【小さな会社】 ネット通販 億超えのルール

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出版社
出版日
2017年12月18日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

自宅にいながらにして、ネット通販によって何でも手に入る時代だ。ネット通販は、買い手にはもちろんのこと、売り手にもメリットがある。24時間年中無休で、商品を日本中、さらには世界中の人の目に届けるチャンスを得られることだ。

一方で、ネット通販には、デメリットもある。商品比較が容易であるために、同業他社との価格競争に陥りやすい。さらには、Web上の写真だけでは、商品の良さを十分に訴求できない場合もある。うまくいかず、悩んでいる経営者も多いだろう。そんな方に、ぜひ本書をおすすめしたい。

著者の西村氏は、通販業界で20年以上の実務経験を重ね、現在はネット通販企業を支援する「通販コンサルタント&プロデューサー」として活躍している。本書では、著者自身の経験と、多くの企業の分析に裏打ちされたノウハウがわかりやすく体系化され、紹介されている。

ネット通販ビジネスにおいて最も大切なことは、自社独自の価値観や世界観といった「独自の価値提案」だと著者はいう。「自社独自の価値などない」と思うかもしれない。しかし、本書で示されるワークに一つずつ取り組んでいけば、あなたの会社にしかない唯一無二のメッセージを見つけ、顧客に届けられるだろう。ネット通販で成功したいと考えている中小企業・ベンチャー企業の経営者や、マーケティング部門の担当者にはぜひお読みいただきたい一冊だ。

著者

西村 公児(にしむら こうじ)
通販コンサルタント&プロデューサー
株式会社ルーチェ 代表取締役社長
年商600億円の上場通信販売会社で、販売企画から債権回収までの業務を16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核メンバーとして5年間マーケティングに参画。通販業務を20年以上経験してきた。
大手エステ系企業の通販ビジネスのサポートで売上200%アップ、ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の販促支援でレスポンス率を2倍にアップ、某健康食品会社の事業開発および通販支援で新規会員数が2000名増加など、通販ビジネスと売れる商品開発のプロとして、誰もが知る有名企業のヒット商品誕生に多数関わる。
売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える独自メソッド「ダイレクト通販マーケティング理論®」を提唱。中小企業から中堅企業をメインに、企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多くサポートしている。
国内の注目のビジネスモデルや経営者に焦点を当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書には本書のほか、ベストセラーとなった『伝説の通販バイブル』(日本経済新聞出版社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    小さな通販会社であっても、単品リピート通販のビジネスモデルを採用し、「売れる通販指数」、MR指数、年間リピート率の3つの指標を活用することで、売上を上げることができる。
  • 要点
    2
    小さな会社が利益を上げるには、「UVP(独自の価値提案 )」が必須となる。UVPは、「誰が言うのか?」「何を言うのか?」「ストーリー」「ギフト」の基本の4階層と、それらすべてを取り囲む「世界観」の5つの要素に分けられる。UVPによってお客さまの「共感」や「感動」が生まれ、他社との差別化が実現できる。

要約

【必読ポイント!】 儲かる仕組みの土台をつくる

通販ビジネス成功の3つの指標
ipopba/iStock/Thinkstock

よい商品をつくれば絶対に売れると考える人は多いが、そうならない厳しい現実がネット通販にはある。なぜなら、99%の通販会社が「3つの指標」を知らないからだ。一方、売上100億円超えの大手通販企業は、この3つの指標によって「科学的な全体像」を把握したうえで商品を売り出し、計算通りに売上を上げている。

その3つの指標とは、「売れる通販指数」、MR指数、年間リピート率だ。「売れる通販指数」は、ある商品の売上(円)×購入者数(人)÷クロージングをかけた数(人)によって算出できる。これは、特定の商品について、クロージングをかけたお客さまがどれくらいの割合でどのくらいの額を買ってくれるのかを数値化したものである。この数値によって、その商品が確実に売れるかどうかを見ることができる。目標は2000を超えていることだ。

MR指数とは、広告にかけた費用を、その広告によって得られた受注売上でどれくらい回収できたかを示す数値だ。受注売上÷広告費で算出できる。目標の0.8を超えると、大きなビジネスモデルの展開やお客さまのリピートが望めるという。

年間リピート率は、大手通販企業と同様、60%が目標だ。ネット通販ビジネスは、リピート率を上げることによって利益をつくっている。そのため、リピートしない商品やビジネスは、長く生き残ることができない。

この3つの指標を意識することで、加速度的に売上を上げ、それを維持できる土台をつくることが可能となる。思い込みによる商品投入や的はずれなリニューアルをなくせるため、ビジネスが成功する確率が格段に上がるといえる。

単品リピート通販を選ぶ

企業が行う通販ビジネスのモデルは、大きく2つに分けられる。まず、商品を幅広く取り揃え、総合的に個々のお客さまから売上を引き上げていく「総合通販」だ。膨大な商品ラインナップや、SEO対策が必要であるため、資金力のある大手通販企業が採用している。

もう1つは、お試し商品から定期購入へと引き上げていく「単品リピート通販」だ。中小企業やベンチャー企業では、単品リピート通販のビジネスモデルを採用するのが望ましい。なぜなら、単品リピート通販は、販売テクニックさえ理解し実践できれば、低予算でも儲かるネット通販ビジネスをつくり上げることが可能だからである。

なお、単品リピート通販においては、商品の選択が鍵となる。「1年間で3回以上購入する可能性があり、その総額が1万8000円以上になるもの」を選ぶとよい。

独自価値を提案する(UVP)
Gajus/iStock/Thinkstock

小さな通販会社が単品リピート通販モデルで売上を伸ばすには、「UVPとストーリーを組み合わせて打ち出す」ことが必須だ。UVPとは、Unique Value Propositionの略でお客さまに「自社独自の価値」を提案することを指す。

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要約公開日 2018.05.30
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