ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから

本書の要点

  • 人の個性は半分以上言葉づかいでできている。自分なりの生き方をするには、言葉の能力が必要だ。言葉の能力を高めるために、本を読み他者の生き方に学ぶことが大切である。

  • 本には別の本との関連性、ネットワークが存在する。本を選ぶときはまずその本のネットワークの構造を理解し、節目となる本を読むことだ。

  • 本を読むときは、感情や予断を抜きにして「素直に」読む。すると、頭の中に様々な意見を持った著者が住むようになり、人間的能力が高まる。

1 / 4

なぜ本を読むのか

人間はいつも未完成

学ぶことと生きることはほぼ同じだといえる。赤ん坊として生まれてきて、身の周りのことをできるようになり、言葉を話せるようになる。学校に通うようになると、読み書きを習い、本や情報に書かれている内容も読めるようになる。やがて、個性ある人間として自分らしく生きることを始める。

人生は、それまでの選択の繰り返しで作られる。変化には切れ目がないため、今の自分は何か必然的な道をたどってきた確固たる存在のように感じるかもしれないが、実際には偶然が重なって今が形作られている。自分という人間は選択によって作られるのであり、この先の未来も同じである。つまり、人間の個性にはあまり根拠がなく、いつでも未完成だということだ。

人間にとって「言葉」とは

人間はいつでも未完成だということは、逆の見方をすれば、人間はいつでも完成形ということでもある。できかけのプロセスはその都度の完成形であって、どの時点であるにせよ、その人はその人として暫定的に完成している。

人を完成させる要素は、その人の経験、持って生まれた素質、そして言語である。人の個性、すなわち人の人生は半分以言葉づかいでできている。たとえば、自分が生きる意味や自分らしさ、大切な人々との関係の行く末、その人々にどう感謝の気持ちを伝えればよいのかなどは、言葉の存在なしに考えることはできない。

このような考えは、ある種のパターンの繰り返しである。そうしたパターンを学んでこそ、自分独自のユニークなところをみつけられる。そして言葉は、人生のパターンをとらえるようにできていて、言葉以外に自分をつかまえる方法はない。だからこそ、自分なりの人生の像を結び、生きていくためには、言葉の能力を高めることが必要なのだ。

それでは、どのように言葉の能力を高めるか。そのために有効なのは、過去の誰かの似たような経験を参考にすることだ。それは、本に書いてある。本をみつけて読めば、学べるのだ。

2 / 4

どんな本を選べばよいのか

本はネットワークを築く

ConstantinosZ/iStock/Thinkstock

それでは、どんな本を読めばいいのか。

人が初めて目にする本は、絵本など親に買い与えてもらった本である。そして小学校に入学すると、今度は読むべき本として教科書が配られる。教科書とは、中学も、高校も、大学まで付き合うことになる。しかし、一旦学校を卒業してしまえば、その後どのような本を読むかは自分次第である。

どの本を選んだとしても、正しいも間違いもないが、読んで面白くなかった、役に立たなかったと後悔するような本はできれば避けたい。

そこで、本の選び方としてまず知っておく必要があるのは、本にはネットワークがあるということだ。人と人との繋がりがあるのと同じように、1冊の本にはその本を生み出した別の本がある。さらに、その別の本を生み出したまた別の本も存在する。このように、本と本はネットワークを築いている。これは、本の書き手というのは同時に読み手でもあり、本を書く際は多くの場合、別の本を読んでから執筆に取り組むからである。

したがって、本を選ぶときはまずその本のネットワークの構造を理解することがポイントだ。そしてその構造がわかれば、「ネットワークの節目」となる本を読む。そのほかの本は読まなくてもよい。

人生で読むべき本

教科書卒業後の大事な本のジャンルにクラシックス(古典)がある。クラシックスとは、みんなが読むべき定番となっている本で、大事なことがらを世界で最初に書いた本である。原典を読むのが一番良いが、時代や言語の問題でなかなか難しい。しかし、本のシステム(相互関係)を理解するために、おおよその内容は知っておきたい。

そこで役に立つのが「入門書」だ。入門書はクラシックスの系統樹のダイジェストなので、最初の古典からそれ以降に生まれた古典全ての見取り図を一度に理解することができる。ただし、

もっと見る
この続きを見るには...
残り2822/4405文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2018.04.22
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved. 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権は橋爪 大三郎、株式会社フライヤー に帰属し、事前に橋爪 大三郎、株式会社フライヤーへの書面による承諾を得ること なく本資料の活用、およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、 本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。

一緒に読まれている要約

新版 あなたもいままでの10倍速く本が読める
新版 あなたもいままでの10倍速く本が読める
ポール・R・シーリィ神田昌典(監修)井上久美(訳)
複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考
複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考
木部智之
アルゴリズム思考術
アルゴリズム思考術
田沢恭子(訳)ブライアン・クリスチャントム・グリフィス
大前研一 日本の論点 2018~19
大前研一 日本の論点 2018~19
大前研一
デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか
デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか
ライアン・エイヴェント月谷真紀(訳)
人体六〇〇万年史〔上〕
人体六〇〇万年史〔上〕
ダニエル・E・リーバーマン塩原通緒(訳)
AIとBIはいかに人間を変えるのか
AIとBIはいかに人間を変えるのか
波頭亮
モラル・エコノミー
モラル・エコノミー
サミュエル・ボウルズ植村博恭磯谷明徳遠山弘徳(訳)

同じカテゴリーの要約

「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか
三宅香帆
頼るのがうまい人がやっていること
頼るのがうまい人がやっていること
有川真由美
リーダーの否定しない習慣
リーダーの否定しない習慣
林健太郎
記憶脳
記憶脳
樺沢紫苑
「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
藤吉豊小川真理子
頭のいい人が話す前に考えていること
頭のいい人が話す前に考えていること
安達裕哉
リーダーの「任せ方」の順番
リーダーの「任せ方」の順番
伊庭正康
無料
締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか
締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか
安達未来
カスハラの正体
カスハラの正体
関根眞一
経営12カ条
経営12カ条
稲盛和夫