トヨタ流「5S」最強のルール

生産性“劇的向上”ノウハウを2時間のストーリーで学ぶ
未読
トヨタ流「5S」最強のルール
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生産性“劇的向上”ノウハウを2時間のストーリーで学ぶ
未読
トヨタ流「5S」最強のルール
出版社
出版日
2018年03月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

整理・整頓・清掃・清潔・躾の5S活動。知識として知ってはいても、継続して取り組んでいる職場は決して多くないのではないだろうか。

5Sの取り組みが続かない理由として著者が挙げるのは、「現状維持で良いのではないか」と考えてしまうこと、そして、5Sを実行する意味を理解していないことだ。5S活動を続けるためには、活動の5W1H――「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」――を明らかにしたうえで、5Sに取り組む目的を設定し、それに共感してもらうこと、目的に応じた責任者を選定することが不可欠だという。

本書は、雰囲気が悪く、売上も上がらない書店に、竹刀を携えたドSな経営コンサルタント・上条エリカが派遣されるところから始まる。エリカは、5Sのそれぞれの「S」に対して責任者を任命し、「S」を実行させていく。最初は不満ばかりだった店員たちも、エリカの剣幕と、次第に改善される店舗の様子を目の当たりにし、少しずつ前向きに5S活動に取り組むようになっていく――というストーリーだ。活動の成果については、ぜひ本書で確かめていただきたい。

登場人物たちが実践する一つひとつの取り組みは、決して特別なものではない。しかしだからこそ、気軽にスタートでき、継続しやすいものだといえるだろう。ムダな作業が多い、活気がないなどの課題を抱える職場を改善するための「最初の1歩」としておすすめしたい1冊だ。

著者

原 マサヒコ(はら まさひこ)
株式会社プラスドライブ代表取締役。
1996年、神奈川トヨタ自動車株式会社に現場メカニックとして入社。入社してすぐに5Sを叩き込まれると、5000台もの自動車修理に携わりながらも技術力を競う「技能オリンピック」で最年少優勝に輝く。さらにカイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」でも2年連続全国大会出場を果たすなど活躍。
活躍の場をIT業界に変えても5S活動は継続し、PCサポートを担当したデルコンピュータでは「5年連続顧客満足度NO.1」に貢献。現在はWEBマーケティング会社を設立し、数多くのクライアント先に対して付加価値を提供し続けている。
著書に、『どんな仕事でも必ず成果が出せる トヨタの自分で考える力』(ダイヤモンド社)、『トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術』(かんき出版)、『Action! トヨタの現場の「やりきる力」』(プレジデント社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    5Sの「整理」とは、要るモノと要らないモノを区別し、要らないモノを処分することだ。
  • 要点
    2
    5Sの「整頓」とは、整理を経て残った「要るもの」を使いやすく配置することだ。
  • 要点
    3
    「清掃」をすることで、良い環境を作ることができる。それによって良い仕事をすることができ、お客様にも喜んでいただける。
  • 要点
    4
    5Sの「清潔」では、5Sで取り組んだ整理・整頓・清掃がいかに維持できるかを考える。
  • 要点
    5
    5Sの「躾」において重要なのは、マナーや礼儀が身に付いていること、そして仕事の基本が習得できていることだ。

要約

5Sでお店を立て直せ

経営コンサルタント・上条エリカの登場

関東を中心に、30店舗を展開する大型書店チェーン「呉越書店」。その中でも近年、四ッ谷本店の売上が落ち込んでいた。そこで派遣されたのが、ドSな経営コンサルタント・上条エリカ(以下、エリカ)だ。

エリカは、竹刀を片手に四ッ谷本店に乗り込む。大きな声でお客さまに詰め寄られる店員、平台に無造作に置かれたコミック、薄汚い看板などを目撃したエリカは、三浦店長と面会する。

エリカと三浦店長の面談
StockRocket/iStock/Thinkstock

三浦店長と面談したエリカは、店内の雰囲気が最悪であると伝える。すると三浦店長は、店内の雰囲気は売上とは関係ないと言い返す。彼に対してエリカが言ったのは、お店の雰囲気はお店の評価に直結するということ、「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)で四ツ谷本店を立て直すということだった。

本書のストーリーは、1つの「S」に対して1人の責任者を割り当て、エリカがその責任者に対して「S」をレクチャーするという形式で進んでいく。

5Sはなぜ重要か

5Sは、仕事を進めるための基本だ。

お客様目線で言うと、お店に行って5Sができていないと、不安になる。つまり、店舗や職場の様子そのものが、1つの営業活動にもなりうるということだ。

オフィスワークにおいても、5Sは重要だ。5Sができていない人には、重要な仕事を任せることができない。

とはいえ、5Sの取り組みを続けることは容易ではない。取り組みが続かない理由としては、「現状維持で良いのではないか」と考えてしまうから、そして、5Sを実行する意味を理解していないからである。

5Sは、運動ではなく、「活動」として取り組まなければならない。そのためには、5W1H――「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」――を明らかにすることが重要だ。加えて、5Sに取り組む目的を設定し、それに共感してもらうこと、その目的に応じた責任者を選定することも不可欠だといえる。

5S(1)――整理

「整理」とは

エリカが店長と面談した翌日、開店前に朝礼が行われた。20人弱の店員の前で、エリカは、5Sを推進すること、そしてまずコミックエリアから進めることを宣言する。スタッフは皆、その威圧感に圧倒されていた。

「整理」責任者に指名されたのは、コミック担当の神木竜太だ。

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要約公開日 2018.06.12
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