10年後の働き方

「こんな仕事、聞いたことない! 」からイノベーションの予兆をつかむ
未読
日本語
10年後の働き方
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出版社
インプレス

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定価
1,650円(税込)
出版日
2017年07月14日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)という、アメリカで毎年開催される巨大なビジネスイベントがある。日本ではあまり知られていないが、最先端のテクノロジー企業やイノベーターが集まる、巨大なクリエイティブ・ビジネス・フェスティバルだ。本書は、SXSWの日本で唯一の公式コンサルタントである未来予報社による著作である。

この本で紹介される数々の最先端テクノロジーは、例えば人工肉の研究など、ちょっと前ならSFで描かれていたようなものばかり。SXSWで発表された、実用化される前の研究段階のものが大半だが、だからこそ驚かされるような事例が多い。本書は、そんな先端テクノロジーが示す未来のイメージをもとに、その世界に出現するであろう職業を続々と紹介するユニークな本である。

それにしても、どのアイデアも、日本の大企業で研究テーマとして認められるのは難しそうだとつい考えてしまう。日本企業にも、かつて基礎研究ブームの時代があった。それが今や、すぐに収益を上げられないアイデアには、日本では誰も投資をしなくなってしまった。ROIばかり気にすることがグローバルスタンダードだと、経営コンサルタントに洗脳されてしまった日本企業に、未来は見えていないのではないか。

日本の若者の素晴らしい才能を、アメリカのベンチャーキャピタルしか評価できないなら、日本ではイノベーションは起こりえない。本書で紹介されているような、多様で広範囲なジャンルの最新テクノロジーを、まず知り理解することから始める必要があるだろう。

ライター画像
谷田部卓

著者

未来予報株式会社
2016年9月設立。「まだ世の中にないモノやサービスを一緒に育てる」をコンセプトに、製品のリサーチ、コンセプト設計、ブランディングを専門に行う。
米国のビジネスイベント「SXSW」(サウス・バイ・サウスウエスト)にて発表された起業家やアーティストの「ビジョン」から、世の中の潜在ニーズを予見し「未来を作る種」として企業の研究所等にレポート。2016年よりSXSW本部から日本で唯一のSXSW Consultants(公式コンサルタント)に任命され、SXSWの普及活動を担っている。
主な実績:
電動義手および外骨格型デバイスを開発するexiii社のブランディング、新製品デビュープロデュース。
三洋電機出身者が集結したベンチャーによる新製品「スイトル」のコンセプト設計、デビュープロデュース。クラウドファンディングで1000万円を調達して話題に。

曽我浩太郎(そが こうたろう)
未来予報株式会社 代表取締役/プロジェクトデザイナー
広告制作会社にてコンテンツ制作から経営企画まで経験。クリエイター向けのシェアリングサービスを立ち上げ後に退職し、2016年に未来予報株式会社を設立。2013年よりSXSW、SXSW Ecoに参加。SXSW公式コンサルタント。構想段階から製品デビューまで、プロジェクトの社会的なインパクトを最大化する戦略的なプロデュースを得意とする。また、自ら動画制作やビジュアルデザインも行う。

宮川麻衣子(みやがわ まいこ)
未来予報株式会社 代表取締役/コンテンツストラテジスト
広告制作会社にてコンテンツ制作から研究開発まで経験。事業開発部門で新規事業を立ち上げ後に退職し、未来予報株式会社を設立。2012年よりSXSWに参加し、SXSW分析レポートの発信やブランディング活動を行う。SXSW公式コンサルタント。クリエイティブの表現スキルとビジネス開発スキル、両面を持ったプランニングを得意とする。シンガーソングライター・音楽プロデューサーの広瀬香美に師事し、音楽活動を行う歌手としての一面も持つ。

本書の要点

  • 要点
    1
    毎年アメリカで開催されるビジネスイベントSXSWでは、多くのイノベーティブな技術が発表されている。
  • 要点
    2
    人口増加に伴う食糧危機への対応として、人工的に「培養肉」を作るなどの「細胞農業」の研究が進んでいる。
  • 要点
    3
    電力を有効活用するために家庭やビルをネットワーク化する「スマートグリッド」は、すでにアメリカで実証実験が行われており、大幅な省エネができることがわかっている。
  • 要点
    4
    タトゥーシールのように肌に貼り、指でこすることでPCなどを操作できるデバイスが発表された。

要約

【必読ポイント!】 農業と食

世界の食糧不足を解決する培養肉
Lisovskaya/iStock/Thinkstock

毎年3月にアメリカのテキサス州オースティンで開催される、巨大なビジネスフェスティバルSXSWは、数多くのスタートアップが斬新なサービスや製品を発表する場でもある。10年以上先を見据えた起業家たちの発想に注目することで、今後のイノベーションの予兆を感じ取ることができる。

例えば、動物を飼育しないで人工的に肉や卵、ミルクを生産し提供する、「細胞農業」の研究が進んでいる。すでに複数のスタートアップがたちあがっており、巨額の資金を調達している。

また、オランダの大学が発表した、牛の筋細胞から培養した「培養肉」を使ったハンバーガーも話題になったが、手頃な価格で提供する技術は確立されていない。培養肉の開発は、人口増加に伴う食糧危機が背景にあり、畜産業のコスト上昇の観点からも注目されている。また、欧米に根づく動物愛護の精神からも評価されているという。

しかし培養肉に対する消費者の不安感が大きいため、これを払しょくするための取り組みは必要だ。そのため、食品の良さや魅力ある調理法を発信する、「培養肉マイスター」とでも呼ぶべき職人が、今後登場するかもしれない。

食の安全を確保するテクノロジー

現代の食の課題に、食品流通の透明性や安全性ということがある。透明性については、ITによる「トレーサビリティ」で担保するという対策があるが、さらに透明性や安全性を高めようとする起業家がいる。

日米混合のチームである「カカシ」社(KAKAXI, Inc.)は、気温、湿度、日射量などのセンサー内蔵型カメラ「カカシ」を農場に設置し、農家が農場をモニターできるシステムを構築している。消費者は、同社が提供するスマートフォンアプリから農作物の育っている過程を確認でき、農家の人となりもわかるので、安心して質の良い農作物が買える。「カカシ」を使うことで、農家は消費者と食の楽しみを共有する「コミュニティファーマー」としてスタートを切ることができるだろう。

さらに、アメリカでは、大型トレーラーの中で水耕栽培を行い、都会で野菜を生産するビジネスが生まれている。LEDライトの波長を変えて、レタスやケール、バジルなど様々な野菜を育てることができる。管理は完全自動化されており、4日間で約272キログラムの野菜を収穫できるという。この移動農場は、ニューヨークですでに農業起業家たちに利用されはじめている。大都市で野菜を育てる人と、透明性の高い野菜を選ぶ人とのコミュニティが、すでに生まれている。

交通とエネルギー

新しい基準の交通インフラ

10年後の便利な交通インフラとして注目されているもののひとつに、超高速交通「ハイパーループ」がある。これは、著名な起業家であるイーロン・マスクが構想を発表した、金属チューブ内を最高時速1200キロメートル超でポッドが移動するという乗り物だ。

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