アマゾンエフェクト!
「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか

未 読
アマゾンエフェクト!
ジャンル
著者
鈴木康弘
出版社
プレジデント社 出版社ページへ
定価
1,760円(税込)
出版日
2018年04月18日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか
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鈴木康弘
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1,760円(税込)
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2018年04月18日
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レビュー

2017年9月、アメリカの玩具販売大手「トイザらス」が経営破綻に陥った。「アマゾン・エフェクト」を象徴するできごとである。

アマゾン・エフェクトとはなにか。これは、ネット通販「アマゾン・ドット・コム」が進出する業界で、その影響を受け、業績や株価の低迷に悩む企業が増えている現象を指す。影響は百貨店やスーパー、衣料品といった物販、さらにはコンテンツ産業など幅広い業態におよぶ。そして、多くの企業がトイザらスのように追い詰められている。

また、2017年8月、アメリカを代表する高級食品スーパー「ホールフーズ」をアマゾンが買収した。商品調達も管理も高度なオペレーションが求められる、リアルな生鮮食料品の店舗にアマゾンが進出したと、大きな話題となった。そればかりではない。競争が激化する懸念から、競合の食品スーパー各社の株価が軒並み下落した。こうして業界の秩序が崩れていく事態は、「アマゾン・ショック」とも呼ばれる。

こうしたできごとを、日本企業の多くは「流通業界の嵐」などと、対岸の火事のように眺めていないだろうか。アマゾン・エフェクトの背後には、デジタルがもたらすビジネスの本質的変化がある。著者は、この「デジタルシフト」の脅威に気づかないまま、20世紀のビジネスモデルを引きずる日本企業に警鐘を鳴らす。日本でいち早くアマゾン・エフェクトに対峙した著者の危機感は強い。デジタルシフト危機への対処法にぜひ耳を傾けたい。

しいたに

著者

鈴木 康弘(すずき やすひろ)
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役就任。2006年セブン&アイHLDGSグループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS執行役員CIO就任。グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員も兼任。

本書の要点

  • 要点
    1
    多くの業種の既存の秩序を崩す「アマゾン・エフェクト」。その背後では、「デジタルシフト」という本質的な変化が起きている。
  • 要点
    2
    デジタルシフトは、「時間」「距離」「量」「方向」といった制約から顧客を解放する。それをビジネスのチャンスにするために、日本企業はIT人材の育成を急がなければならない。
  • 要点
    3
    今後のビジネスのアプローチは、ネットやリアルの垣根を超えて、すべてを顧客中心に組み立てる「カスタマーファースト思考」に移っていく。その先頭を切っているのがアマゾンである。

要約

アマゾン・ショック

日本に押し寄せる4つのショック
metamorworks/gettyimages

いま日本に4つのショックが押し寄せているという。

1つ目は、アマゾン・ショックである。書籍や音楽ソフトに限らず、ファッションや生鮮品宅配サービスにおいても、アマゾンの進出は、業界の既存の秩序を揺り動かし、地殻変動を引き起こす。

2つ目は、クラウド・ショックである。以前であれば、開発・導入に1億円、メンテナンスに月々百万円をかけていたシステムが、いまではクラウトサービスを使えば、月額の使用料数百円ですんでしまう。このクラウドの分野で圧倒的なシェアを誇るのは、やはりアマゾンである。

3つ目は、AI(人工知能)/IoT(Internet of Things)ショックである。すべてのものがインターネットでつながるIoTによって、膨大なデータが蓄積され、それをAIが解析する。アマゾンはデータを制することにより、差別化を図ったサービスを顧客に提供し、ネットとリアルの両面から覇権を握ろうとしている。

4つ目は、IT人材の育成が急務となっている現状、すなわち教育ショックである。今後は、各企業が自前でシステムを開発できることが、スピード・コストの両方の視点からも必要となる。いかに社内にIT人材を確保できるかが競争力を左右する。しかし、そのことに気づいて、社内の人材教育を強化している日本企業は少ない。

いま日本に押し寄せている4つのショックのいずれを見ても、その背後にはアマゾンの姿がある。

ネットとリアルの融合

ネットとリアル(実際の店舗)のシームレスな融合を意味する「オムニチャネル」。この概念は、アメリカの大手百貨店メイシーズが2011年に使用したのが始まりである。オムニとは「すべて」を意味する。そしてオムニチャネルとは、ネットとリアル、すべての顧客接点を連動させて顧客にアプローチする方法である。

著者はかつて、セブン&アイ・ホールディングスからオムニチャネルを立ち上げた経験がある(2015年11月)。そのときに強烈に意識したのがアマゾンの存在であった。著者の陣営は、リアルの店舗からネットに世界を広げた。一方、当時のアマゾンは、ネットからリアルの世界への進出をたくらんでいた。

ここで著者は大きな壁にぶちあたった。リアルからネットに発想を移すことがいかに難しいかという壁である。日本の流通関係者のなかには、アメリカでのアマゾンの躍進についてこうした考えがあった。「国土が広く、もともと通販文化があったから、アマゾンはうまくいく」「日本は国土が小さいから大丈夫」。そして、店舗で買えるのと同じものが、時間や場所に関わりなくネットで注文できれば、利用者にとっての利便性が増したと考える。それ以上発想が広がらないことが、後に大きな制約となった。

アマゾン・ブックスの風景
RobertoDavid/gettyimages

では、アマゾンによるリアルな店舗はどのようなものか。アメリカで展開している書店販売のリアル店舗、「アマゾン・ブックス」を見てみよう。店舗を視察した著者によると、その特長は商品を絞り込み、圧倒的に在庫が少ないことにある。

それを可能にしているのが「フルフィルメントセンター」と呼ばれる巨大な物流拠点だ。この拠点は、ネットで販売する商品のために膨大な在庫を保管している。店舗のバックヤードが倉庫も兼ねているような既存の書店と比べて、ストックできる品数は桁違いに多い。リアル店舗のアマゾン・ブックスには、そのなかから売れ筋や目を引く商品を選んで並べるというわけだ。

日本の書店に一般的な、本の背表紙を表に向けて並べる「背差し」は一冊もない。すべての本が、表紙を正面に向ける「面陳列」「面展示」である。そのため、一冊一冊の魅力がストレートに伝わってくる。

そこではネット上で見つけた本を実際に確かめて購入することもできれば(ウェブルーミング)、店頭で気に入った本を自宅に届けてもらうように、その場の端末で手配することもできる(ショールーミング)。読みたい本が店頭になければ、アマゾンストアで検索して注文すればいい。

【必読ポイント!】 デジタルシフト

アマゾン・エフェクトの本質とはなにか

アマゾンが引き起こしている変化の本質はなにだろうか。それは、アナログからデジタルへの移行、「デジタルシフト」である。つまり、人々は「時間」「距離」「量」「方向」の制約から解放される。

ネット上では24時間いつでも、世界中のどこでも買い物ができる。売り手は数量にしばられることなく、いくらでも商品の情報を掲載できる。売り手と買い手は、インタラクティブにコミュニケーションをとれる。

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