ファンベース
支持され、愛され、長く売れ続けるために

未 読
ファンベース
ジャンル
著者
佐藤尚之
出版社
定価
968円(税込)
出版日
2018年02月10日
評点
総合
4.5
明瞭性
4.5
革新性
4.5
応用性
4.5
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支持され、愛され、長く売れ続けるために
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佐藤尚之
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968円(税込)
出版日
2018年02月10日
評点
総合
4.5
明瞭性
4.5
革新性
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おすすめポイント

ファンベース――それは企業や商品の支持者であるファンを大切にし、中長期を視野に売上や価値の上昇を狙うという考え方である。

これからの時代、ファンベースなしで安定して売上を持続させるのは難しくなる。売上の大半は実のところ、ファンが支えているからだ。いまのところ新規顧客の獲得だけに力を入れている企業が多い。しかし単発施策や短期キャンペーンが仮にうまくいき、運良く話題になったとしても、その効果は一時的ですぐに忘れ去られてしまう。それでは貴重な予算や労力がもったいないではないか。

もちろんそうした施策のすべてがムダというわけではない。だがここで重要なのは「ファンを育てる」という観点だ。私たちが追求するべきなのは、ファンベース・マーケティングともいうべきものである。

本書ではファンベースが求められている理由に始まり、具体的な施策の取り入れ方について、さまざまな事例とともに解説される。これまでの成功例や失敗例に触れることで、自社で実施している取り組みが効果的かどうか、そしてファンベースをどのように自社に取り入れればよいかが、より鮮明にイメージできるようになるはずだ。

メーカーや事業会社に留まらず、小売、メディア、行政など、あらゆる業界でファンベースは必要だと著者は語る。この未来を見据えたマーケティング手法、いち早く脳内にインストールしてみてはどうか。

ライター画像
二村英仁

著者

佐藤 尚之(さとう なおゆき)
1961年東京都生まれ。(株)電通にてマス広告、ネット広告、コミュニケーション・デザインなどに携わったあと、2011年に独立。現在は、コミュニケーション・ディレクターとして、(株)ツナグ代表。コミュニティ主宰・運営として、(株)4th代表。著書に『明日の広告』、『明日のコミュニケーション』(ともにアスキー新書)、『明日のプランニング』(講談社現代新書)等多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    短期キャンペーンや単発施策などの「話題化」だけではもう通用しなくなってきている。重要なのは興味や関心をもってくれた人々の「好意(価値への支持)」を積み重ね、資産化するための明確な設計である。
  • 要点
    2
    ファンベース施策が重要なのは、(1)ファンは売上の大半を支えて伸ばしてくれる、(2)時代や社会が変化している、(3)ファンは新たなファンを作ってくれるから、である。
  • 要点
    3
    「共感・愛着・信頼」の3つをそれぞれ強化することが、ファンベース施策においては欠かせない。

要約

「話題化」はもう通用しない

短期キャンペーンの瞬間風速的な効果
tumsasedgars/iStock/Thinkstock

テレビCMや動画などは、一時的に大きな話題となる。しかしそれも束の間、一瞬にして世間から忘れられてしまう。たとえば以下のようなケースだ。

・実施したイベントは大盛況に終わり、スペシャルサイトへのアクセスも多く集めた。しかしその効果は一時的で、長くは続かなかった。

・テレビ番組で取り上げられ、大勢の客が店舗へ押し寄せた。だが売上はすぐ元に戻ってしまった。

・会員制ビジネスで打ち出した新規加入3カ月無料キャンペーンが成功したものの、有料会員への移行につながらない。

長い間、話題化は新規顧客の獲得において効果的だとされていた。しかしいまの時代、「一過性で瞬間的なリーチ」はもはや通用しなくなっている。重要なのは新規顧客へリーチした後にどうするか、そしてリーチする前に短期キャンペーンや単発施策をどのように組み立てるかなのである。

「好意」を積み重ねて資産化する

短期キャンペーンや単発施策を行なううえでは、興味や関心をもってくれた人々の「好意(価値への支持)」が積み重なり、資産化するような明確な設計が必要である。

短期キャンペーンを実施して人々の好意を集めても、その後放ったままにしている企業は意外と多い。たとえば「春のキャンペーン」など、CMも取り入れた統合型のキャンペーンを行なったあとはとくに何もせず、忘れた頃に「夏のキャンペーン」を仕掛けるといったケースである。このようなぶつ切りの単発施策では、人々の好意が積み重なるはずもない。

もちろん短期キャンペーンや単発施策などの取り組み自体は重要である。認知獲得をはじめ、一時的にでも売上を刺激する効果が見込めるからだ。またキャンペーンを行なうとなれば、社員の士気も高まるだろう。

しかしだからこそ、一過性で終わらせてしまうのはあまりにもったいない。短期キャンペーンや単発施策のみではなく、効果を資産化するためには、中長期のファンベース施策も加える「全体構築」が必要だ。

【必読ポイント!】ファンベースが必然な3つの理由

理由1:ファンこそ売上を支える大黒柱
Traimak_Ivan/iStock/Thinkstock

ファンベースは売上を中長期的に支える土台である。企業の価値を支えてくれる、支持母体をイメージするとわかりやすいだろう。しかしこれは現在の価値を変えずに守りに入ることを意味しない。改善をくりかえしてファンと一緒に成長することも、またファンベースなのである。

これからのマーケティングにおいて、ファンベースが必要な理由は以下の3つだ。

1つ目は、売上の大半を支え伸ばしてくれるのはファンだからである。某飲料メーカーの調査によると、企業が提供する価値を強く支持する「コアファン」と呼ばれる人々が、全体の46%もの消費量(≒売上)を支えていることがわかった。コアファンは顧客全体のわずか8%にすぎないにもかかわらず、である。これに37%の「ファン」の消費量を加えると、なんと売上全体の約90%にまで達する。まさにファンは企業の売上を支える大黒柱なのである。

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