銀行はこれからどうなるのか

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銀行はこれからどうなるのか
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銀行はこれからどうなるのか
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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定価
1,078円(税込)
出版日
2017年04月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

わが国の銀行は、バブルの崩壊以降は長引く不良債権処理に苦しみ、再編を繰り返しながら経営課題に取り組んできた。そして現在も、マイナス金利、地銀の再編やFinTechなどの荒波にもまれており、メガバンクといえど将来は安泰とはいえない。今後も多くの課題と向き合っていく中で、銀行はこれからどうなっていくのかについてとことん考え抜き、銀行の未来予想図を描いたのが本書である。

著者は、国内外の金融機関で長年にわたって経験を積み、現在は金融経済メディアを運営している金融のスペシャリストである。金融機関在籍時にはテクノロジーセクターの分析を担当しており、近年のFinTechの動きにも精通している。本書では、各銀行の状況分析やFinTech利用の可能性に加え、海外の銀行とも比較することで、日本の銀行の問題点や、目指すべき姿を明らかにする。

そして今や、銀行業界に関わるのは既存の銀行だけではない。アマゾン、LINE、セブンイレブンなど、異業種の企業がFinTechの波に乗ってどんどん業界に参入してきている。様々なプレーヤーがしのぎを削る中で、生き残っていくのはどんな銀行なのか、また、そのためには何が必要となるのか。一方で、どんなサービスを持つ銀行なら自分が将来使いたいと思うか。業界の人間としても、利用者の立場としても、得るものの多い読書体験となること請け合いの一冊である。

ライター画像
山下あすみ

著者

泉田 良輔
テクノロジーアナリスト。GFリサーチ合同会社 代表。株式会社ナビゲータープラットフォーム 取締役。愛媛県松山市生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、同大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了(同研究科最優秀賞を受賞)。大学卒業後、日本生命保険・国際投資部にて外国株式ポートフォリオマネージャーとしてインターネットやメディア、小売りセクターを担当。2002年から2012年までフィデリティ投信の調査部にて主にテクノロジーセクター担当の証券アナリストとして従事。2013年にGFリサーチおよびナビゲータープラットフォームを設立。ナビゲータープラットフォームでは個人投資家のための金融経済メディアLongin(ロンジン)を立ち上げ、同編集長に就任。また株1(カブワン)や投信1(トウシンワン)で監修および運営に携わる。著書『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)、『Google vs トヨタ』(KADOKAWA)や、日経BizGateでの連載「泉田良輔の新・日本産業鳥瞰図」など多方面で分析や執筆を行う。東京工業大学大学院非常勤講師。

本書の要点

  • 要点
    1
    FinTechは個人の預金の行方に大きく影響するため、銀行は変化を迫られるだろう。未来の銀行は、モバイル型、プライベートバンク型、投資銀行型、クラウド型の4つのタイプに分かれると考えられる。
  • 要点
    2
    今後の銀行の存在意義は、その本来的な役割である、投資機会の「目利き」にある。その価値を発揮できなければ生き残りは難しいだろう。
  • 要点
    3
    海外の主要な銀行や、金融業界に進出してきているテクノロジー企業、小売企業の取り組みなどに目を向けることにより、今後銀行が目指すべき方向が見えてくる。

要約

【必読ポイント!】 私たちと銀行の関係はどう変わるのか

私たちと銀行の接点

私たちは、銀行と、どんなかたちでつながっているだろう。個人であれば、給与口座やカードの引き落とし口座の指定、住宅ローンの借入、法人であれば融資や資金繰りの相談などが主な関わりといえそうである。

そもそも本来の銀行の役割を大きく分けると、借り手と貸し手の仲介をする「金融仲介機能」、預金がさらなる預金を生み出す「信用創造機能」、現金を使わずに直接決済ができる「決済機能」の3つがある。このうち個人や法人が関心を持っているのは「決済機能」と「金融仲介機能」の一部だけだろう。利用者が望んでいるのは、スムーズかつ費用負担の少ない決済や、借りたいときに機動的に借りられるといったことであり、テクノロジーの活用によりそれが実現されつつある。

FinTechの登場
juststock/iStock/Thinkstock

Finance とTechnology をかけ合わせたFinTechという言葉が普及したのは、次の3つの背景があったからだといえる。

まず初めに、世界中が低金利であることだ。利回りが確保できる金融商品が少なくなる中、伝統的な金融機関が取り扱えないニッチな市場をテクノロジーで掘り起こすという動きが加速した。

2つ目の理由は、グローバルな低成長・低金利の中、物価が安定していることだ。そうした環境では、プリペイドや電子マネーで預けたお金の価値が損なわれることはないので、利用者は安心して、こうした「デジタル・ウォレット」を使える。

3つ目は人材的な背景がある。リーマンショック後の人員削減や、人工知能による業務の自動化が進んだことにより、金融機関から多くの人材が放出された。彼らの事業アイデアや起業マインドは、FinTechを後押しした。

著者は、FinTechで注目すべきは預金の行方であり、利用者が「銀行口座と連動させて、より便利に決済できるか」ということがポイントだという。預金は銀行にとってビジネスの起点であるので、お得で便利な決済サービスに個人の預金が流出することは致命的である。

銀行の未来の4つの姿
Purestock/Thinkstock

テクノロジーによって、機械が得意な作業と人間が得意な領域が分かれると、銀行はどのような姿に変わっていくのだろう。利用者が個人か法人か、多くの人が参加できるプラットフォームかカスタマイズが必要かによって区分された4つのタイプを、著者は提示する。

1つ目はモバイル型。個人がモバイル端末で決済・資産形成・借入を完結できるサービスを提供するプラットフォームだ。日常の決済に対応し、個人にお得感が出せるかどうかがカギになる。

2つ目は、プライベートバンク型。富裕層に資産運用アドバイスを行う。そのためには金融商品の内容や税務に詳しい人材の確保がカギとなる。

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