ハラルマーケットがよくわかる本
イスラム巨大市場を切り開くパスポート

未 読
ハラルマーケットがよくわかる本
ジャンル
著者
ハラルマーケット・チャレンジ・プロジェクト
出版社
総合法令出版
定価
1,620円
出版日
2013年11月21日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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イスラム巨大市場を切り開くパスポート
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ハラルマーケット・チャレンジ・プロジェクト
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出版社
総合法令出版
定価
1,620円
出版日
2013年11月21日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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レビュー

最近になって「ハラルビジネス」が注目を集めている。ハラルとはイスラム教の戒律のことで、ハラル認証を獲得すれば、イスラム国家への商品供給が進みやすくなることから、食品を中心としてこの認証を受けようという動きが広まっているのだ。

イスラム教徒は現在、世界で16億人存在し、さらに20年後には22億人にまで増え続けると予想されている。ゆえに、この市場の有望性は世界中で認知されているのだが、日本だけが出遅れてしまっているのが現状だ。

私自身、1年ほど前にバングラデシュを訪れて現地の繊維工場を見学したことがあるが、電気や水道、道路など様々なインフラが未整備で、政情不安はあるものの今後の発展余地はとても大きいと感じた。親日国のため、日本企業の進出が相次いでいるそうだが、その一方で、宗教的・文化的にまだ理解が追い付いていないところが多く、具体的な方策を持って取り組んでいるところは少ないだろう。理由も知らないまま、イスラム教徒は豚肉を食べない、という程度の認識しかない方も多いのではないだろうか。

本書はそういったハラルマーケットについての初期理解を持つための一冊だ。多少、マレーシアに特化してしまっているところはあるが、ハラル認証の取り方や具体例などが丁寧に紹介されており、特に食品の製造や輸出入に携わっている方には参考になるだろう。

国内市場が飽和し、海外への進出を考えている日本企業は多いはずだ。これを機に「ハラル」で成功する日本企業が増えることを強く望む。

苅田 明史

著者

ハラルマーケット・チャレンジ・プロジェクト(HCP)
IT企業、飲料メーカー、食品流通、コンサルティングファーム出身者4名で「世界的に出遅れている日本のハラルビジネスの促進」を目的として発足。
イスラム教の戒律である「ハラル」をビジネスチャンスととらえ、ジャパンブランド(ものづくり・おもてなし)を武器として展開するために必要となる
さまざまな機能(マーケティング、アプローチ、レスポンス測定など)を提供。
具体的には認証取得という初期投資をかける前にテストマーケティングを行ない、「ハラル」マーケットにおけるニーズや課題などの洗い出し、本格展開すべき市場かどうかの見極めを行なっていく。
また、「ハラル」マーケットに本格展開する際は、ハラル認証や現地の販路開拓、現地化対応などの支援を実施。

本書の要点

  • 要点
    1
    人口16億人を抱えるハラルマーケットの市場規模は2兆1000億ドルほどとも言われる。今後も成長が見込まれるこの市場には世界中の企業が注目しているが、日本企業は大きく遅れを取ってしまっている。
  • 要点
    2
    「ハラル」とは「健全な商品や活動」を指すイスラム教の教えの総称のことで、認証機関から「ハラル認証」を受けることによってムスリムの購買対象となり流通しやすくなる。
  • 要点
    3
    本書では、ハラルビジネス振興に国を挙げて力を入れており、親日国でもあることから、イスラム圏のなかでも特にマレーシアへの進出を推奨している。

要約

日本だけが出遅れている巨大マーケット

海外に存在する巨大マーケット
szefei/iStock/Thinkstock

全世界におけるイスラム教徒(ムスリム)の人口は、現在約16億人(世界人口の約23%)で、実はこのうち60%以上は東南アジア諸国に居住している。そのうえ、ムスリム人口は2020年には約19億人、2030年には約22億人に達する見込みだ。市場規模は2兆1000億ドルと言われるこのビッグマーケットに今、世界中の企業が注目している。

しかしながら急成長するこの市場に対し、日本だけが大きく遅れを取ってしまっている。参入しているのはキユーピーや味の素など一部の日本企業に留まり、市場規模や市場価値を考えればまったく手付かずと言っても構わないほどだ。東南アジアで日本は注目を集めつつあるにもかかわらず、日本食を提供する店が多い親日国家のマレーシアでも、よく見ると日本人が経営している店ではなかったり、日本メーカーの商品でもなかったりするのである。

本書はそんなイスラム市場に進出を考える日本企業にとって、現地でどういった需要があるのか、どのように事業展開をすればよいのかを示す一冊だ。アウトバウンド・インバウンドの事例も豊富に紹介されており、これらの市場に興味を抱く人にとっての良きガイドブックになるはずである。

なぜ日本は出遅れてしまったのか

「ムスリムは豚肉を食べてはいけない」ということはどこかで聞いたことがあるという日本人も多いだろう。だが、裏を返せばその程度の認識しか持っていないのが大多数の日本人なのだ。

ハラルマーケットの「ハラル」とは、「健全な商品や活動」を指すイスラム教の教えの総称のことだ。例えば、イスラム教の教えにのっとって処理された食べ物が該当する。その逆で「ハラル」ではない物や事、教えにふさわしくないものを「ハラム」「ノン・ハラル」と呼ぶ。

ハラルマーケットへの参入が遅れた一番の原因は、宗教に対する無関心や偏見ではないか、と本書では指摘している。日本はもともとほぼ単一民族国家であるため、民族や宗教による習慣の違いや、地域による文化の違いが少なく、さまざまな民族に対応することに不慣れなのだろう。

日本人にとっては、「ハラル」が宗教上の戒律であるというだけで、日本人には受け入れ難いものになってしまうのだ。イスラムと聞くとテロや過激派が起こす紛争を連想し、怖いというイメージが固定化され、偏見を持つ人が多い現状に、日本が出遅れた原因があるのではないか。

世界から見たハラルマーケット

ハラルマーケットという言葉は日本人にとって耳慣れないかもしれないが、実はすでに欧米、中国や韓国、そして東南アジアから見れば、その価値は十分認識されている。しかしながら、日本の商品は品質や性能の面で高い評価を受けているにもかかわらず、あまり流通していないのだという。

日系スーパーも進出しているにもかかわらず、日本の商品が売れない理由は、「ハラル認証」を取得していない点が大きい。

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