の扇風機をご存知だろうか。シンプルで洗練されたデザインとこだわり抜かれた機能で有名なバルミューダの代表的な製品である。バルミューダ製品は見た目がシンプルなこともあり、外国のメーカーだと思われがちだが、現代表取締役社長の寺尾 玄(てらお げん)氏がゼロから立ち上げた正真正銘の日本企業である。しかも、バルミューダを創業するまでものづくり経験はゼロだという。

寺尾氏は異色の経歴の持ち主である。

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スキルアップ・キャリア 起業・イノベーション
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田原総一朗
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2016年09月10日
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