MBA生産性をあげる100の基本

未読
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出版社
東洋経済新報社

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定価
1,650円(税込)
出版日
2017年12月14日
評点
総合
4.0
明瞭性
5.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

シンプルなワンフレーズの中に、MBAのエッセンスを詰め込んだ『MBA100の基本』シリーズの第二弾が登場した。本書では、ビジネスにおいて必要不可欠な「生産性の向上」をテーマに、仕事のタスク別に100の基本を紹介している。

提唱されるフレーズはどれもわかりやすく、中には当たり前すぎて普段は意識にのぼらないものすらあるだろう。しかし、それこそがタイトルに込められた「著者の本意」である。タイトルの「基本」という言葉は英語にすると“Essential”と訳されることもある。これは「本質的な」「不可欠な」「必須の」という意味も含む。基本を実践できているのか、とビジネス力を根底から問い直される一冊だ。

MBAというと「敷居の高い」イメージを持つ方もいるだろう。しかし、そのイメージはたちまち覆される。入社1年目の新人や、初めて部下を持つ若いビジネスパーソン、さらにオフィスワーカー以外のすべての組織で働く人にも役立つ、実用性の高いフレーズが満載だからだ。たとえば、「スケジュールをすべて埋めては創造力が死ぬ」というフレーズがあるが、これは自分のスケジュール管理や部下の業務割り振りといった日常の場面で十分に活用できるはずだ。

仕事に行き詰まった時、成長を感じられない時、原点に戻りたい時。いつでも本書を開いていただきたい。そこには現状を打開するヒントが隠されているだろう。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

グロービス
1992年の設立以来、「経営に関する『ヒト』『カネ』『チエ』の生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開している。
グロービスには以下の事業がある。(http://www.globis.co.jp/)
○グロービス経営大学院
・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
・英語(東京、オンライン)
○グロービス・マネジメント・スクール
○グロービス・コーポレート・エデュケーション
(法人向け人材育成サービス/日本・上海・シンガポール・タイ)
○グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)
○グロービス出版(出版/電子出版事業)
○『GLOBIS知見録』/GLOBIS Insights (オウンドメディア、スマホアプリ)
その他の事業
○一般社団法人G1(カンファレンス運営)
○一般財団法人KIBOW(震災復興支援活動、社会的インパクト投資)

嶋田 毅(しまだ つよし)
グロービス出版局長、グロービス経営大学院教授。
東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。著書に『MBA100の基本』『利益思考』(東洋経済新報社)、『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード図解 基本ビジネス分析ツール50』 (ダイヤモンド社)、『ビジネスで騙されないための論理思考』『{{実況ロジカルシンキング教室』(PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』(以上グロービス電子出版)他、多数の共著書、共訳書がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    土台となるスキルを身につけて実行に移すことが、高い生産性につながる。
  • 要点
    2
    情報収集と整理だけで満足せずに、一歩踏み込んだ、本質を見抜く分析を大事にしたい。
  • 要点
    3
    PDCAは生産性を向上させる最強のフレームワークであり、C(評価)とA(改善)が肝となる。
  • 要点
    4
    6W2Hの発想法は、ビジネスの可能性を広げるのに効果的だ。
  • 要点
    5
    予測不可能な変化に富む現代においては、過去に身につけたスキルや経験を手放す勇気も必要となる。

要約

土台となるスキルとは?

まずは「目的」ありき

あらゆる事柄には基礎力が欠かせない。どんなに表面的なスキルを学んでも、土台となる基礎力がなければ、効果はあまり期待できない。

よくある間違いは、目的なく仕事をしてしまうということだ。上司の命ずるままに作業を始めた経験はないだろうか。本来、情報収集や分析、会議や交渉といったタスクは、あくまで何かを達成するための手段である。まずは作業の目的を確認することが大切だ。そうすることで、求める情報の量や質、それにかける時間やエネルギーも変わってくるだろう。またそれは、自らが指示を出す側になった時にも活用できる。相手にきちんと目的を伝えることで、質の高いアウトプットを生み出しやすくなる。

また、最初に仕事の段取りを描き、逆算思考で考える習慣も必要となる。たとえば、理工系大学向けに機器を販売する営業担当者になったと仮定しよう。いきなり飛び込み営業をしてもなかなか成果は上がらない。この場合は、大学の研究テーマを調べる、見込みの高い研究室を選んで優先順位をつける、アポイントメントをとる、訪問して購買の当たりをつける、可能性のありそうな研究室に集中投下する。こうした戦略をもとに効率よく動くべきだろう。

さらに、優先順位をつける際には、重要度と緊急度が一覧できるマトリクスを作成することも有効となる。

情報収集の「落とし穴」に注意
tadamichi/iStock/Thinkstock

情報を正しく収集し、分析することは、効果的なアクションを起こし、人をうまく動かすための大前提となる。その第一段階となるのが情報収集だ。最近はサーチエンジンの進化により、デスクにいながらにして様々な情報を手に入れられるようになった。

しかし、気をつけるべきポイントがある。それは、他人が加工・編集した情報を鵜呑みにしてはいけないということだ。

たとえば、あるサービス業の会社で、自社の過去の顧客満足度(5点満点)のデータがあるとする。顧客離れに悩んでいるにもかかわらず、直近の平均評価は4.5と高い数字を打ち出している。そこで元データを探ると、このアンケートの回収率は20%で、不満足な顧客は回答すらしなかったということが判明した。この例からわかることは、数字やグラフが必ずしも客観的に正しいとは限らない、ということだ。

数字やグラフには必ず作成者の意図が入る。誰がどのような目的で、どのような前提のもとに作成したのかを意識しなければならない。何らかの違和感を抱いた時には、一次情報(元データ)にあたるようにしたい。

価値を高める分析

情報を集めた後は、分析が必要不可欠だ。多くのビジネスパーソンは、情報を収集し整理した段階で満足してしまう。たとえば、立ち食いそばチェーンでヒアリングをした結果、顧客のKBF(重要購買決定要因)、そして自社とライバル社の現況が割り出せたとする。しかし、これで終われば「だから何?」なのだ。

重要なのは、これらの情報に「So what?」と問い、意味を引き出して、ビジネスで重要な示唆を導き出すことだ。ワンランク上の意味を引き出すこと、つまり「結晶化」こそが、ビジネスを成功に導く原動力となる。

また、みんなが気づいていない実態を明らかにすることが、分析の醍醐味でもある。昨今、縮小傾向のウィスキー市場で健闘しているサントリーハイボールを例にあげよう。これまでウィスキーの濃度は12%程度が一番美味しいというのが「社内常識」だった。しかし自社の調査・分析の結果、8%程度が美味しいという結論に至った。

予見のない視点で現場を見て、顧客の声を聴くこと。そして新しい角度から物事を眺め、本質を捉えることを心がけたい。問題の本質をえぐることこそ、分析の本懐といっていいだろう。

実行スキル

ロジックとイマジネーション
kunertus/iStock/Thinkstock

ビジネスは実行し、結果を出してこそ評価される。「最強」といわれるフレームワークにPDCA(Plan-Do-Check-Action:計画―実行―評価―改善)がある。

たとえば、工場や営業の現場で、毎日必ず目標を確認し、1日の終わりに振り返りをする。そして翌日の行動に活かしていく。この地道な繰り返しこそが、生産性や収益性の向上につながる。

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