殺し屋のマーケティング

未 読
殺し屋のマーケティング
ジャンル
著者
三浦崇典
出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2017年11月08日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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殺し屋のマーケティング
殺し屋のマーケティング
著者
三浦崇典
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出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2017年11月08日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
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レビュー

本書は小説である。一般的なビジネス書とは異なり、目次を見れば概要がわかるような構造ではないので、ビジネス書を読み慣れた読者は面食らうかもしれない。しかしここに著者の大きな意図が隠れている。

知識が頭に入ったとしても、本当に実践で使えるとは限らない。本から得た知識を現場で取り入れても、全体の組み立てがうまくいかずに、理論通りにできない場合も少なくないはずだ。こうした知識の「上滑り」を防ぐため、本書はストーリーを用いている。そうすることで、より直感的に知識を身につけられるというわけである。

著者は東京、池袋、京都などに店舗を構える、「天狼院書店」の店主。これまで数々の倒産の危機を、独自の理論を実践することによって乗り越えてきた猛者である。その著者の説く「7つのマーケティング・クリエーション」理論が本書の核であり、主人公の失敗と成功を通して、その要点を学べるようになっている。理論自体はとてもシンプルなので、それぞれのかかえる問題にも当てはめやすい。ストーリーとして語られているので、まだ経験の少ない学生や若手起業家にとっても理解しやすいだろう。

本書を読む際は、これまで学んだマーケティング理論はいったん脇に置いて、まず物語の世界にのめりこんでいただきたい。そして読み終えたら、学んだ理論を実践してみてはどうか。知識は生かしてこそ、はじめて得られるものなのだから。

菅谷真帆子

著者

三浦 崇典 (みうら たかのり)
天狼院書店店主。株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。編集者・プロカメラマン。大正大学表現学部非常勤講師。
1977年宮城県生まれ。2009年、株式会社プライズエージェンシーを設立、2013年に天狼院書店の1店舗目となる「東京天狼院」を南池袋にオープン。開店して3ヶ月で倒産の危機に陥り、以後、現在まで9回、倒産の危機に見舞われるが、その都度、新しいマーケティング手法を駆使して窮地を切り抜ける。マーケティング戦略の成功により、現在までに、東京・福岡・京都・池袋駅前店の4店舗を開店。さらに、6店舗のオープンを準備している(2017年9月現在)。
これらの経験をもとに、独自に新たなるマーケティング理論「7つのマーケティング・クリエーション」を開発。自身のビジネスで徹底して実践する。事業の伸長は、この「7つのマーケティング・クリエーション」が核となっている。
「おはよう日本」(NHK)、「モーニングバード」(テレビ朝日)、「くにまるジャパン」(文化放送)、日経新聞、朝日新聞、讀賣新聞、東京新聞、『BRUTUS』、『週刊文春』など、各種メディアへの出演・掲載多数。2016年には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。著書は本書が初めてとなる。

本書の要点

  • 要点
    1
    マーケティングの成功は、「1.ストーリー」「2.コンテンツ」「3.モデル」「4.エビデンス」「5.スパイラル」「6.ブランド」「7.アトモスフィア」からなる7つの要素を、順番に積み上げることによって得られる。ひとつひとつの要素がしっかり構築されていなければ、ビジネスは崩壊する。
  • 要点
    2
    過去の失敗などの体験を検証・理解することで、知識ははじめて使いこなせるようになる。頭で学ぶだけではなく、体験を通じて育てることが大切である。

要約

「殺し」をビジネスにするまで

ビジネスの生まれるところ

主人公の女子大生、桐生七海(きりゅうななみ)は「受注数世界一の殺しの会社を創りたい」という野望をかなえるため、「世界一のマーケティング技巧」をもつ西城潤(さいじょううるお)へ弟子入りする。第1幕においては、西城がさまざまな場面において七海にビジネスのキーワードを説いている。

たとえば保険会社のビジネスは、火災や病気という回避できない事象に遭遇したとき、少しでも安心したいという「安心の需要」があるからこそ成り立っている。つまり大きなリスクの伴う「殺し」という業界には、とてつもなく大きな「安心の需要」があるということだ。このことから七海は、殺しを本業としながら警備や保険事業も行なうというビジネスモデルを思いつく。

「マーケティングの三重苦」を乗り越える
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

マーケティングにもっとも効果的といわれるのは、「広告」「営業」「PR」である。しかし七海の場合、事業が違法であるために広告などを一切行なうことができない「マーケティングの三重苦」を抱えていた。

この問題に対処するため、西城は早朝の吉祥寺ダイヤ街に七海を呼び出し、自身が世界最強と語る、吉祥寺「小(お)ざさ」のビジネスモデルを紹介する。「小ざさ」は1日150本限定の羊羹を求め、人々の行列が40年以上途絶えない有名店だ。この行列のおかげで「小ざさ」は、「広告」「営業」「PR」をせずともビジネスを維持できている。その売上は1坪にもかかわらず年商3億円。坪あたりの売り上げに換算すると、あのアップルの19.2倍にもなる。

しかし羊羹だけでこの数字が出せるわけではない。「小ざさ」が年商3億を達成している秘密は、羊羹とともに売られている最中(もなか)にある。羊羹は1日の販売数が限られているが、最中は通販も行なわれており、実際その売上のほとんどは最中が占めている。

このビジネスモデルにヒントを得た七海は、全体の売上(100%)=殺し(10%)+警備や保険などの「安心」(90%)というビジネスモデルを構築。広告ができない殺しのビジネスを「小ざさ」における「行列」と見立てつつ、安心の事業も維持するという目標を立てた。

【必読ポイント!】7つのマーケティング・クリエーション

出発点はストーリー
patpitchaya/iStock/Thinkstock

西城に師事しはじめ、しばらくしてのことである。七海が社長をつとめる表の会社「レイニー・アンブレラ」が警備を担当するイベントで、大勢の前でクライアントを狙撃されるという事件が起こった。このことをきっかけに、七海がつくりあげた会社の「ブランド」はもろくも崩れ去る。しかし西城はこれをチャンスだと断言し、会社がなぜ崩壊したか、「7つのマーケティング・クリエーション」の構造を用いながら解説する。

7つのマーケティング・クリエーションは、「1.ストーリー(旅立ちの理由)」「2.コンテンツ(商品)」「3.モデル(仕組み)」「4.エビデンス(実数値)」「5.スパイラル(上昇螺旋)」「6.ブランド(信頼)」「7.アトモスフィア(空気)」からなる、積み上げ式の理論だ。

「1.ストーリー」は共感を呼ぶ物語のことであり、この理論の出発点でもある。とはいえお金儲けという動機では、なかなか共感は得られない。事業成功のためには、まず自分自身が事業を継続するために強い動機をもち、それを語ることで人の心を動かし、協力を得ていくことが必要である。

よいスパイラルがブランドを生む

「2.コンテンツ」とは、売上をたてるために必要な商品のことだ。マーケティングにとっての核であり、この理論の土台である。コンテンツがなければ行列はありえない。

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経営戦略 マーケティング
著者
三浦崇典
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2017年11月08日
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