朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくるの表紙

朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる


本書の要点

  • コーヒーとビールは正しい飲み方を守れば、自律神経のバランスを整えて、仕事のパフォーマンスを高めるのに大いに役立つ。

  • コーヒーは、体内のコルチゾールの分泌を邪魔しない時間帯に飲むようにすると、覚醒効果が得られる。

  • ビールには代謝を高める働きがあるため、食事と上手く組み合わせれば、ダイエット効果が期待できる。

  • コーヒーとビールの効果を得るには、十分な水分補給が大前提となる。

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飲み物に秘められたパワー

一流は「飲むこと」にこだわる

1日の中で、人は必ず飲み物を口にする。しかし、飲み物に秘められた本来のパワーを理解している人は少ない。飲み物は水分補給、あるいは補助的な存在として捉えられがちだからだ。そこでまずは、飲み物が体内に吸収されるスピードを理解したい。飲み物は、食べ物と比べると約50倍もの速さで消化吸収が行われる。具体的には、食べ物が胃で4時間もかけて消化されるのに対し、飲み物にかかる時間はたったの5分程度だ。さらに飲み物の場合、その栄養分は小腸だけでなく胃からも吸収される。つまり、口にしてからわずか数分で栄養が全身を駆け巡るということだ。この利点を活用しない手はない。もちろん、バランスのよい食事を摂ることは大切である。そのうえで、飲み物を上手に摂取することによって、多忙なビジネスパーソンでも心と体の健康を維持し、ひいては仕事のパフォーマンスや生産性を上げられる。必要なのは、飲み物に秘められたパワーを知ること、そして飲み物を効果的に取り入れる技だけだ。

なぜコーヒーとビールが効果的なのか?

a_crotty/iStock/Thinkstock

コーヒーとビールが仕事のパフォーマンスを高める理由は、これらが自律神経を整えてくれるからだ。自律神経は生命維持に欠かせないものである。情緒不安定、イライラ、集中力低下、疲労感、寝不足感。これらの症状はすべて自律神経の乱れによって引き起こされる。しかし、コーヒーとビールの飲み方次第で、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが可能となる。例えばカフェインが適度に含まれたコーヒーは、交感神経を優位に働かせる力をもつ。短期間で効率よく勉強したいなら、カフェイン濃度が高めのコーヒーを飲めば、集中力も高まる。一方、適量のビールは副交感神経を優位にし、リラックス作用を全身にもたらしてくれる。このように、両者の戦略的な飲み方を取り入れれば、仕事と人生のあらゆる問題を解決しやすくなる。

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【必読ポイント!】 コーヒーとビールの正しい常識

朝イチのコーヒーがだるさを招く

g-stockstudio/iStock/Thinkstock

毎朝、眠気覚ましにコーヒーを1杯という人は多いはずだ。しかし、この飲み方こそ身体の慢性的なだるさを引き起こし、1日のパフォーマンスを低下させる可能性が高い。これは「コルチゾール」というホルモンが深く関係している。コルチゾールは、目覚めに大きな影響を与えるホルモンである。早朝6時から分泌量が増えていき、午前8~9時にピークを迎える。その間にしっかりとコルチゾールが分泌されることで体が覚醒し、やる気も湧く。しかし、このタイミングでコーヒーを飲んでしまうと、コルチゾールの分泌が抑制されて、本来得られるはずだった覚醒効果が失われてしまう。すると、眠気が覚めない、だるさを感じるといった症状を招くことになる。

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要約公開日 2017.11.12
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