富裕層のNo.1投資戦略

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富裕層のNo.1投資戦略
出版社
総合法令出版

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出版日
2017年03月07日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

近年の我が国では多くの人が資産運用に興味を持っており、様々な投資手法が選ばれているが、外国と比べてみると我が国の投資リテラシーはまだ低く、先進国の中では最低レベルである。大多数の人は退職金や相続などでまとまった現金を手にしても、銀行や証券会社に勧められるがままに投資信託を購入し、たくさんの販売手数料を取られ、ときには損失まで発生させている。人任せの資産運用を避け、適切に資産を形成するためには、正しい知識を身につける必要がある。しかし、誰もが資産運用に失敗しているわけではない。本書では純金融資産が1億円以上の人々を「富裕層」と定義しているが、富裕層の人々の多くは投資リテラシーが高く、一般の人と違った投資対象に興味を持っている。そのひとつが「ヘッジファンド」である。

本書は「富裕層」「ヘッジファンド」をキーワードとし、世界の投資の最先端では何が起こっているのか、お金を増やして資産を形成するにはどのような戦略を立てればいいのかについて解説した指南書である。本書を読めばヘッジファンドの特性について詳しく理解することができるだろう。

お金がお金を呼び、富裕層のところにはさらに富が集まる。そんな構図を目の当たりにしたとき、私たちは何を考えるだろうか。個人として合理的な思考力を持つ、自立した投資家をめざすのであれば、富裕層が何を考え、どんな情報にアクセスしているのかを知ることで、まずは情報面で一歩富裕層に近づくことができる。本書はその一歩を踏み出すためのきっかけとなる一冊だ。

ライター画像
山下あすみ

著者

髙岡 壮一郎
1999年東京大学卒業後、三井物産株式会社に入社、海外投資審査、情報産業部門における新規事業立ち上げやM&Aに従事。2005年、あゆみトラスト グループ(旧アブラハム グループ)を起業、ヘッジファンドダイレクト株式会社等のグループ各社の代表取締役社長に就任し、フィンテック領域にて富裕層向け金融事業・メディア事業を行う。
・世界10万本以上のファンドデータベースから独自アルゴリズムで最適なファンドを選別、中立的な立場から投資家に助言を行うフィンテック企業ヘッジファンドダイレクト株式会社は、投資助言契約額累計895億円以上(2016年12月末現在)の実績を有し、海外ファンドを専門とする個人投資家向け投資助言会社として業界最大手。
・純金融資産1億円以上の富裕層限定オンライン・プライベートクラブ「YUCASEE(ゆかし)」は会員資産1兆円以上で国内最大規模。
・富裕層向けオンラインメディア「ゆかしメディア」は月間100万アクセス以上で国内最大級。
・同グループ子会社として証券会社を香港に設立する等、グローバル金融に関する豊富な知見を有すると共に、「金融×IT」のフィンテック領域にて18年の経験を有する。「ロイター・ウェルスマネジメント・サミット」「日経BP金融ITイノベーションフォーラム」に登壇。
・著書に『富裕層はなぜ、YUCASEE(ゆかし)に入るのか』(幻冬舎)

本書の要点

  • 要点
    1
    日本の個人投資家の7割以上は損をしている。日本人は資産運用について学びたいという知識欲が弱く、金融リテラシーが外国に比べて低い。
  • 要点
    2
    自分の腕に自信があるなら自己流で投資をすればいいが、多くの人にとってそれは勝ち目の少ない戦いだ。優れたヘッジファンドに任せることが有力な選択肢である。
  • 要点
    3
    投資において、リスクとリターンの関係を精査する必要がある。過去の実績からヘッジファンドはリスクに対するリターンが高い投資方法となっており、投資先の有力な選択肢として考慮しても良いだろう。

要約

なぜ個人投資家の7割が損をしているのか

日本は南アフリカ以下の資産運用後進国
shironosov/iStock/Thinkstock

日本の個人投資家で「通算」で儲かっているのは全体の2割ほどで、7割以上の投資家は損をしている。そして、その損失額は平均で525万円、ベンツ1台分に相当する。投資信託に投資をした場合の平均損失率は30%だという調査結果もある。なぜ日本人は損をしてしまうのだろうか。

米モーニングスターが世界25カ国の投信市場を評価したレポートによると、日本は下から2番目で、南アフリカよりも下である。日本の投信業界で問題視されているのは、運用報告書にファンドマネジャーの名前や実績が非開示であることで、これは会社の肩書きしかないサラリーマン型のファンドマネジャーが多いことを意味している。また、そもそも日本で販売されている投信で「過去10年以上年率10%以上」の運用成績をあげたファンドはないため、積極的に実績を開示しないことが多いと推察される。

個人投資家の投資リテラシーは先進国で下位

米国の格付け会社であるS&Pの調査によると、日本の金融リテラシーはG7の中で6位、世界では38位である。特に「インフレ」や「複利」に関する理解度が低い。金融庁によるアンケート調査では、投資未経験者の83%が「投資を必要としない」と回答している。日本人はそもそも資産運用について学びたいという知識欲がないのである。これらを踏まえ、個人投資家が勘違いしがちなことや、どうすれば適切な投資ができるのかについて整理していきたい。

投資家のスタイルに関する考察

国際分散投資が安全とは限らない

一般的な投資指南として、マスコミに出る評論家や、個人投資家向けの教科書では「国際分散投資」を第一に勧められる。日本や世界の株・債券等を組み合わせ、リスクを分散させよう、その際には低コストのETFを使おう、という具合だ。それ以外に選択肢のない一般的な投資家はそれでもいいだろう。だが、まとまった資金を持つ富裕層がリターンの最大化を狙うのであればそれだけでは不安だ。リーマン・ショックのような世界的な金融危機が起こると、株式・不動産など多くの資産が暴落してしまい、分散投資理論は当てはまらなくなる。

個別銘柄の選別よりもアセットクラスの選別

過去の研究によれば、運用成果の90%を決めるのは個別銘柄ではなく、資産配分、アセット・アロケーションである。値上がりする銘柄を必死になって探したところで、資産に与える影響は5%ほどだ。

では、どのように資産を配分すればいいのだろうか。

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要約公開日 2017.09.17
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