トヨタの育て方
How To Develop Human Resources; THE TOYOTA WAY

未 読
トヨタの育て方
ジャンル
著者
OJTソリューションズ
出版社
KADOKAWA 中経出版
定価
1,300円 (税抜)
出版日
2013年09月26日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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トヨタの育て方
トヨタの育て方
How To Develop Human Resources; THE TOYOTA WAY
著者
OJTソリューションズ
未 読
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出版社
KADOKAWA 中経出版
定価
1,300円 (税抜)
出版日
2013年09月26日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
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レビュー

日本中で知らない人がいないであろう、トヨタ自動車。「トヨタの強さはどこにあると思いますか?」と問われたら、何と答えるだろうか?

生産システム、技術力、ブランド力、販売力そのどれもが「トヨタの強さ」を示しており、これまでも多くの書籍において、様々な角度からその強さの分析がなされてきた。

本書は元トヨタのベテラン技術者が、これらの「トヨタの強さ」の源泉となる「人の育て方」について述べた一冊だ。

トヨタと言えば、トヨタ生産方式に代表されるような「仕組みによるものづくり」が取り上げられることが多い。だが本書では、トヨタの「人を育てる文化と仕組みづくり」に焦点をあて、トヨタが考える「人の育て方」について、「人」「思考力」「やる気」「チーム」そして「リーダー」の視点から、現場が実践している多くの例を挙げつつ、詳しい解説がなされている。育てる側である上司やリーダーの心得だけでなく、育てられる部下・メンバーの心情や、常に変化や改善を愛でる文化作りについても描かれている点が特徴だ。

本書で取り上げられているテクニックやノウハウは、明日からでもすぐ実践できるものもあれば、じっくりと時間をかけて働く人の気持ちや組織の文化を変えてこそ意味があるものもある。だが、その根底には、「一人ひとりを考える人材に育てる。人材が育てば、現場が強くなり、必ず会社が強くなり業績も向上する」という一貫した意図と目的がある。人と組織をよりよく・強く「育てる」という意味で、製造業だけでなく、どの業界や組織にも応用できるのではないか。

著者

(株)OJTソリューションズ 2002年4月、トヨタ自動車とリクルートグループによって設立されたコンサルティング会社。トヨタ在籍40年以上のベテラン技術者が「トレーナー」となり、トヨタ時代の豊富な経験を活かしたOJT (On the Job Training)により、現場のコア人材を育て、変化に強い現場作り、儲かる会社づくりを支援する。
本社は愛知県名古屋市。50人以上の元トヨタの「トレーナー」が所属し、製造業界・食品業界・医薬品業界・金融業界など、さまざまな業種の顧客企業にサービスを提供している。
主な書籍に18万部のベストセラー『トヨタの片づけ』をはじめ、現場の元リーダーたちの言葉をまとめた『トヨタの口ぐせ』(文庫)『トヨタの上司』(すべて中経出版)がある。http://www.ojt-s.jp/

本書の要点

  • 要点
    1
    トヨタの強さの根源は、一人ひとりの社員が自分たちの頭で考えて、問題解決できる人材へと育て上げるノウハウにある。
  • 要点
    2
    主体的に考え問題解決できる人材へ育てるには、それを評価してより考えることを促す仕組みやプロセスを組織に根付かせることが重要である。
  • 要点
    3
    考えることを組織に根付かせるために、上司は、常に部下が納得して自ら考えて行動できるようにしなければならない。そのためには、部下に関心を持ち、部下のありたい姿を理解し、その行動が変わるまで伝え続けることが大切である。

要約

トヨタが育てたい人財

人を育てる文化の原点
Goodshoot/Goodshoot/Thinkstock

トヨタといえば、「トヨタ生産方式」や「ジャスト・イン・タイム」といった言葉から、効率性を重視した文化が根付いているのかという印象を受けるかもしれない。しかしそれはトヨタのものづくりの一面を切り取ったものに過ぎない。本書の第1・2章では、トヨタが考える人の育て方とトヨタが求める思考力について述べられている。

トヨタでは「ものづくりは人づくり」という言葉が語り継がれている。この言葉は、効率的にモノを作り、生産性を高めるには、自分で考え、自律的に動ける社員を育てることが不可欠だというトヨタの考えを端的に表している。トヨタの人を育てる風土を作りだしているものは一体何なのだろうか。

その原点は「家族主義」と「役割分担」にある、と本書は述べている。大家族主義は社員を家族の一員と見なし、「人を長い目で育てる」という文化を醸成し、役割分担は一人ひとりが自分の役割を果たし、「お客様によい商品を届けることに一丸となる」文化をそれぞれ作りあげた。社外の人ではなかなか教えられない、こうした「風土教育」こそが、人を育て、一人ひとりが考えて改善活動を続ける、よりよいモノを作り続けるというトヨタの強みを生み出している。

仕組みによって人を育てる
triloks/iStock/Thinkstock

トヨタが育てたい「人財」とは、一言で言うと「自ら考えて問題・課題を設定し、問題解決ができる」人財である。そのような人を育てるために、トヨタでは様々な制度を取り入れている。

評価の仕組みの面では、トヨタでは仕事の成果だけでなく、自分の分身とも呼べる部下を何人育てられたかが、評価のモノサシとなっている。多くの会社では、「人材育成が大切なのは分かってはいるが、日々の業務が忙しくできていない」というケースが多いのではないだろうか。トヨタでは人材育成も評価対象に入れることで、自分の分身を作り、自分が去った後も組織がうまくいき、人を育てる文化が次の世代へと引き継がれるという循環ができている。

また、トヨタの評価制度でユニークな点として、人事考課要素の10%は「人望」が占めていることも挙げられる。こちらも成果を出すことだけが上司の仕事ではなく、部下から信頼されるかどうかも問われているのだということを、組織に浸透させる仕組みと言えよう。仮に、人望の評価項目がない会社に勤めていても、個人的に人望を意識すれば、自分の行動も部下の反応も変わるはずだと本書は述べている。

次に、業務の仕組みの面では、トヨタでは自ら考えることを促すために、作業の手引書としての「標準」という考え方を導入している。この標準は各作業のやり方や条件であるが、いわゆるマニュアルではない。標準はそれに盲目的に従うのではなく、自分の仕事が無駄なのか、改善の余地があるのかを考える基準になる。標準があっても皆がそれを守らないのなら、人ではなく標準が間違っており改善の余地があるはずと、考えることのきっかけになる。

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2013年09月26日
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