flier_logo
ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?の表紙

レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?

特許・知財の最新常識


本書の要点

  • 企業がこぞって新たなアイデアを数多く特許出願し、特許庁がインターネット上の公報を通じて全世界にアイデアを公開してきたことで、日本の技術が世界中に流出してしまった。

  • アイデアは、人に見せた瞬間に新規性を失う。競争力を長く維持するためには、自分たちの競争力の源泉となっているアイデアをむやみに外に見せないようにし、知財コミュニケーション力を身に付けることが肝要である。

  • 『伊右衛門』の成功の裏には「オープン・クローズ戦略」がある。

1 / 3

【必読ポイント!】 特許出願は「アイデアを盗んでください」と宣言するに等しい

そもそも「特許」とは何か?

まず、知的財産(知財)とは、お金を儲けるために、人間が考えたアイデア全般を指す。技術や商品デザイン、レシピなど、知財は実に多岐にわたる。つづいて、特許というのは、「特許法」という法律によって知財に与えられる権利のことである。権利が与えられることから、多くの人は特許さえ取っていれば自分のアイデアは安全だと過信しがちだ。

しかし、著者によると、特許とは「知財に着せた透明な防護服」でしかないという。防護服を着ているため、外部からの直接的な攻撃からは身を守ることができるが、透明なので中身は丸見えになってしまう。これが特許だ。

特許庁に提出する出願書類は、プロの弁理士に依頼するのが一般的である。もちろん自分で記入することも可能だ。しかし、ルールに則った作法で、かつ、先行アイデアとの違いが明確にわかるように創作的に書く必要があるので、プロに任せるのが妥当だろう。出願された書類は、特許庁の審査官という役人によって、過去に似たようなアイデアが出願されていないかどうかチェックされる。ここで類似の先行アイデアがなければ、そのまま特許が認められる。ただし、この審査だけで通常1~3年ほどかかる。

先行アイデアが見つかった場合には、出願人はアイデアの説明の仕方を変えたり反論したりすることができ、これによって先行アイデアとの違いが認められれば特許を取得できる。また、出願するとき、審査するとき、特許が認められたときそれぞれにおいて、印紙代が合計15万円~20万円ほどかかる。出願書類を弁理士に依頼する費用は30~50万円ほどになり、特許が認められた後も、特許料として毎年5~10万円を国に納める必要があるのが現状だ。

日本のアイデアは全世界にさらされている

lisa_l/iStock/Thinkstock

これだけの費用をかけて出願しても、最初の審査をクリアし、スムーズに特許が認められるのは、全体の20%以下と言われている。現実には、特許が取れないケースも多く、ほぼ半数の出願アイデアが「断念」という道を選ぶ。

さらに悪いことに、出願から1年半が経つと、特許を取得できたかどうかにかかわらず、出願されたアイデアはすべて、特許庁のホームページ上にある「公開特許公報」に掲載される決まりとなっている。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3102/4067文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2017.07.27
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

ダーク・マネー
ダーク・マネー
ジェイン・メイヤー伏見威蕃(訳)
2時間でわかる 図解オムニチャネル入門
2時間でわかる 図解オムニチャネル入門
角井亮一
バブル
バブル
永野健二
銀行はこれからどうなるのか
銀行はこれからどうなるのか
泉田良輔
「損」を恐れるから失敗する
「損」を恐れるから失敗する
和田秀樹
好奇心のチカラ
好奇心のチカラ
ブライアン・グレイザーチャールズ・ フィッシュマン府川由美恵(訳)
ヒットの崩壊
ヒットの崩壊
柴那典
本はどう読むか
本はどう読むか
清水幾太郎

同じカテゴリーの要約

AIに選ばれ、ファンに愛される。
AIに選ばれ、ファンに愛される。
佐藤尚之
freee 成長しまくる組織のつくりかた
freee 成長しまくる組織のつくりかた
川西康之
社会の価値の測り方
社会の価値の測り方
枝廣淳子
ゼロから学ぶ ビジネスと人権
ゼロから学ぶ ビジネスと人権
塚田智宏
知識創造企業エーザイ 「生き方」の経営
知識創造企業エーザイ 「生き方」の経営
奥村昭博野中郁次郎川田英樹
心理的安全性のつくりかた
心理的安全性のつくりかた
石井遼介
ユニクロ
ユニクロ
杉本貴司
ビジネスモデル3.0図鑑
ビジネスモデル3.0図鑑
近藤哲朗
ストーリーとしての競争戦略
ストーリーとしての競争戦略
楠木建
地頭力を鍛える
地頭力を鍛える
細谷功