「超」独学法

AI時代の新しい働き方へ
未読
「超」独学法
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「超」独学法
出版社
定価
924円(税込)
出版日
2018年06月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

近年、独学がブームになっている。社会の変化が激しく、知識の賞味期限が短くなってきているなか、常に学び続けることが必要になっているのだろう。

しかし、勉強の必要性は認めながらも、なかなか踏み出せない人は多い。勉強と聞いて思い浮かべるのが学校だからだろう。宿題やテストなど、ウンザリするような言葉が連想されてしまう。社会人になってから学ぶにしても、資格取得などのための各種学校や英会話スクール、社会人教養講座などに通う人が多く、「勉強は学校で」というのが常識のようになっているのではないだろうか。

これに対して著者は、社会人にとっては学校での勉強よりも独学のほうが効率的であるという。本書では、独学の効用が示されるとともに、独学を始め、継続するための方法が紹介される。

独学は、新しい時代の新しい勉強法だ。勉強してキャリアアップに役立てたいと思っていても、いざ勉強するとなると何から始めればいいか分からないし、忙しくて続けられそうにない──そんな人にピッタリなのが「独学」だ。好きなことを、自分のペースで、好きな時間に学べるからである。本書で紹介されているような独学のポイントを踏まえて学び続け、能力を高めていく人が、これからの社会で活躍できる人だろう。ぜひ、本書から独学の方法論を学び取り、今後のキャリアに役立ててほしい。

著者

野口 悠紀雄(のぐち ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞出版社、大川出版賞)。近著に『入門ビットコインとブロックチェーン』(PHPビジネス新書)、『「産業革命以前」の未来へ』(NHK出版新書)など。ツイッターアカウント:@yukionoguchi10

本書の要点

  • 要点
    1
    独学は、次の3つからはじめよう。(1)分からない言葉を検索して調べること、(2)新聞の第3面までの見出しを毎日チェックすること、(3)SNSで検索することだ。
  • 要点
    2
    スクールに通うよりも独学のほうがいい理由は、人それぞれ学ぶべき内容が異なるからだ。たとえばパソコン教室では、あなたにとって必要な機能はごく一部であっても、すべての機能が説明される。
  • 要点
    3
    独学を継続するために必要なのは、(1)ハッキリした目的を持つ、(2)強いインセンティブを持つ、(3)勉強の楽しさを活用する、(4)時間を確保するの4つだ。人に教えるのもいい。

要約

独学の第一歩

とにかく始めよう
Tero Vesalainen/iStock/Thinkstock

インターネットの発展で、独学のハードルは大きく下がった。検索サービスを利用して、知識を得たり、教材を入手したりすることができるし、勉強した成果をウェブで発表することもできる。しかもスマートフォンがあれば、こうした勉強がどこでもできるのだ。

ただしどんな仕事にも言えることだが、最初の一歩を踏み出すことは簡単ではない。あれこれ考えるよりも、まずは次の3つを実行して独学の第一歩を踏み出そう。

1つめは、分からない言葉があったら検索して調べることである。毎日1つは新しい言葉を調べることを習慣にしよう。AIスピーカーを活用してもいいだろう。

2つめは、新聞の第3面までの見出しを毎日チェックすることだ。そうすれば、社会で今、何が問題になっているかが分かるはずだ。興味を惹かれるテーマがあれば、それをフォローしよう。

3つめは、SNSで検索することである。ツイッターやフェイスブックを使い、問題を探してみよう。

これらの3つを始めるだけなら、たとえ間違った選択をしていても、やり直しのためのコストはかからない。まず一歩を踏み出してみて、勉強すべき方向を見定めよう。

なぜ学校でなく独学のほうがよいのか?

社会人向け学校をすすめない理由

著者は、英会話スクールや資格取得のための学校、パソコンスクールなどの学校に通って学ぶことを否定しない。ただし、こうしたスクールはあくまでビジネスだ。勉強をしたい人のニーズに応えているとは言い切れない。

たとえばビジネス英会話では、専門用語さえ分かれば、単語を並べさえすればある程度の意思疎通ができる。ところが英会話学校では、生徒ごとのニーズが異なるため、挨拶表現などを広く浅く学ぶことになってしまう。誰もが使う表現ばかり学んでいては、ビジネス英会話ができるようにはならない。

パソコンも同様だ。あなたにとって必要な機能はごく一部であっても、パソコン教室ではすべての機能について広く浅く説明される。あなたが必要とする機能の説明は、時間の都合上、十分になされないだろう。検索の方法だけを学び、必要な情報を検索によって独学したほうが早い。

学校でなければできないこともある
DONGSEON_KIM/iStock/Thinkstock

一方で、学校でなければできないこともあるし、学校で学ぶほうが効率的である場合もある。たとえば

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要約公開日 2018.10.02
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