日本でいちばん大切にしたい会社3

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出版社
定価
1,540円(税込)
出版日
2014年01月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本には、企業に対する数多くの表彰制度があるが、そのほとんどが優れた発明や発見、あるいは業績、ランキングに基づいたものだ。しかし表彰された企業のなかには、社員を大切にしていない会社、すなわちリストラで社員数を大幅に削減した企業や、障害者法定雇用率を守らずに罰金を支払うことでそれを逃れているような企業が存在している。

それに疑問を抱いた著者らが創設したのが、「人を大切にする企業」を表彰する制度、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞だ。日刊工業新聞社、(本書を発行している)あさ出版、法政大学の3機関を主催者とし、経済産業省などによる支援のもとで運営され、2013年には第3回の受賞企業が発表された。本シリーズで紹介されている企業も多く、どの企業も納得させられる選出と思われる。

さて、シリーズ第3作目の本書「日本でいちばん大切にしたい会社 3」は、まさに人間尊重の経営をしてきた企業7社が紹介されている。

感心させられるのは、紹介されている企業の強みは全て、「頼もしい従業員」にあるのだなぁという点だ。社長が従業員に対して誠意を持って接すれば、社員は必ず期待に応えてくれる。そして何らかの危機やトラブルに巻き込まれたとき、社長はその事態に対応する社員の姿を見て頼もしさを感じるのである。涙を誘う感動のノンフィクションの数々はぜひ本書を手に取って読んでいただきたい。

旧2作と同様、本書は中小企業の経営者の方、そして若いビジネスパーソンにぜひ読んでいただきたい一冊だ。「人間本位の企業経営とは何か」を学ぶ素晴らしい教材となるはずである。

ライター画像
苅田明史

著者

坂本 光司
浜松大学教授、静岡文化芸術大学教授等を経て、2008年4月より法政大学大学院政策創造研究科(地域づくり大学院)教授および法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科(MBA)兼担教授。法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長。NPOオールしずおかベストコミュニティ理事長等。
他に国、県、市町や商工会議所等団体の審議会や委員会の委員を多数兼務している。専門は中小企業経営論、地域経済論、福祉産業論。

本書の要点

  • 要点
    1
    本当の企業経営とは、①社員とその家族、②社外社員(下請け・協力会社の社員)とその家族、③現在顧客と未来顧客、④障がい者や高齢者などの社会的弱者、⑤出資者・支援者、とりわけ①~④にあたる人々の幸福を追求することである。
  • 要点
    2
    坂本氏の研究によれば、好不況にかかわらず、その業績がほとんどぶれない企業の共通項は、「人間尊重経営」「人本経営」、つまり人を大切にする、人のしあわせを念じた経営が貫かれていることだ。本書に紹介されているのは、それらの企業の典型ともいうべき7社である。

要約

はじめに

moodboard/Thinkstock
五人に対する使命と責任を果たす

著者の坂本氏は本シリーズにおいて、本当の企業経営とは「五人に対する使命と責任を果たすための活動のこと」であると定義し、使命と責任とは「幸福の追求」「幸福の実現」であると説いた。

その五人とは①社員とその家族、②社外社員(下請け・協力会社の社員)とその家族、③現在顧客と未来顧客、④障がい者や高齢者などの社会的弱者、⑤出資者・支援者、のことだ。

ところが現実には、多くの経営者が、業績重視・成長重視・シェア重視・ランキング重視といった、間違った経営をしているようにみえる。そして業績や成長を目的にした結果、前述の五人、特に①~④の四人の人々を苦しめてしまっているのが、今という時代と言えよう。このことは、うつ病等の精神障がい者の激増や自殺者の増加、離職者の増加などに表れている。

ところで坂本氏が全国各地の6500社を訪問し研究してきたところ、好不況にかかわらず、その業績がほとんどぶれない企業が一割ほど存在した。そうした企業の共通項は、「人間尊重経営」「人本経営」、つまり人を大切にする、人のしあわせを念じた経営が貫かれていることであった。

本書に紹介されているのは、それらの企業の典型ともいうべき7社である。

【必読ポイント!】 徳武産業株式会社

「お年寄りのための履き物をつくってくれないか」

本書で最初に取り上げられているのが香川県さぬき市に本社のある「徳武産業」だ。徳武産業は、足の不自由な高齢者や障がい者のためのケアシューズをつくっている会社で、現在は社長の十河孝男氏と、その妻で創業者の長女でもあるヒロ子副会長によって運営されている。

実は徳武産業は最初からケアシューズを作っていたわけではない。1993年、それまで徳武産業は通販会社からルームシューズのOEMを請け負っていたが、取引先である通販会社の外注・購買担当者の交代をきっかけに売上が大幅ダウンとなってしまう。

そんな、行き詰っていたときのこと、十河社長は特別養護老人施設を運営している友人から、「高齢者が転ばないような履き物をつくってくれないか」と相談を受ける。

その友人の施設では、筋力が衰えたり病気などで足を十分にあげることができず、平らなところでつまずいたり、片方のスリッパをもう片方の足で踏んで転倒するといったことが日常茶飯事だったのだ。

iStock/Thinkstock
お客さまの要望は業界の非常識

十河社長は「自社の技術ならつくれるだろう」と思い引き受けたが、これが案外うまくいかなかった。

というのも、高齢者の足は外反母趾やリウマチ、むくみなどのさまざまな症状があり、人によって左右の足の長さが違ったり、幅に差があるなど、サイズが微妙に違うからだ。高齢者向けリハビリシューズの開発にあたり、約500人の高齢者の歩行の悩みを聞いたという。

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