未来の年表

人口減少 日本でこれから起きること
未読
日本語
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人口減少 日本でこれから起きること
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出版社
定価
836円(税込)
出版日
2017年06月20日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたがもし、日本の将来に不安を抱いているのならば、本書を手にとってみていただきたい。なぜなら、これは日本でこれから起きることを「見える化」した一冊だからだ。

本書に書かれているのは、「不都合な真実」ばかりである。たとえば、東京オリンピックの年である2020年には、女性の2人に1人が50歳以上になる。39年には「深刻な火葬場不足」が起こり、40年になる頃には「自治体の半数が消滅の危機」に陥る――こうした著者の指摘はシンプルなだけに、読者の心にズバリ響く。

こうした現象が起きる最大の要因は、言うまでもなく少子高齢化に伴う人口減である。17年の時点で、日本の人口は約1億2653万人いるが、65年には約8808万人にまで減ると予想されている。

人口が減少すると、経済面と社会面の両方に大きな影響が出る。特に、人口に占めるボリュームの大きい「団塊の世代」が75歳以上になる2025年ごろには、社会保障費が膨張し、財政を圧迫するだろう。このような現象がドミノ倒しのように起これば、ひいては国家の存亡にすらつながりかねない。まさにゆゆしき事態なのである。

人口減少を、「静かなる有事」と名付けた著者の見方は鋭い。未来がどうなるかは誰にもわからないが、いますぐに行動を起こさなければ、未来に備えることはできない。そのことを強く警告する力作である。

ライター画像
毬谷実宏

著者

河合 雅司 (かわい まさし)
1963年、名古屋市生まれ。産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(専門は人口政策、社会保障政策)。中央大学卒業。内閣官房有識者会議委員、厚労省検討会委員、農水省第三者委員会委員、拓殖大学客員教授などを歴任。2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞。主な著作に『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社)、『地方消滅と東京老化』(共著、ビジネス社)、『中国人国家ニッポンの誕生』(共著、ビジネス社)、『医療百論』(共著、東京法規出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本の少子化は驚くべきスピードで進んでいる。年間出生数は100万人台の大台を割り込み、戦後のピーク時に比べると3分の1近くまで落ちた。しかし真に懸念すべきなのは、今後も出生数減少の流れが止まりそうにないことである。
  • 要点
    2
    人口の減少は、各分野に人材が輩出できないことを意味する。後継者不足に陥り、切磋琢磨の機会が失われれば、日本からイノベーションが生まれにくくなってしまう。
  • 要点
    3
    人口減は「静かなる有事」である。出生数や人口の減少が避けられないのならば、それを前提として社会をつくりあげていく必要がある。

要約

日本の人口はどんどん減ってゆく

「静かなる有事」が起きている
blew_i/iStock/Thinkstock

日本が少子高齢化社会にあることは、誰もが知る「常識」だ。だが、その実態を正確に分かっている人はどれだけいるだろうか。実際のところ、政策決定に大きな影響力を持つ政治家や官僚さえも、正確にはわかっていないのが現状である。

2015年の時点で、1億2700万人を数えた日本の総人口は、100年も経過しないうちに5000万人ほどに減ると予想されている。ここまで急激に人口が減ることは、世界を見渡しても前例がない。私たちは、きわめて特異な時代を生きているのだ。

人口が減少しても、すぐさまその影響を感じることはないかもしれない。実際、人口減少に関心をもっていない人も多い。だが、真綿で首を絞められるように、確実に日本国民1人ひとりの暮らしが蝕まれていっている――まさに、これは「静かなる有事」なのである。

1人ひとりの意識改革を

人口減少が避けられないのだとすれば、それを前提にして、社会を作り替えていくしかない。そのためには、拡大路線でやってきた従来の成功体験と決別し、「戦略的に縮む」ことを選ぶ必要がある。ただ、その過程では多くの痛みが伴うだろう。

しかし、その改革から逃げるわけにはいかない。めざすべきは、人口激減後を見据えた、コンパクトで効率的な国への作り替えである。高齢者が激増する2042年までに残された時間はちょうど25年だ。国の作り替えにかける時間としては、決して「潤沢」だとはいえない。

それでも、未曽有の人口減少時代を乗り越え、豊かな国であり続けるには、1人ひとりが発想を転換していくしかない。若い世代になればなるほど、人口減少問題を「自分たちの問題」としてとらえており、強い関心をもっている。一方、年配者の中には、「自分たちは“逃げ切り世代”だから関係ない」と決めこんで、人口減少や少子高齢問題に無関心な人も少なくない。

しかし実態を知れば、誰もが逃げ切れないという事実に気づくはずだ。少子高齢化と人口減少に、楽観論や無関心は禁物なのである。

【必読ポイント!】 人口減少カレンダー

「超・高齢者大国」へ
imtmphoto/iStock/Thinkstock

本書は、2017年から2115年までの間に、日本で何が起こるかを時代順に示している。ここではそのなかから、2065年頃までの出来事をピックアップしてご紹介する。

まず、18年になると、国立大学が倒産の危機に陥り、21年には介護離職が大量発生する。24年には戦後のベビーブーマーである団塊世代が全員75歳以上となり、3人に1人が65歳以上という「超・高齢化大国」になるだろう。同時に、全国民の6人に1人が75歳以上になり、毎年の死亡者は出生数の2倍となる。

26年になると、認知症患者が700万人規模となり、介護する側もされる側も認知症患者という現実が待ち受ける。その後も少子高齢化の影響は広がり、27年には輸血用の血液が不足。30年になると、地方から百貨店も老人ホームも消えると予想される。

高齢者数がピークになるとき

生産年齢人口が極端に減ると、当然ながら生産力が低下し、需要をまかない切れなくなる。試算では、都道府県の80%が生産力不足に陥るという。

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