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本書の要点

  • 部屋探しや人材採用をするにあたっては、「37%ルール」が適用できる。

  • 新しい可能性を探しだすこと(探索)がもたらす価値は大きい。しかし大抵の探索は期待はずれに終わる。

  • 無秩序はかならずしも悪くない。コンピューター科学は、無秩序の害と秩序の害の定量化を可能にし、それらのコストが時間で測れると教えてくれる。

  • もっともよい解を探すためなら、一時的に解の質を下げることも必要だ。ランダム性の導入は、そのための有効な手段となりうる。

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【必読ポイント!】 人の暮らしのアルゴリズム

最適な答えを探しだす

サンフランシスコでアパートを探さなければならないとしたら、あなたはどうやって物件を決めるだろうか。

サンフランシスコは部屋探しがもっとも大変な都市だ。新築の物件が出た瞬間、成約済みになってしまうほどである。つまり部屋探しをする人は、他の物件を見ずに最初に見た物件で決めるか、次の物件に賭けて、いまの物件は諦めるかの選択を迫られることになる。

こうした問題を解くための一連の単純な手順を、コンピューター科学者は「アルゴリズム」と呼ぶ。本書では人々が直面する困難に対して、よりよい解決策を模索する「人間のアルゴリズム設計」の概念を探っていく。コンピューター科学の視点から物事を見れば、人間の心の本質、合理性の意味、いかに生きるべきかという問いについて、より理解を深めることができるだろう。

37%ルール

heyengel/iStock/Thinkstock

前述のサンフランシスコでの部屋探しは、いわゆる「秘書問題」と構造が似ている。

秘書問題とは、秘書の求人に応募してきた人のなかから、もっとも優秀な人物を採用する可能性を最大限に高めるにはどうすればいいかという問いだ。たとえば応募者が2人であれば、成功の確率は半々となる。だが応募者が3人なら、最良の人物を採用できる確率は単純計算で33%だ。しかも応募者が3人の場合、すでに最初の2人を落としてしまっていたら、後がなくなってしまう。

だが2人目を面接するときに、1人目より優秀なら採用し、そうではない場合は断るとしたらどうなるか。じつはこれが考えうる最良の戦略である。この方法を使うと、応募者が2人の時と同様に、50%の確率で最良の人物を採用できることになるからだ。

応募者を増やしていってもほとんど同じである。結局のところ、決断するか否かの境界線を引くべきタイミングは、応募者の37%前後で落ち着く。これが「37%ルール」である。最初の37%までは、誰も選ばず見ることに徹する。それ以降は、それまでに面接したどの応募者よりも優秀な人材が現れたら採用すればいい。

サンフランシスコでの部屋探しにも、これと同じルールが当てはまる。つまり部屋探しにあてる時間の37%までは、物件を決めずにただ見て回る。そしてその後は、それまでに見たどの物件よりもよい部屋に出合ったら、そのまま成約するべきなのだ。

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「探索」と「活用」

ギッティンズ指数

welcomia/iStock/Thinkstock

探索とは情報を集めることであり、活用とは既知のよい結果を得るために手元の情報を使うことだ。

たとえばこういう問いがある。スロットマシンがずらりと並んでいるカジノに入り、手にする賞金の総額を最大化したい。いくつのマシンのアームを引いて(探索)、もっともよさそうなマシンを選ぶ(活用)べきなのか。

どのスロットマシンが勝つ確率が高いのか、情報をまったくもっていなかったとしよう。それでももう一度プレイした場合に勝つ確率がこのくらいなら、プレイをやめてもいいと判断できる率(指数)がある。それが動的配分指数(「ギッティンズ指数」)だ。ギッティンズ指数がもっとも高いマシンで常にプレイすればいい。

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要約公開日 2018.04.08
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