なぜあの人が話すと納得してしまうのか?

価値を生み出す「バリュークリエイト交渉術」
未読
日本語
なぜあの人が話すと納得してしまうのか?
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価値を生み出す「バリュークリエイト交渉術」
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なぜあの人が話すと納得してしまうのか?
出版社
きずな出版

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定価
1,650円(税込)
出版日
2017年04月15日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「交渉」と聞くと、スーツを着たビジネスパーソン同士が机を挟み、資料を片手に自社製品のプレゼンテーションをする――そんなイメージを思い浮かべる人も多いだろう。

もちろん、 営業の仕事をしている人にとって、交渉術を学ぶことは大いに役立つ。だが、本書の教えはそれだけに留まらない。なぜなら、ここに書かれているのは、あらゆる状況で活用可能な「コミュニケーション術」だからである。

「チラシの印刷費70%値引きに成功」、「セミナー会場を無料で使用」、「家賃が9カ月無料」、「高級ホテルのスィートに無料で宿泊」などなど。これらは著者の提唱する交渉術「バリュークリエイト交渉術」で得られた成果のほんの一例にすぎない。こうした例を見るだけでも、この交渉術が仕事だけでなく、私たちの身近な場面でも活かせることがわかるはずだ。

なによりも強調すべき点は、著者はもともと交渉の素人であり、交渉術を1から学んだということである。すなわち、きちんと学びさえすれば、誰でも交渉の技術は身につけられるということだ。

政治家や起業家、アナウンサー、セミナー講師たちに指導をおこなう著者にとって、本書は初の書籍となる。それだけに、濃い内容が詰め込まれていることはもちろん、丁寧かつ平易な表現で、読者の理解が深まるよう配慮がなされている点も付記しておこう。

ビジネスの現場のみならず、人との関係をより良くしたいと望んでいる人は、大いに期待してページを開いてほしい。

ライター画像
二村英仁

著者

大森 健巳 (おおもり たけみ)
アンソニー・ロビンズのコーチングスキル、ジェイ・エイブラハムのマーケティング理論、スチュアート・ダイヤモンドの交渉学、さらにブライアン・トレーシー、T.ハーブエッカー等のワールドクラスの講師から得た学びを駆使し、クライアントの短期業績アップに貢献する。2014年4月に幕張メッセでおこなわれた「セミナーズフェスタ2014」では、6000人の集うセミナーの進行(ファシリテーション)を務め、アンソニー・ロビンズと共にセミナーをおこない、同氏より絶賛される。同年に品川で開催された、アンソニー・ロビンズの公式プログラムである“ウェルスマスタリー”のファシリテーターを務めた唯一の日本人。また、アンソニー・ロビンズ以外にもロバート・キヨサキ(不動産投資)、ブライアン・トレーシー(販売心理学)、ジェイ・エイブラハム(マーケティング)、ジム・ロジャース(世界三大投資家)、トム・ピーターズ(マッキンゼーの巨匠)といったワールドクラスの大物講演家たちと一緒の舞台に立ち、ファシリテーションをおこなっている。
政治家をはじめ、起業家、講演家、アナウンサー、コーチ、各種トレーナー、セミナー講師等に指導をおこなう、インターナショナル・スピーカーとして活躍中。

本書の要点

  • 要点
    1
    バリュークリエイト交渉術は価値創造型の交渉術である。最重要視されるのは駆け引きではなく、交渉相手と協力的な関係を築き、共に価値を創造していくことである。
  • 要点
    2
    相手と協力的な関係を築き交渉を成功させるには、価値あるコミュニケーションにすることが大切である。そのためには交渉システムを持つことが必要だ。
  • 要点
    3
    バリュークリエイト交渉術には、交渉システムを進めるためのツールが7つある。これらを駆使することが交渉を成功へと近づけるポイントである。

要約

バリュークリエイト交渉術という思考

「価値創造型」の交渉術とは
a-poselenov/iStock/ThinkstockThinkstock

相手とともに価値を創造する交渉術、それが「バリュークリエイト交渉術」である。

バリュークリエイト交渉術を正しく理解するには、まず交渉に対する姿勢について改めて考えなければならない。一般的に「交渉」というと、いかにこちら側にとって有利な条件で商談を進めるかといったような、競争的な姿勢をイメージする人が多いだろう。

しかし、バリュークリエイト交渉術ではそもそも、WINあるいはLOSEといった思考は一切持たない。その代わりに、 相手と共に価値を創造すること、協力的な関係を築くことを最重要視する。

ある調査によると、相手と競争的な関係を築いた場合の得られる利益は50%以下に減少するが、一方で協力的な関係を築くことに成功すれば、90%以上の高い確率で利益を得られるという。

統計で見る交渉技術の差異

相手と協力的な関係を築くことに長ける交渉人と、一般的な交渉人の違いは何か。これを理解するためには、交渉中の行動を数値化した統計データを参照するべきだ。

平均的な交渉人の場合、(1)人にいらだちを与える発言は1時間当たり10.8回、(2)情報共有が交渉の全時間に占める割合は7.8%、(3)長期を見すえた発言が4%を占めるという。

一方、卓越したスキルを持っている交渉人の場合、(1)人にいらだちを与える発言は1時間あたり2.3回、(2)状況共有が交渉の全時間に占める割合は12.1%、(3)長期を見すえた発言が8.5%であった。

このことから、相手をいらだたせることなく、情報共有を積極的におこない、長期を見すえて話すことが、高いスキルを持った交渉人の話し方であるといえる。

「パイを広げる」という発想

市場における、利益や売上の取り合いを「パイの奪い合い」という。しかしこの発想は、資源に限りがあることを前提としている。

バリュークリエイト交渉術では、パイは奪い合うのではなく、広げていくものだと考えている。パイを広げるうえで重要なのが、発想の転換だ。そのためには、自分とは別の業界、仕事、会社との「異文化交流」を積極的におこなうといい。

たとえば、著者は隣国をビジネスの参考にしている。アメリカ、中国、タイなどの人々と情報共有をし、日本にまだない仕組みや流行を取り入れる。その代わりに、相手には日本の情報を提供する。そうすることで、相手と協力的な関係を築き、パイを広げているのだ。

今ある資源を活かす
jacoblund/iStock/Thinkstock

「パイを広げる」という思考さえあれば、資源はいたるところにあると気づくだろう。人にとっての「価値」は、想像以上にバラエティに富んでいる。それはかならずしもお金とは限らない。経験だったり、自分にとっては当たり前の活動だったりする。ちょっとしたアイデアや、既存顧客・場所の提供が、相手の求める価値ということもあるだろう。

一例をあげると、かつてグーグルが回線工事費用の値引きを交渉した際、工事業者が要求してきたのはグーグルからの公式な推薦状だけだった。グーグルは当然これを快諾。結果、約6億円かかるはずだった工事費用は、わずか60万円で済むことになった。

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